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腰痛で現場に出られない日が増え、収入が激減。住宅ローンの延滞が続き、競売が目の前に

任意売却

相談者プロフィール

相談者の情報
堀口誠さん(仮)、47歳、埼玉県深谷市在住。
土建業の現場主任として22年間勤務。重機オペレーターと現場監督を兼務している。
妻・香織さん(仮・45歳)はスーパーでパート勤務(月収約8万円)。
長男(19歳)は熊谷市内の自動車整備専門学校に在学中で奨学金を利用。
長女(15歳)は中学3年生で、高校受験を控えている。

物件・ローンの情報
2012年に建売住宅(木造2階建て・4LDK)を2,680万円で購入。
住宅ローン残債は約1,880万円。月々の返済は約7.4万円(変動金利の上昇後)で、年2回のボーナス払い各15万円あり。
物件の市場価値は推定1,300〜1,450万円で、約430〜580万円のオーバーローン状態。
このほか、仕事用の軽トラックのローン残約40万円、妻名義のクレジットカードのリボ払い残高約35万円がある。

ご相談の内容

堀口さんがこの家を購入したのは、長男が小学校に上がるタイミングでした。当時の年収は約480万円。月々6.8万円のローン返済は十分にやっていける金額で、「子どもに自分の部屋を持たせたい」「庭のある家で家族と暮らしたい」という思いから購入を決めました。妻の香織さんも「やっと自分たちの家ができた」と喜んでいたそうです。

2019年頃には東京五輪関連の公共工事が増え、年収は530万円台まで上がりました。ローンの返済にも余裕があり、生活は安定していました。ただ、この時期から長男の専門学校への進学費用を見据えて貯蓄を取り崩し始めていたといいます。

状況が変わり始めたのは2023年の秋頃からです。公共工事の入札案件が目に見えて減少し、勤務先の社長から「来年はちょっと厳しいかもしれない」と言われました。残業が減り、手取りが月3〜4万円下がり始めます。それでもまだこの時点では「なんとかなる」と思っていたそうです。

決定的だったのは、2024年4月の腰の故障でした。もともと慢性的な腰痛はあったものの、現場作業中にぎっくり腰を悪化させ、椎間板ヘルニアと診断されました。手術はせずに保存療法を選びましたが、重機に長時間乗ることができなくなり、週5日の勤務が週3.5〜4日に減りました。会社も仕事量が減っていたため「無理しなくていいよ」と言われましたが、実質的には働く日数と収入が削られた形です。月の手取りは22万円台まで落ち込みました。

住宅ローンの月々7.4万円に加え、長男への仕送り月2万円、生活費を合わせると、毎月の収支がほぼ赤字の状態になりました。2024年8月、初めてローンの引き落としに10日の遅れが出ました。銀行からの連絡電話を取ったのは妻の香織さんでした。この日の夜、堀口さんは初めて家計の厳しさを妻に打ち明けました。香織さんは「なんでもっと早く言ってくれなかったの」と声を荒らげましたが、その後は2人とも黙ったまま、リビングで時間だけが過ぎたそうです。

その後も状況は好転しませんでした。2024年秋から2025年春にかけて、ボーナス払いの15万円が捻出できず、消費者金融から借りて補填する月もありました。香織さんはパートのシフトを増やそうとしましたが、長女の受験を控えて思うようにいかず、クレジットカードのリボ払いで日々の不足を埋めるようになりました。ローンの引き落としが残高不足で落ちないことが、この半年間で2回。翌月にまとめて返済する形でなんとか繋いでいたといいます。

2025年6月、銀行の担当者との面談で「このまま延滞が続くと、保証会社に移管される可能性があります」と告げられました。そこで初めて「競売」という言葉を聞き、面談後、車に乗っても手の震えが止まらなかったと堀口さんは振り返ります。

2025年8月には、長女の夏期講習代約8万円の捻出をめぐって夫婦で口論になりました。堀口さんが「家を売るしかないのか」と口にすると、香織さんは泣きながら「この家を出たくない」と言いました。それ以来、2人の間でお金の話をすると空気が重くなり、正面から話し合うことができない状態が続きました。

堀口さんは2025年秋頃から夜中に目が覚めることが増えました。午前2時、3時に目が覚めると、まずローン残債のことが頭に浮かぶ。隣で寝ている妻を起こさないよう、トイレに移動してスマートフォンで「住宅ローン 払えない」「競売 デメリット」「自己破産 家族」といった言葉を繰り返し検索する夜が何度もあったそうです。

2025年12月、銀行から届いた書面が転機になりました。「期限の利益の喪失」に関する予告通知と見られる文書で、法律用語が並んでいて正確には読み解けなかったものの、「もう猶予がない」ということだけは分かったといいます。年末年始に実家の母親のもとを訪れた際、母に「誠、顔色悪いよ」と言われ、何も返せませんでした。年が明けた2026年1月、ネットで見つけた当相談所に電話をかけました。電話をかける前、駐車場に停めた車の中で15分ほど動けなかったそうです。

相談所からのご提案・解決までの流れ

堀口さんから最初にお電話をいただいた際、声は小さく、言葉を選ぶように話されていたのが印象的でした。まずは現在の状況を整理するために、ローン残債、月々の収支、ご家族の状況、今後の希望などを丁寧にお聞きしました。堀口さんが最も心配されていたのは、「競売になって近所や子どもの学校に知られるのではないか」「任意売却をしたら自己破産しなければならないのか」という2点でした。任意売却と自己破産は別の手続きであること、また任意売却であれば通常の不動産売買と同じ形で進められるため、近隣に事情が知られる可能性は低いことをお伝えすると、堀口さんは目に見えて安堵された様子でした。

ご提案としては、銀行(債権者)と交渉のうえ任意売却を進め、売却後の残債については無理のない範囲での分割返済を交渉する方針をお伝えしました。堀口さんのご希望として「長女の高校受験が終わる春まではこの家にいたい」というものがありました。売却活動のスケジュールをご説明し、すぐに退去を求められるわけではないこと、引き渡し時期について買主と調整できる余地があることもお伝えしました。

まず当相談所から銀行に連絡を取り、任意売却の意思があることを伝え、競売手続きに進む前に売却活動の時間を確保する交渉を行いました。並行して物件の査定を実施し、市場価格を精査しました。査定の結果、販売価格は1,400万円に設定。深谷市内で子育て世代のファミリー層に需要のあるエリアであることを踏まえ、庭付き戸建ての魅力を打ち出す販売戦略を立てました。

販売開始から約2か月半で購入希望者が見つかり、最終的に1,380万円での売却が成立しました。銀行との交渉の結果、売却代金から仲介手数料や引越し費用などの諸経費を控除することが認められ、引越し費用の一部を確保することができました。残債約500万円については、堀口さんの現在の収入状況を考慮し、月々1万円からの分割返済で合意を得ました。

引き渡し時期については、買主のご理解もあり、長女の高校受験が終わった後の2026年4月に設定することができました。新たな住まいは深谷市内の賃貸アパート(2LDK・家賃5.5万円)を確保し、長女の高校への通学にも支障のない場所を選びました。香織さんのパート先への通勤距離もほぼ変わらない物件です。

相談者の声

正直に言うと、相談の電話をかけるまでが一番つらかったです。半年以上、一人で抱え込んでいました。ネットで調べれば調べるほど怖い情報ばかり目に入って、任意売却をしたら自己破産するしかないと思い込んでいました。消費者金融にまで手を出して、妻にも本当のことを全部は言えなくて、夜中にスマホで検索しては余計に不安になるという繰り返しでした。

最初の電話で「任意売却と自己破産は別のものですよ」と言われたとき、それだけで少し肩の力が抜けたのを覚えています。自分の状況を全部話しても責められることはなく、「まだ間に合いますよ」と言ってもらえたことが大きかったです。

妻にも改めて全部話しました。相談員の方から「奥様にも一緒に聞いていただいた方がいいですよ」と言われて、次の面談には妻と2人で行きました。妻は最初こわばった顔をしていましたが、具体的な数字やスケジュールの説明を聞いて、「やるべきことが分かった」と言ってくれました。あの一言で、ようやく夫婦で同じ方向を向けた気がします。

娘の受験が終わってから引っ越せるよう調整してもらえたのも、本当にありがたかったです。新しいアパートは前の家より狭いですが、家賃は5.5万円で、ローンを払っていた頃よりも月々の負担が軽くなりました。娘も最初は「引っ越したくない」と言っていましたが、新しい部屋を見たら「まあ悪くないかも」と言ってくれて、少しほっとしました。

今思えば、もっと早く相談していればよかったです。消費者金融から借りてまでボーナス払いを続ける必要はなかったし、あの数か月間の精神的な負担は相当なものでした。同じような状況の方がいたら、「まだ大丈夫」と思っているうちに相談だけでもしてみてほしいと思います。

担当者のコメント

今回の対応で特に重視したのは、長女の高校受験への配慮と、奥様を含めたご家族全体の不安を取り除くことでした。2回目の面談から奥様にもご同席いただき、具体的な数字と今後のスケジュールをお伝えすることで、ご夫婦が一緒に状況を整理し、前向きに判断できる環境をつくることを心がけました。

売却後の残債については、現在の収入に見合った分割返済を債権者と交渉し、生活を圧迫しない返済計画を組むことができました。堀口さんのケースのように、延滞が始まってから相談に来られる方が多いのですが、返済に不安を感じた段階で早めにご相談いただくことで、選択肢はより広がります。住宅ローンの返済が厳しいと感じている方は、状況が深刻になる前に、まずはお気軽にご連絡ください。