相談者様のプロフィール
山田浩二さん(仮)、56歳、神奈川県相模原市南区在住。
中堅製造業の品質管理部課長で、年収は580万円。勤続28年。
妻(54歳・パート)、長男(26歳・IT企業勤務)、長女(23歳・看護師)の4人家族。
物件・ローンの情報
2007年に購入した3LDK分譲マンション(築18年)。
住宅ローン残債は約2,100万円。
月々の返済は約12万8千円。
ご相談の内容
山田さんは28年間勤めた製造業で品質管理の仕事に従事し、安定した収入を得てきました。しかし、2024年秋に会社の業績悪化により早期退職優遇制度の対象となり、退職を余儀なくされました。
当初は「まだ56歳だし、経験もあるから転職できるだろう」と楽観視していましたが、現実は厳しく、3ヶ月間で15社に応募しても内定は1社のみ。しかもその企業の提示年収は320万円で、住宅ローンの返済を考えると到底生活が成り立たない金額でした。
失業保険と妻のパート収入、子どもたちからの生活費の援助があっても、月々の住居費約16万円には届かず、4ヶ月目から住宅ローンの延滞が始まりました。初回の督促状が届いた時は手が震え、その夜は眠ることができませんでした。妻には心配をかけまいと隠していましたが、2回目の延滞通知を見つけられ、ついに家族に本当の状況を打ち明けることになりました。
深夜にパソコンで「住宅ローン 払えない」「任意売却」と検索しましたが、「借金まみれの人がやること」「近所にバレてしまう」という先入観があり、なかなか相談する勇気が持てませんでした。しかし、代位弁済通知書が届いた時、「このままでは家族全員が困ってしまう」と現実を受け入れ、妻の「一人で抱え込まないで」という言葉に背中を押され、相談を決意しました。
相談所からのご提案・解決までの流れ
初回のご相談では、山田さんの不安や誤解を一つずつ丁寧に解消することから始めました。「任意売却は自己破産とは違う」「近隣に知られることなく進められる」「引っ越し費用の捻出も可能」といった正しい情報をお伝えしました。
物件の査定を実施したところ、立地条件が良く管理の行き届いたマンションであることから、住宅ローン残債を上回る価格での売却が見込めることが判明しました。債権者との交渉により、売却活動の開始について合意を得ることができました。
売却活動では、内覧時間を平日の日中に限定し、近隣住民への配慮を最優先にしました。また、山田さんご家族の引っ越し先についても、長男・長女が通勤しやすい立地で家賃負担の軽い物件を複数ご提案しました。
最終的に、査定価格を上回る金額での売却が成立し、住宅ローンを完済した上で引っ越し費用も確保することができました。売却から引き渡しまでの期間も十分に設けることで、ご家族が落ち着いて新生活の準備を進めることができました。
相談者の声

相談前は「任意売却をしたら人生が終わり」だと思っていましたが、実際は全く違いました。担当の方が私たち家族の気持ちを本当に理解してくださり、「新しいスタートを切るための手続き」だと教えてくれました。
売却価格も予想以上で、引っ越し費用まで捻出できたのは驚きでした。新しいアパートは息子や娘の職場にも近く、家族みんなで「かえって良かったね」と話しています。転職活動も、住宅ローンの重圧から解放されて前向きに取り組めるようになりました。
もっと早く相談していれば、あんなに一人で悩む必要はなかったのにと思います。インターネットの情報だけで判断せず、専門家に相談することの大切さを痛感しました。
担当者のコメント

山田さんは長年真面目に働き続けてこられた方で、住宅ローンの延滞についても深く自分を責めていらっしゃいました。しかし、経済情勢の変化による早期退職は決して珍しいことではありません。
今回のケースでは、物件の立地と管理状態が良好だったこと、ご家族の結束が強かったことが良い結果につながりました。任意売却は「失敗」ではなく「新しいスタートのための選択肢」であることをご理解いただけたと思います。
住宅ローンでお悩みの方は、一人で抱え込まず早めにご相談ください。状況に応じて最適な解決策をご提案いたします。