夫名義のマンションだが頭金800万円は私の貯金。離婚時に財産分与を受けられるか不安
相談者様のプロフィール
中村雅子さん(仮)、38歳、神奈川県横浜市青葉区在住。
看護師(正職員)で年収480万円、勤務15年。
夫(40歳・会社員)、長男(11歳・小学生)、次男(8歳・小学生)の4人家族。
【物件・状況の情報】
8年前に購入した横浜市青葉区の新築マンション(3LDK・購入価格4,800万円)。
登記上は夫の単独名義だが、頭金800万円は雅子さんの独身時代の貯金と夫婦の共同貯蓄から拠出。
住宅ローンは夫名義だが、雅子さんが毎月5万円を家計から負担。
ご相談の内容
雅子さんは看護師として15年間勤務し、結婚後も夜勤を含む正職員として働き続けてきました。8年前にマンションを購入する際、頭金800万円のうち約400万円は雅子さんの独身時代からの貯金、残りは結婚後の共同貯蓄から拠出しました。住宅ローンは夫名義でしたが、雅子さんが毎月5万円を家計から負担し、実質的に夫婦でローンを支払ってきました。
昨年末、夫から「価値観の違い」を理由に離婚を切り出されました。仕事を優先する雅子さんの生活態度や子育て方針の違いが原因とされ、今年2月から夫は実家に帰り別居状態になりました。夫は「家は俺の名義だから俺のもの。君は賃貸アパートを探してくれ」と主張しましたが、雅子さんは納得できませんでした。
最近は職場でのミスが増え、同僚から心配される状況が続いていました。長男は「お父さんはいつ帰ってくるの?」と時々聞き、次男は何も聞かず甘えるようになりました。「離婚 家 名義 単独」「財産分与 頭金 妻」とネット検索を重ねましたが、「名義が夫にあれば夫のもの」という情報と「実質的な貢献があれば財産分与の対象」という情報が混在し、混乱していました。
ある日、次男が「お母さん、僕たちお引っ越しするの?」と突然聞いてきました。夫が子どもたちに勝手に話していたことにショックを受け、通帳を整理すると頭金の出所や毎月の家計負担の記録がはっきりと残っていることに気づき、専門家への相談を決意しました。
相談所からのご提案・解決までの流れ
まず雅子さんが抱いていた「登記上の名義がすべて」という誤解を解消し、実質的な財産形成への寄与があれば財産分与の対象となることを詳しくご説明しました。頭金の出所や毎月の支払い協力について、通帳記録や家計管理の状況から十分に立証可能であることをお伝えしました。
次に、雅子さんの収入状況と希望を踏まえ、マンションの財産分与を受ける具体的な方法を提案しました。不動産鑑定により現在の市場価値を算定し、雅子さんの実質的な持分割合を計算しました。頭金拠出と毎月の支払い協力を考慮すると、雅子さんの持分は約40%と算定されました。
夫との協議では、お子様の生活環境を最優先に考え、雅子さんがマンションに住み続けられる方法を模索しました。最終的に、夫の持分を雅子さんが買い取る形で合意し、金融機関との交渉により雅子さん単独でのローン借り換えを実現しました。毎月の支払い額も雅子さんの収入で無理のない範囲に調整できました。
相談者の声

最初は「夫名義だから私に権利はない」と思い込んでいて、アパート探しを始めようかと悩んでいました。でも相談してみると、頭金を出したことや毎月の支払い協力がきちんと評価され、正当な財産分与を受けられることが分かりました。通帳の記録がこんなに重要だとは思いませんでした。
子どもたちには転校させずに済み、今の学校の友達との関係も続けられて本当に良かったです。看護師の仕事も続けられるので、経済的な不安も軽くなりました。一人で抱え込んで悩んでいた時期が長かったのですが、専門家に相談して現実的な解決策を示してもらえて心が軽くなりました。働く母親として、子どもたちと一緒に新しいスタートを切れそうです。
担当者のコメント

雅子さんのケースは、名義と実質的な財産形成への寄与が異なる典型例でした。多くの方が「名義がすべて」と誤解されがちですが、夫婦の実質的な協力関係を適切に評価することが重要です。雅子さんは几帳面な方で、家計の記録も丁寧に保管されており、それが立証の決め手となりました。
働く女性が離婚時に不利にならないよう、日頃から家計への貢献を記録として残しておくことをお勧めします。お子様の生活環境を守りながら、公平な財産分与を実現できて良かったです。
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