高齢の親の施設入居資金にするため、親の住む家を売却。
相談者プロフィール
鈴木花子さん(仮)、52歳、神奈川県横浜市在住。介護職として勤務し、年収は320万円。離婚後、母親(78歳)と2人暮らし。元夫との間に長女(25歳・結婚済み)がいるが、経済的支援は期待できない状況。
【物件・ローンの情報】
2005年に購入した3LDKのマンション(築18年)。住宅ローン残債は1,800万円。月々の返済は約7万円。母親の年金と合わせて何とか返済を続けてきた。
ご相談内容
花子さんは、5年前に離婚した後、母親と2人で暮らしながら住宅ローンの返済を続けてきました。介護職の収入だけでは厳しく、母親の年金も頼りにしていましたが、最近になって母親の認知症が進行し、一人で留守番をさせることが不安になってきました。
母親が徘徊するようになり、近所の方からも心配の声をかけられることが増えました。デイサービスを利用していますが、症状の進行により、そろそろ施設への入居を検討しなければならない状況です。しかし、入居一時金や月額費用を考えると、現在の収入では到底賄えません。
「母を施設に入れるためには家を売るしかない」と考えましたが、住宅ローンの残債が多く、売却しても完済できるか不安でした。不動産会社に相談したところ、「ローン残債の方が多いので、任意売却になる可能性が高い」と言われ、「任意売却って何?」「ブラックリストに載るの?」「母の施設入居に影響はないの?」と不安が募りました。
一人で抱え込んでいても解決しないと思い、インターネットで調べた任意売却の専門相談所に連絡することにしました。母親のためにも、一日も早く適切な環境を整えてあげたいという思いでした。
ご提案内容
ご相談を受けた際、まず花子さんの状況と母親の介護ニーズを詳しく伺いました。現在の物件価値と住宅ローン残債を正確に把握するため、不動産査定と金融機関への事前相談を実施しました。
査定の結果、売却価格は約1,600万円と予想され、ローン残債1,800万円を下回ることが判明しました。そこで、金融機関と任意売却の交渉を開始し、残債200万円については無理のない分割返済プランを提案しました。
同時に、母親の施設入居についても介護支援専門員と連携し、入居可能な施設の選定と費用計算を行いました。売却代金から諸費用を差し引いた手取り額で、入居一時金と当面の月額費用を賄えることを確認しました。
売却活動では、早期売却を重視し、適正価格での買主探しを積極的に進めました。内覧時には母親への配慮も行い、ストレスを最小限に抑えるよう心がけました。
相談者の声

最初は「任意売却」という言葉すら知らず、「家を失って母の介護もできなくなるのでは」と絶望的でした。でも、相談所の方が母の状況を理解してくれて、施設入居と売却を同時に進められることを教えてくれました。
売却が決まってからは、母に合った施設も見つかり、入居の準備も整いました。住宅ローンの残債についても、月2万円の分割返済で合意でき、介護職の収入でも無理なく返済できる金額です。母も新しい環境に慣れて、私も安心して仕事に集中できるようになりました。
担当者のコメント

鈴木様のケースは、高齢者介護と住宅ローン問題が重なった典型例でした。お母様の認知症進行という時間的制約がある中で、迅速かつ適切な対応が求められました。任意売却により施設入居資金を確保し、残債も無理のない返済計画を立てることで、お母様の安全と花子さんの生活再建を両立できました。
介護が必要なご家族を抱える方の住宅問題は、一人で解決するには限界があります。介護と住宅の専門家が連携することで、最適な解決策を見つけることができます。お困りの際は、お早めにご相談ください。
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