共有名義の不動産がある場合の離婚。名義変更による単独所有化で解決
相談者プロフィール
山田由美さん(仮)、34歳、埼玉県さいたま市在住。地方銀行の事務職で、年収は320万円。元夫・拓也さん(仮)(36歳・製造業、年収450万円)との間に長男(8歳・小学2年生)、次男(5歳・保育園)がいる。離婚成立から4ヶ月が経過。
【物件・ローンの情報】
2019年に購入した4LDKの戸建て住宅。住宅ローン残債は2,680万円。月々の返済は約8万5千円。共有持分は拓也さん7割、由美さん3割。固定資産税は年間約12万円。
ご相談内容
由美さんは、元夫の拓也さんとの離婚が成立し、2人の息子と一緒に今の家で暮らし続けることになりました。離婚の際、「子どもたちの環境を変えたくない」という思いから、由美さんが家に住み続けることで合意していました。
しかし、家の名義が元夫との共有のままになっており、日々の生活で不安を感じることが多くなりました。住宅ローンの名義も拓也さんが主債務者のままで、「もし元夫が返済を滞らせたらどうなるのか」「固定資産税の支払い義務は誰にあるのか」といった疑問が次々と浮かんできました。
また、子どもたちが「パパの家なの?ママの家なの?」と聞いてくることもあり、「きちんと自分の家にしてあげたい」という気持ちが強くなりました。元夫とは離婚後の関係は良好でしたが、将来的に再婚などで状況が変わった場合のことを考えると、共有名義のままでは様々なトラブルの可能性がありました。
「名義を変更したいけれど、贈与税がかかるのでは」「住宅ローンの借り換えができるのか」「手続きが複雑で費用も高そう」といった不安から、なかなか行動に移せずにいました。
ご提案内容
まず、由美さんの現在の収入状況と今後の生活設計について詳しく伺いました。離婚から2年以内であれば財産分与として名義変更が可能で、贈与税がかからないことをご説明し、由美さんは安堵されました。
元夫の拓也さんにもご協力いただき、持分移転の手続きを財産分与として進めました。住宅ローンについては、由美さんの収入だけでは借り換えが困難でしたが、勤続年数や勤務先の安定性、お子様の児童手当なども考慮して金融機関と粘り強く交渉しました。
最終的に、由美さんの母親に連帯保証人になっていただくことで、月々7万8千円の単独ローンへの借り換えが実現しました。名義変更と同時に火災保険の契約者変更、固定資産税の納税義務者変更なども一括して手続きし、完全に由美さん単独の所有となりました。
相談者の声

離婚後も元夫との共有名義のままで、なんとなく落ち着かない日々が続いていました。子どもたちにも『ここは本当に私たちの家なの?』と不安な気持ちを与えていたと思います。
財産分与なら贈与税がかからないことを知らなかったので、相談して本当に良かったです。住宅ローンの借り換えも、一人では絶対に無理だったと思います。担当者の方が金融機関との交渉を丁寧にしてくださって、母にも連帯保証人として協力してもらえました。
今では完全に私たち親子の家になって、子どもたちも『ママの家だね』と嬉しそうです。将来への不安が一つ解消されて、前向きに子育てに専念できるようになりました。
担当者のコメント

山田様のケースは、離婚後の共有名義問題の典型例でした。お子様の生活環境を最優先に考える由美さんのお気持ちを大切にしながら、法的にも経済的にも最適な解決策をご提案できました。
財産分与による名義変更は離婚後2年以内という期限があるため、早めの対応が重要です。また、住宅ローンの借り換えは収入面でハードルが高い場合もありますが、諦めずに金融機関と交渉することで道が開けることもあります。共有名義でお悩みの方は、ぜひお早めにご相談ください。
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