相談者プロフィール
相談者の情報
宮本健一さん(仮)、51歳、埼玉県所沢市東狭山ヶ丘在住。
大型トラックの長距離ドライバーとして23年勤務。
妻(49歳・契約社員)との二人暮らし。
物件・ローンの情報
2010年に新築で購入した4LDKの一戸建て(木造2階建て)。
住宅ローン残債は約1,720万円。
月々の返済は約9万2,000円。
固定資産税が年間約12万円。
ご相談の内容
宮本さんは28歳で運送会社に入社し、長距離ドライバーとして働いてきました。妻の裕子さんとは結婚当初から子どもを持たない選択をし、二人でバイクツーリングを楽しむなど、アクティブな生活を送っていました。14年前に購入した一戸建ては、夫婦二人の城として大切にしてきた家でした。
しかし2021年頃から、物流業界の働き方改革に伴い、宮本さんの労働環境は大きく変わりました。長距離便から中距離便への配置転換が増え、残業時間は月40時間から15時間程度に減少。年収は約100万円下がりました。「業界全体の流れだから仕方ない」と受け入れましたが、住宅ローンの返済が徐々に家計を圧迫するようになりました。
2023年春、さらなる試練が訪れます。長年の不規則な生活と運転姿勢の負担から、腰椎椎間板ヘルニアを発症。1ヶ月半の休職を余儀なくされました。傷病手当金は受け取れたものの、収入は通常の6割程度。妻のパート収入と貯蓄でなんとか住宅ローンの支払いを維持しました。職場復帰後も医師から長距離運転を控えるよう言われ、中距離便専属に。手取りは月22万円ほどになりました。
夫婦で楽しんでいたバイクツーリングにも行けなくなり、2台あったバイクのうち1台を売却して生活費に充てました。2024年春、固定資産税と車検が重なった時期に、住宅ローンを初めて滞納。その後も2ヶ月に1回程度の遅延が続き、秋には銀行から届いた書面に「代位弁済」という言葉を見つけました。保証会社に債権が移れば一括返済を求められることを知り、宮本さんは妻に相談。裕子さんが任意売却について調べ、夫婦で話し合った結果、年明けに相談することを決意しました。
相談所からのご提案・解決までの流れ
宮本さんご夫婦の状況を詳しくお聞きし、まずは債権者への対応を急ぐ必要があることをお伝えしました。住宅ローン残債が約1,720万円に対し、築14年の木造一戸建ての市場価値は1,200〜1,350万円程度と推定され、アンダーローン状態でした。代位弁済が実行される前に任意売却の手続きを進めることで、競売よりも有利な条件で売却できる可能性が高いことをご説明しました。
売却活動と並行して、宮本さんが最も不安に感じていた「50代で賃貸を借りられるのか」という点についてもサポートしました。所沢市内および近隣エリアで、ご夫婦の収入で無理なく借りられる物件をリストアップ。最終的に、所沢市内の2LDKの賃貸マンション(家賃6万8,000円)への転居を決められました。
一戸建ては約4ヶ月の売却活動を経て、1,320万円で成約。残債との差額約400万円については、宮本さんの年齢と健康状態を考慮し、月々1万2,000円、ボーナス時に追加返済という条件で分割返済の合意を得ることができました。引っ越しの時期も、宮本さんの仕事のシフトに合わせて調整し、負担を軽減しました。
相談者の声

正直なところ、「持ち家を売るのは負け」という気持ちがずっとありました。14年間、夫婦で庭の手入れをしたり、休日にはウッドデッキでコーヒーを飲んだり、たくさんの思い出がある家でしたから。でも、妻が「家より健康が大事だよ。二人で暮らせればどこでもいい」と言ってくれて、気持ちが楽になりました。
相談前は、任意売却は自己破産と同じようなものだと思い込んでいました。実際には、残ったローンを分割で返済しながら普通に生活できると知って驚きました。担当の方が「50代でも賃貸は借りられますよ」と具体的な物件を見せてくれたのも心強かったです。
今の賃貸マンションは庭こそありませんが、駅に近くなり、妻の通勤が楽になりました。住居費も月9万円以上から6万8,000円に下がり、腰を労わりながら無理のない範囲で働けています。妻と「また二人でツーリングに行きたいね」と話しています。まずは体を治すことが先ですが、少し先に楽しみができました。
担当者のコメント

宮本さんご夫婦は、お二人で話し合い、一緒に相談に来てくださいました。奥様が事前に任意売却について調べてこられていたこともあり、スムーズに状況を共有することができました。ご夫婦の連携がしっかりしていることが、今回の解決の大きな力になったと感じています。
物流業界の働き方改革は、ドライバーの方々の労働環境を改善する一方で、収入面では影響を受ける方も少なくありません。さらに体調を崩されると、収入減少と医療費の負担が重なり、住宅ローンの返済が難しくなるケースがあります。宮本さんのように、早めにご相談いただければ、代位弁済前に手続きを進めることができ、選択肢も広がります。一人で抱え込まず、ご夫婦やご家族で話し合った上で、お気軽にご相談ください。
