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相続で共有名義となった不動産が競売に。兄弟の住宅ローン滞納で家族関係も悪化してしまった。

任意売却

相談者様のプロフィール

相談者の情報
中村博子さん(仮)、48歳、神奈川県横浜市港北区在住。
医療事務(パート)として12年勤務、年収180万円。
夫(52歳・会社員)、長男(22歳・大学4年生)、長女(19歳・短大1年生)の4人家族。

物件・ローンの情報
2023年8月に父親から相続した横浜市内の築25年マンション(3LDK)を兄弟3人で共有名義で所有。
弟が住宅ローン月額12万円を支払っていたが、勤務先の倒産により滞納が発生。
2024年6月に競売開始決定通知が届く。

ご相談の内容

父親が急逝した際、兄弟3人で「売却して現金分割する」予定でしたが、長兄が「父の思い出を手放したくない」と主張し、結果的に3分の1ずつの共有名義で相続しました。しかし、2024年3月に弟の勤務先が倒産し、住宅ローンの支払いが困難となりました。

博子さん夫婦も子供2人の教育費で家計が厳しく、継続的な支援は不可能でした。「何とか転職先を見つける」と言っていた弟でしたが、3ヶ月経っても就職は決まらず、ついに競売申立てが実行されてしまいました。

自宅に届いた「競売開始決定通知書」を見た瞬間、博子さんは頭が真っ白になりました。夫との話し合いでも「なんで俺たちにも通知が来るんだ」と困惑するばかり。その晩は「競売」「差し押さえ」という言葉が頭の中をぐるぐる回り、眠ることができませんでした。

インターネットで必死に調べましたが、専門用語ばかりで理解が追いつかず、長兄からは「健司のせいで父さんの家を失う」と怒りをぶつけられ、家族関係も悪化していきました。パート先の同僚から任意売却の話を聞き、「子供たちに心配をかけたくない」という思いで相談を決意しました。

相談所からのご提案・解決までの流れ

まず共有名義不動産の競売について詳しく説明し、博子さんの不安を解消することから始めました。幸い、長兄に残債務を現金で用意できる余力があることが判明したため、以下の解決策を提案しました。

第一段階として、長兄が弟の残債務を肩代わりすることで競売申立ての取り下げを債権者に交渉しました。並行して、不動産鑑定士による正確な査定を実施し、適正な持分売買価格を算定しました。

第二段階では、税務面での問題がないよう税理士とも連携し、贈与税や所得税の発生を避ける売買価格を慎重に設定しました。最終的に弟の持分を長兄が買い取る形で、3人共有から2人共有に変更する手続きを進めました。

全ての手続きが完了するまで約2ヶ月かかりましたが、競売を回避し、家族関係の修復にもつながる結果となりました。

相談者の声

競売という言葉を初めて目にしたときは、本当に恐怖で震えが止まりませんでした。インターネットで調べても専門用語ばかりで、どうしていいか分からず途方に暮れていました。

相談では、私たちの状況を詳しく聞いてくださり、共有名義の仕組みから競売のリスクまで、難しいことを分かりやすく教えていただきました。単に問題を解決するだけでなく、税金の心配まで考慮してくださり、安心してお任せできました。

おかげで父が残してくれた家を守ることができ、ぎくしゃくしていた兄弟関係も元に戻りました。弟も新しい職場が見つかり、今では家族で食事をする機会も増えています。一人で抱え込まずに、早めに相談して本当に良かったです。

担当者のコメント

共有名義不動産の問題は、相続時の感情的な判断が後々大きなトラブルに発展するケースの典型例です。今回は幸い、経済的に余力のある共有者がいらっしゃったため、親族間での解決が可能でした。

重要だったのは、単に競売を回避するだけでなく、税務面での適正性を確保し、将来的な家族関係にも配慮した解決策を提案できたことです。共有名義不動産は、一人でも支払いが困難になると全員に影響が及ぶリスクがあります。相続時には感情だけでなく、将来のリスクも含めて慎重に判断することをお勧めします。