夫の不倫で離婚。共有名義の自宅を手放さずに子どもたちと住み続けたい
相談者様のプロフィール
吉田美穂さん(仮)、42歳、埼玉県川口市在住。
医療事務のパート職で年収180万円、勤務7年。
夫(45歳・システムエンジニア)、長男(17歳・高校生)、長女(13歳・中学生)の4人家族。
【物件・状況の情報】
5年前に夫の両親から相続した築25年の一戸建て(3LDK)。
住宅ローンは完済済みだが、夫との共有名義。 夫は現在別居中で、離婚と財産分与を求めている。
ご相談の内容
美穂さんは結婚17年目で、5年前から夫の両親から相続した川口市内の自宅で家族4人で暮らしていました。昨年春頃から夫の帰宅が遅くなり、休日も仕事を理由に外出することが増えました。秋に夫のスマートフォンで女性との親密なやり取りを発見し、問い詰めたところ不倫を認めました。夫は一方的に離婚を告白し、今年1月から別居が始まりました。
夫から月12万円の生活費を受け取っていますが、パート収入と合わせても生活は厳しく、特に長男の大学進学費用への不安が日増しに大きくなっていました。夫側から「家を売って財産分与したい」と申し出がありましたが、子どもたちは転校を嫌がり、特に長女は「お父さんがいなくなるのに、家まで失うなんて嫌だ」と泣いて反対しました。
毎晩2時頃に目が覚め、家計簿と向き合いながら「このままで大丈夫なのか」と不安に襲われる日々が続きました。長男は「俺が働いて家を守る」と言いましたが、大学進学を諦めさせたくない気持ちと複雑でした。ネットで「離婚 共有財産 家 住み続ける」と検索を重ねましたが、情報が多すぎて混乱し、「家は夫の相続だから私には権利がないのでは」と誤解していました。ある日、長女が友達から「離婚したら引っ越すの?」と聞かれて帰宅後に大泣きしている姿を見て、専門家に相談する決意を固めました。
相談所からのご提案・解決までの流れ
まず美穂さんのご希望と不安を丁寧に伺い、共有財産の考え方や財産分与の仕組みについて詳しくご説明しました。相続財産であっても婚姻中に夫婦で維持・管理してきた不動産は財産分与の対象となることをお伝えし、美穂さんの誤解を解消しました。
次に、自宅に住み続けるための具体的な方法を提案しました。夫の持分を買い取る方法、代償分割による解決、リースバックの活用など複数の選択肢を検討し、美穂さんの収入状況に最も適した方法を選択しました。金融機関との交渉により、美穂さんの収入でも借り入れ可能な条件を整え、夫との協議では感情的にならず冷静な話し合いができるよう同席サポートを行いました。
最終的に、美穂さんが夫の持分を買い取り、単独名義で自宅を保有する形で解決しました。月々の返済額も美穂さんの収入で無理のない範囲に設定でき、子どもたちの生活環境を変えることなく新しいスタートを切ることができました。
相談者の声

最初は「夫の相続した家だから私には権利がない」と思い込んでいて、家を手放すしかないと諦めていました。でも相談してみると、きちんと権利があることが分かり、住み続ける方法もあると知って希望が持てました。夫との話し合いも一人では感情的になってしまいそうでしたが、専門家の方に同席していただけて冷静に進めることができました。
子どもたちには「大丈夫よ」と言い続けてきましたが、内心では不安でいっぱいでした。今は本当に大丈夫だと自信を持って言えます。長男も安心して大学受験に集中できるようになり、長女も友達に「引っ越ししないよ」と報告できて喜んでいました。一人で悩まずに、もっと早く相談すれば良かったです。
担当者のコメント

美穂さんは子どもたちのことを第一に考える素晴らしいお母さんでした。最初は法律的な誤解や経済的な不安で混乱されていましたが、正しい情報をお伝えし、具体的な解決策を提示することで前向きに取り組んでいただけました。離婚時の不動産問題では感情的になりがちですが、冷静な判断と適切な手続きにより、お子様の生活環境を守ることができて良かったです。
共有名義の不動産がある離婚では、様々な解決方法があります。一人で悩まず、早めに専門家にご相談いただくことで、ご家族にとって最良の選択肢を見つけることができます。
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