売るしかない、でも住み続けたい
住宅ローンの返済が苦しくなったとき、多くの方が「家を失うしかない」と思い込みます。とくに、子どもの学校が近い、高齢の親の介護がある、長年築いてきた生活の基盤がある——そういった事情があると、引越しを考えるだけで胸が締め付けられるような気持ちになるものです。
しかし、諦めないでください。「任意売却+リースバック」という方法を使えば、自宅を売却しながらも、そのまま住み続けることができます。
このページでは、リースバックと任意売却の仕組みから、メリット・デメリット・費用・実際の成功事例、そしてよくある疑問まで、わかりやすく解説します。
リースバックとは?|売却後も賃貸として住み続ける仕組み
リースバック(leaseback)とは、所有している不動産を売却した後、その買主(不動産会社や投資家)に家賃を支払いながら、同じ物件に賃借人として住み続ける仕組みです。
簡単に言うと:「家を売って、買った相手に家賃を払って住み続ける」ということです。
通常、住宅を売却すると退去しなければなりませんが、リースバックでは売却と同時に賃貸借契約を締結するため、引越しは不要です。
リースバック単体でも存在しますが、住宅ローン滞納中の方の場合は「任意売却との組み合わせ」で初めて成立します。金融機関(債権者)の同意を得たうえで任意売却を進め、売却代金をローン返済に充当しつつ、買主と賃貸借契約を結ぶという流れになります。
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任意売却×リースバックの仕組み|5つのステップで理解する
以下の手続き全体の流れを把握しましょう。
①住宅ローンの返済が困難になる
返済が滞り始めると、金融機関から督促状や催告書が届きます。3〜6ヶ月滞納が続くと、「期限の利益の喪失」が通知され、残債の一括返済を求められます。
②任意売却の専門会社に相談する
自宅を任意売却する旨を、専門知識を持つ不動産会社に相談します。金融機関への交渉窓口となり、リースバックの意向も同時に伝えます。
③買主が決まり、売却代金が金融機関に入る
不動産会社が買主(投資家や不動産業者)を探します。売却代金は抵当権者(金融機関)に充当され、残債がある場合は分割返済の交渉を行います。抵当権は売却によって抹消されます。
④賃貸借契約を締結する
売却後、新しいオーナー(買主)と賃貸借契約を結びます。家賃・契約期間・更新条件を書面で確認することが重要です。
なお、定期借家契約か普通借家契約かによって更新条件が異なるため、必ず契約前に確認しましょう。
⑤自宅に住み続ける
引越しなく、生活をそのまま継続できます。毎月の支払いはローン返済から家賃へと切り替わります。
競売・通常売却との比較|リースバック付き任意売却が選ばれる理由
| 比較項目 | 任意売却+リースバック | 競売 |
|---|---|---|
| 売却後の居住 | ◎ 住み続けられる | ✕ 強制退去 |
| 売却価格の目安 | ○ 市場価格の70〜90% | ✕ 市場価格の50〜60% |
| 引越しの必要 | ○ 不要(継続居住) | ✕ 必要 |
| プライバシー | ◎ 近所に知られにくい | ✕ 公開入札・周知リスク |
| 売却時期の選択 | ○ 相談しながら設定可 | ✕ 選べない |
| 引越し費用 | ○ 不要(継続居住のため) | ✕ 自己負担 |
| 精神的負担 | ○ 専門家サポートあり | ✕ 大きい |
| 残債の交渉 | ○ 分割払いなど柔軟 | ✕ 厳しい傾向 |
競売は売却価格が市場価格の50〜60%程度にとどまることが多く、プライバシーも保護されません。
一方、リースバック付き任意売却は、居住継続というメリットに加え、専門家のサポートのもと手続きを進められる安心感があります。
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リースバックのメリット8つ|住み続けながら債務整理できる
メリット①:住み慣れた家・地域に住み続けられる
転居による環境の変化がなく、生活の基盤を維持できます。長年暮らした家で生活を継続できるため、精神的な安定にもつながります。
メリット②:子どもの転校・転園が不要
学区や友人関係を変えずに済むため、子どもへの影響を最小限に抑えられます。受験や進学を控えた時期でも安心です。
メリット③:親の介護・通院の継続が可能
高齢の家族がいる場合、かかりつけ医や介護保険サービスとの関係を維持できます。通院環境の急変はご家族にとって大きな負担になるため、これは重要なメリットです。
メリット④:競売回避と居住確保を同時に実現
任意売却で競売を回避しながら、リースバックで住居も守れます。2つの問題を一度に解決できる点が大きな特徴です。
メリット⑤:引越し費用・敷金・礼金が原則不要
新たな賃貸物件への引越しと異なり、住み続けるため初期費用がかかりません。金銭的な余裕がない時期に費用負担を抑えられます。
メリット⑥:毎月の負担がローン返済より軽くなるケースも
住宅ローンの返済額より家賃が低くなる場合があります(物件・条件次第)。月々のキャッシュフローが改善し、生活再建の余裕が生まれます。
メリット⑦:将来の買い戻し条件を設定できる場合がある
買主(不動産会社・投資家)との交渉次第で、将来的に自宅を買い戻す「再購入特約」を付けることが可能なケースもあります。
メリット⑧:近所・職場に事情を知られにくい
競売のように公告がなく、近隣住民や勤務先に売却事実が広まるリスクを大幅に低減できます。プライバシー保護の観点で大きなメリットです。
リースバックのデメリット・注意点8つ|正直にお伝えします
リースバックはすべての方に最適な方法とは限りません。以下のデメリットも正直にお伝えします。
デメリット①:家賃が相場より高くなるケースがある
リースバックの家賃は、売却価格をもとに算出するため、周辺相場より高くなることがあります。複数の不動産会社に相談し、家賃の目安を事前に確認しましょう。
デメリット②:長期居住の保証がないケースもある
買主(オーナー)が変わったり、売却されたりすると賃貸条件が変わる可能性があります。
契約時に定期借家契約か普通借家契約かを確認し、更新条件を書面で明確にしましょう。
デメリット③:金融機関(債権者)が同意しない場合がある
リースバック付きの任意売却に抵当権者が難色を示すことがあります。
リースバック交渉の経験が豊富な専門会社に依頼することで成立の可能性が高まります。
デメリット④:すべての物件・エリアで実現できるわけではない
買主となる投資家が見つかりにくいエリアや、老朽化が著しい物件では難しいことがあります。
デメリット⑤:売却価格が通常売却より低くなることがある
リースバックを前提とした売却では、買主が家賃収益を見込んで購入するため、市場価格より低くなる場合があります。 残債との差額を事前にシミュレーションし、残債処理方針を決めておきましょう。
デメリット⑥:買い戻しには新たな資金調達が必要
将来買い戻す場合、金融機関からの借り入れや自己資金が必要になります。再購入を希望する場合は、買い戻し価格と時期を契約段階から明確にしておきましょう。
デメリット⑦:家賃を滞納すると退去になるリスク
売却後は賃借人の立場になるため、家賃滞納が続くと退去を求められます。 家賃支払いの継続可能性を冷静に判断し、支払い可能な金額での契約締結が重要です。
デメリット⑧:元配偶者・連帯保証人との連絡が必要なケースも
離婚後に共有名義や連帯保証が残っている場合、手続きに協力を求める必要があります。
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こんな方にリースバックは向いています|5つのケース
「任意売却は仕方ないとしても、今の家に住み続けたい」
そう感じている方にとって、リースバックは有力な選択肢になります。特に次のような状況にある方は、ぜひ一度検討してみてください。
ケース①:子どもの学区・転校を避けたい方
受験を控えている、仲の良い友人がいる、部活動の真っ最中。
子どもにとって「学校環境の突然の変化」は、大人が思う以上に大きな負担です。
リースバックを活用することで、住宅ローン問題を解決しながら、子どもの生活環境をそのまま守ることができます。「親の事情で子どもに苦労をかけたくない」というお気持ちに、リースバックは応えられる場合があります。
ケース②:高齢の親の介護・通院の環境を維持したい方
かかりつけ医、訪問介護、デイサービスなど。介護に必要なサービスはすべて、現在の住所を中心に組み立てられています。
転居によってこのネットワークが崩れると、介護の質が大きく低下するリスクがあります。高齢の家族を抱えている方にとって、「引越しをしない」という選択肢は、家族全員の生活を守ることにつながります。
ケース③:近所や職場に売却を知られたくない方
競売になると、物件情報が公開され、近隣住民や知人の目に触れる可能性があります。
任意売却+リースバックであれば、通常の不動産取引と同様に手続きが進むため、外見上は何も変わりません。「売却したことを知られたくない」というプライバシーへの配慮が自然に実現します。
ケース④:将来的に自宅の買い戻しを検討している方
「今は資金がないが、数年後には買い戻したい」という方にも、リースバックは有効です。
買主との交渉次第で、将来の再購入を前提とした契約(再購入特約)を結べるケースがあります。住み慣れた自宅をいつか取り戻すための「時間を買う手段」として活用することができます。
ケース⑤:引越しの体力的・費用的な余裕がない方
病気療養中の方、高齢で体力的に引越しが困難な方、あるいは引越し費用や新居の敷金・礼金を用意できない方にとって、「その場に住み続けられる」リースバックは現実的な解決策です。
経済的・身体的な余裕がないときこそ、環境の変化を最小限に抑えることが、生活再建への近道になります。
こんなケースでは難しいこともあります|現実的な判断のために
リースバックを希望しても、以下のケースでは実現が難しい場合があります。事前に専門家に確認することが重要です。
ケース①:金融機関(抵当権者)が同意しない場合
任意売却もリースバックも、抵当権を持つ金融機関の同意がなければ成立しません。
特に「売却後も元の所有者が住み続ける」というリースバックの形態に対して、一部の金融機関が難色を示すことがあります。ただし、交渉の進め方や専門会社の実績によって結果が変わるケースも多いため、「同意が難しそう」と感じた段階であきらめず、まず専門家に相談してみてください。
ケース②:物件の市場価値が低く、買い手が見つかりにくい場合
リースバックが成立するには、売却後に家賃収入を見込める投資家や不動産会社が買主として現れる必要があります。
築年数が古い、立地条件が悪い、修繕が必要な状態など、物件の市場価値が極端に低い場合は買い手がつきにくく、リースバックの実現が難しくなることがあります。物件の状態によっては、通常の任意売却(退去あり)が現実的な選択肢になる場合もあります。
ケース③:競売の開札(落札)がすでに完了している場合
競売手続きの「申し立て」の段階であれば、任意売却に切り替えられる可能性がありますが、「開札(落札)」が完了した後は法律上、新しい所有者への引き渡しが必要となり、任意売却もリースバックも行うことができません。
競売通知が届いた時点で、できるだけ早く動くことが重要です。時間が経つほど選択肢は狭まります。
ケース④:売却後の家賃支払いが現実的に見込めない場合
リースバック後は、毎月の家賃を確実に支払い続ける必要があります。
現在の収入状況から見て、家賃の継続的な支払いが現実的に難しいと判断される場合、契約自体が成立しないか、成立しても後に退去を求められるリスクがあります。
「住み続けたい」という気持ちは大切ですが、支払い能力を冷静に見極めたうえで判断することが、長期的な生活再建につながります。
リースバックの費用について|任意売却は「持ち出し0円」が原則
任意売却自体の費用
任意売却の仲介手数料や諸費用は、売却代金の中から配分されるのが原則です。手元からの持ち出しが発生しないケースがほとんどです(※ただし物件状況や残債規模により異なります)。
リースバック後の毎月の費用(家賃)
家賃の目安:売却価格の0.7〜1.0%/月が一般的
例)売却価格2,000万円 → 月額家賃 14,000〜20,000円程度
※エリア・物件・買主の条件により変動します
加えて、管理費・共益費・更新料がかかる場合があります。
※敷金・礼金は一般的には不要です(住み続けるため)。
ローン返済額と比較して月々の支払いが軽減されるケースもありますが、物件・条件によって異なります。必ず事前に家賃の試算を行いましょう。
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リースバックについてよくある質問(FAQ)
Q1. 家賃が払えなくなったら、どうなりますか?
家賃の滞納が続いた場合、通常の賃貸借契約と同様に、契約解除・退去を求められる可能性があります。
家賃の支払い継続が難しいと感じたら、早めにオーナー(買主)に相談し、家賃の減額や支払い猶予の交渉を行いましょう。支払い可能な家賃で契約することが何より重要です。
Q2. 売却後に、自宅を買い戻すことはできますか?
買主との交渉次第で、将来的な買い戻し(再購入)を条件として付けることが可能なケースがあります。
ただし、買い戻し価格は売却価格より高くなることが多く、新たな資金調達が必要です。買い戻しを希望する場合は、契約締結前に価格・時期・条件を書面で明記してもらいましょう。
Q3. 競売の手続きが始まっていても、リースバックは可能ですか?
競売の「申し立て」が済んでいても、「開札(落札)」が完了していなければ、任意売却+リースバックを進められる場合があります。
ただし時間的な余裕がないため、競売通知が届いた時点でできるだけ早く専門家に相談することが重要です。開札後は法律上、新所有者への引き渡しが必要になります。
Q4. リースバックを断られることはありますか?
あります。金融機関(債権者)がリースバック付き任意売却に同意しない場合、物件の価値が低くて買い手が見つからない場合、家賃支払い能力に懸念がある場合などは実現が難しいことがあります。
Q5. 任意売却や相談に費用はかかりますか?
一般的に、任意売却の相談自体は無料です。仲介手数料等の費用は売却代金の中から配分されるため、手元からの持ち出しは原則発生しません。
ただし、会社によって対応が異なるため、相談時に費用について確認しておくことをお勧めします。
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まとめ|「売っても住める」選択肢があります
住宅ローンの返済が困難になっても、必ずしも「家を失う」「引越しを余儀なくされる」わけではありません。任意売却+リースバックという方法を活用することで、自宅を売却しながらも、住み慣れた家・地域・生活環境を守ることができます。
もちろん、すべての方に成立するわけではありません。金融機関の同意、買い手の確保、家賃支払い能力など、クリアすべき条件はあります。しかし、専門家のサポートのもとで相談を進めることで、多くのケースで解決の糸口が見つかります。
「まず話を聞いてもらうだけ」で構いません。相談は無料です。状況が変わる前に、早めの一歩を踏み出してみてください。

