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離婚後、介護職の収入だけで住宅ローンを返済。養育費終了と収入減で限界を迎えた52歳女性の再出発

相談者様のプロフィール

相談者の情報
奥村智恵さん(仮)、52歳、千葉県柏市在住。
有料老人ホームの介護スタッフとして8年勤務。
7年前に離婚し、現在は大学4年生の次男・航平さん(21歳)と二人暮らし。
長男・健太さん(24歳)は都内で一人暮らし。
年収は約290万円(夜勤手当込み)。

物件・ローンの情報
2005年に3,480万円で購入した3LDKマンション(築25年)。
離婚時に元夫との共有名義から智恵さんの単独名義に変更。住宅ローン残債は約1,420万円、月々の返済額は約7万6,000円。
相談時点で2ヶ月滞納。
このほか、生活費補填のためのカードローンが2社合計80万円あった。

ご相談の内容

智恵さんの生活が傾き始めたのは、2年前のことでした。次男の航平さんが18歳になり、元夫からの養育費(月6万円)の支払いが終了したのです。月の収入が実質6万円減る中、智恵さんは夜勤を増やして対応しようとしました。しかし、50歳を過ぎた体には限界がありました。腰痛が悪化し、整形外科への通院が始まりました。

翌年の春、勤務先の老人ホームで人員削減があり、夜勤手当の単価が下がりました。月の手取りは2万円近く減少。生活費が足りなくなり、智恵さんは初めてカードローンに手を出しました。「来月には返せる」と思いながら、借入額は少しずつ増えていきました。

追い打ちをかけたのは、息子たちへの出費でした。長男の健太さんが転職のため3ヶ月間無職になった際は、月3万円の仕送りを続けました。次男の航平さんが就職活動を始めると、スーツ代や交通費がかさみました。気づけば、カードローンの残高は80万円に膨らんでいました。

2024年5月、住宅ローンの引き落としが初めて残高不足で落ちませんでした。翌週、カードローンから借りて何とか支払いましたが、6月、7月と同じことが続き、ついに2ヶ月の滞納となりました。銀行から届いた督促状には「期限の利益の喪失」という言葉が書かれていました。

智恵さんは、息子たちには何も言いませんでした。長男はようやく新しい仕事に慣れてきたところ。次男は就活の真っ最中で、最終面接に落ちて落ち込んでいる時期でした。「子どもに心配をかけたくない」という思いから、一人で抱え込む日が続きました。夜勤明けの朝、誰もいないマンションに帰ってきて、郵便受けから督促状を取り出すとき、手が震えました。

ある夜勤明け、智恵さんはコンビニで立ちくらみを起こしました。店の外のベンチでしばらく動けませんでした。「このままじゃ、本当に倒れる」。体の限界だけでなく、心も限界でした。

数日後、次男から「最終面接、手応えがあった」というLINEが届きました。航平さんの人生がこれから始まる。自分のせいで、この子の足を引っ張りたくない。その夜、智恵さんは震える手で相談窓口に電話をかけました。

相談所からのご提案・解決までの流れ

初回の面談では、智恵さんの状況を丁寧にお伺いしました。住宅ローンの滞納状況、カードローンの借入額、そして何より、息子さんたちに知られたくないというお気持ちを理解した上で、今後の選択肢をご説明しました。

智恵さんが最も心配されていたのは、「ローンが残ったら自己破産するしかないのか」という点でした。物件の査定額は約1,150万円で、残債1,420万円との差額である約270万円が残る見込みでしたが、債権者との交渉により分割返済が可能であることをお伝えしました。また、カードローンについては住宅ローンとは別に整理できることもご説明し、智恵さんの表情が少し和らぎました。

売却活動は、息子さんへの配慮を最優先に進めました。次男の航平さんの就職活動が終わるまでは、できる限り現状を維持したいというご希望があったため、債権者と交渉し、売却活動の期間を確保しました。その間、航平さんは無事に内定を獲得。智恵さんから状況を説明すると、航平さんは「お母さん、全然気づかなくてごめん。就職したら家にお金入れるから」と言ってくれたそうです。

売却活動では、駅徒歩12分という利便性と、管理状態の良いマンションという点をアピール。約3ヶ月で購入希望者が見つかり、1,120万円で成約しました。残債との差額約300万円については、月々1万5,000円の分割返済で合意。カードローンについては、弁護士と連携して任意整理を行い、月々の返済額を軽減しました。

引っ越し先は、柏市内の家賃5万円のワンルームマンションをご紹介しました。航平さんは就職を機に独立し、一人暮らしを始めることになったため、智恵さんお一人での新生活となりました。月々の住居費は2万6,000円の削減。引っ越し費用として、売却代金から20万円を配分していただくこともできました。

相談者の声

電話をかけるまでに、本当に時間がかかりました。スマホの画面を何度も開いては閉じて、1週間くらいそんなことを繰り返していました。一人で抱え込んでいた時期が一番つらかったです。誰にも言えない、でも限界。そんな毎日でした。

相談して驚いたのは、住宅ローンとカードローンを別々に整理できるということでした。私は「全部まとめて自己破産しかない」と思い込んでいたので、分割で返済していける道があると知って、本当に安心しました。

航平に話したときは、正直怖かったです。でも、息子は怒るどころか、「就職したらお金入れるから」と言ってくれました。子どもに迷惑をかけたくない一心で隠していましたが、もっと早く相談していれば、一人で抱え込まなくてよかったのかもしれません。

今は小さな部屋で一人暮らしですが、夜勤を減らしても生活できるようになりました。腰痛も少し良くなって、休みの日は近所の公園を散歩しています。息子たちも時々連絡をくれて、たまに三人でご飯を食べに行きます。あのとき電話してよかったと、心から思っています。

担当者のコメント

奥村さんは、初回のご相談時、声が小さく、肩を落としていらっしゃいました。「息子たちには絶対に知られたくない」と何度もおっしゃっていたのが印象に残っています。お一人で住宅ローンを払いながら、二人の息子さんを育ててこられた責任感の強い方だからこそ、弱みを見せることに抵抗があったのだと思います。

今回のケースでは、離婚後に単独名義でローンを引き継いだものの、養育費の終了や収入減という複合的な要因で返済が困難になりました。こうした状況は珍しくありません。特に、介護職など体力を使うお仕事の方は、年齢とともに収入維持が難しくなることがあります。

奥村さんのように「子どもに迷惑をかけたくない」という思いから、一人で抱え込んでしまう方は多いです。でも、早めにご相談いただくことで、選択肢は広がります。ご家族に話すタイミングや伝え方についても、一緒に考えることができます。一人で悩まず、まずはお話しいただければと思います。