住宅ローンが残る共有名義不動産の任意売却

  • 任意売却

相談者プロフィール

田中雅彦さん(仮)、43歳、神奈川県横浜市在住。IT関連会社のシステムエンジニアで、年収は480万円。妻・美香さん(仮)(41歳・事務職、年収280万円)の共働き夫婦。結婚15年目で子どもはなし。2018年に共有名義でマンションを購入。

【物件・ローンの情報】
2018年に購入した駅徒歩8分の2LDKマンション(築浅中古)。住宅ローン残債は2,050万円。月々の返済は約7万5千円。共有持分は雅彦さん6割、美香さん4割。

ご相談内容

雅彦さんと美香さんは、価値観の違いから夫婦関係が悪化し、離婚を前提とした別居を検討していました。お互いに「もうこの家で一緒に暮らすのは無理」という状況でしたが、問題はマンションの処理方法でした。

購入時は3,200万円でしたが、近隣の売却事例を調べると現在の市場価格は約1,800万円程度。ローン残債2,050万円を差し引くと約250万円の不足が生じる計算でした。「売却しても借金が残るなんて知らなかった」と美香さんは困惑されていました。

当初は「どちらかが住み続けて、もう一方の持分を買い取る」ことも検討しましたが、単独でローンを組み直すには収入が不足していました。また、離婚後も共有名義のまま残すことは、将来的なトラブルの原因になりかねません。

「競売になったら近所に知られてしまう」「ブラックリストに載って今後の生活に支障が出るのでは」といった不安もあり、夫婦間の話し合いも感情的になりがちでした。お互いに新しい人生をスタートしたいのに、不動産の問題が足かせになっている状況でした。

ご提案内容

まず、お二人それぞれのお気持ちとご希望を個別に伺い、任意売却の仕組みについて詳しくご説明しました。「競売と違って市場価格に近い金額で売却できる」「売却時期をある程度コントロールできる」「近隣に事情を知られるリスクが低い」といったメリットをお伝えしました。

債権者である金融機関との交渉では、離婚という特殊事情を考慮していただき、任意売却の承認を得ることができました。売却活動は約3ヶ月間行い、最終的に1,850万円で売却が成立。残債200万円については、お二人の収入に応じて雅彦さんが120万円、美香さんが80万円を分担し、それぞれ月2万円と1万3千円の分割返済で金融機関と合意しました。

売却と同時に離婚手続きも進め、財産分与や今後の連絡方法についても整理。お互いが新しい住居を確保し、精神的にも経済的にも新たなスタートを切れるようサポートしました。

相談者の声

離婚だけでも大変なのに、家の問題まで重なって本当に途方に暮れていました。任意売却という方法があることを知らなかったら、もっと大きな損失を被っていたと思います。担当者の方が冷静に状況を整理してくれて、感情的になりがちな私たちを支えてくれました。

担当者のコメント

離婚に伴う不動産の問題は、感情面と経済面の両方で複雑になりがちです。田中様ご夫婦も当初は冷静な判断が難しい状況でしたが、任意売却の仕組みを理解していただくことで、お互いにとって最善の解決策を見つけることができました。

離婚と住宅ローンの問題は決して珍しいことではありません。「まだ何とかなる」と先延ばしにするほど選択肢が狭まってしまいます。早めのご相談で、新しい人生への第一歩を踏み出すお手伝いをさせていただければと思います。

お問い合わせ

ご相談・お問い合わせは
どうぞお気軽にご連絡ください。