夫の不貞行為による慰謝料請求と財産分与

  • 離婚

相談者プロフィール

田中美香さん(仮)、34歳、東京都世田谷区在住。結婚前は事務職として働いていたが、結婚を機に退職し専業主婦となる。夫(38歳・会社員、年収650万円)、長女(8歳・小学2年生)、次女(5歳・幼稚園年中)の4人家族。結婚10年目。

【財産・経済状況】
夫名義の分譲マンション(購入価格4,200万円、ローン残債2,800万円)、夫名義の預貯金約800万円、妻名義の預貯金約50万円。夫の生命保険、学資保険等あり。

ご相談内容

美香さんは、専業主婦として家事と育児に専念し、夫を支えながら幸せな家庭を築いてきたと思っていました。しかし、半年前に夫のスマートフォンで職場の女性との親密なやり取りを発見し、問い詰めたところ不貞行為を認めました。夫は謝罪しましたが、その後も関係が続いていることが判明し、夫婦関係の修復は困難と判断し離婚を決意しました。

専業主婦で収入がなく、2人の幼い子どもを抱えて今後の生活に大きな不安を感じていました。「慰謝料はもらえるのか」「財産分与はどうなるのか」「子どもたちの生活費は確保できるのか」といった疑問と不安で夜も眠れない日々が続きました。

友人からは「弁護士に相談した方がいい」と勧められましたが、「費用が高そう」「裁判になったら時間がかかる」「夫との関係がさらに悪化するのでは」といった心配もあり、なかなか踏み出せませんでした。それでも「子どもたちの将来のために、きちんと権利を主張したい」という思いから、離婚相談所に連絡する決意をしました。

ご提案内容

ご相談を受けた際、まず美香さんの心情に寄り添い、不安な気持ちを丁寧に伺いました。離婚における慰謝料や財産分与の仕組み、今後の生活設計について分かりやすくご説明し、「必ずしも裁判にならない」「協議離婚でも十分な条件を確保できる」ことをお伝えしました。

証拠資料(LINEのやり取り、写真、通話履歴など)を整理し、弁護士と連携して慰謝料300万円を請求しました。財産分与については、不動産の査定を行い、売却益と預貯金を合わせて約1,000万円の50%である500万円の取得を目指しました。

協議離婚の交渉では、夫側も早期解決を望んでいたため、慰謝料250万円、財産分与480万円で合意に至りました。また、養育費月額8万円(2人分)、面会交流の条件も取り決めました。さらに、児童扶養手当、医療費助成、保育料減免などの自治体支援制度についても詳しくご案内し、生活再建への具体的な道筋を示しました。

相談者の声

最初は「専業主婦の私に何ができるのか」と絶望的な気持ちでした。夫の不貞行為にショックを受け、経済的な不安も重なって、どうしていいか分からない状態でした。でも、相談所の方が私の気持ちを理解してくれて、「あなたには十分な権利がある」と背中を押してくれたのが心強かったです。

協議離婚で解決できたので、裁判の負担もなく、子どもたちにも余計な心配をかけずに済みました。慰謝料と財産分与で当面の生活資金を確保でき、支援制度の活用方法も教えてもらえたので、新しい生活への不安が大きく軽減されました。一人で悩んでいた時間がもったいなかったと思います。

担当者のコメント

田中様は、お子様のことを第一に考える愛情深いお母様でした。不貞行為による離婚では、感情的になりがちですが、冷静に証拠を整理し、法的手続きを進めることで有利な条件を確保できます。特に専業主婦の方は、今後の生活設計が重要になるため、慰謝料・財産分与だけでなく、公的支援制度の活用も含めた総合的なサポートを心がけています。

離婚は人生の大きな転機ですが、適切な準備と交渉により、新しい生活への希望を見出すことができます。一人で抱え込まず、早めに専門家にご相談いただくことをお勧めします。

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