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夫が働けない…住宅ローンが払えない時の対策ガイド|団信・公的支援から任意売却まで

更新日:2026年1月20日
投稿日:2026年1月9日
夫が働けない…住宅ローンが払えない時の対策ガイド|団信・公的支援から任意売却まで

「夫が病気で働けなくなった」「収入が途絶えて住宅ローンの返済が厳しい」――そんな状況に直面すると、不安で押しつぶされそうになるかもしれません。しかし、慌てて自己判断で動いてしまうと、かえって選択肢を狭めてしまう恐れがあります。

実は住宅ローンが払えなくなった場合でも、団体信用生命保険の特約や公的支援制度、金融機関との返済条件変更など、さまざまな救済策が用意されています。この記事では、夫が働けなくなった時に取るべき具体的な対応策を、保険・公的制度・金融機関との交渉・不動産売却という4つの観点から順を追って解説します。

早めに正しい情報を知り、適切な相談先につながることで、競売を回避し、家族の生活再建への道筋を見つけることができます。一人で悩まず、まずは現状を整理するところから始めましょう。

目次

夫が働けなくなったら?まず最初に行うべき3つの現状確認

収入が途絶えた時、焦って慌てて行動してしまうと冷静な判断ができなくなります。まずは落ち着いて、現在の状況を正確に把握することが重要です。

ここでは住宅ローンの返済が困難になった際、最優先で確認すべき3つのポイントを整理します。これらを明確にすることで、次に取るべき対策の方向性が見えてきます。

1. 加入している「団体信用生命保険(団信)」の保障内容をチェック

住宅ローンを組む際、ほとんどの金融機関で加入が義務付けられているのが団体信用生命保険、通称「団信」です。この保険は、債務者が死亡または高度障害状態になった場合に、保険金で住宅ローンの残債が完済される仕組みとなっています。

ただし、団信には基本保障だけでなく、がん・脳卒中・心筋梗塞をカバーする「三大疾病特約」や、就業不能状態を保障する「八大疾病特約」などが付帯されている場合があります。夫の病状や就労困難な理由によっては、これらの特約が適用され、ローン残債の一部または全額が免除される可能性があるのです。

まずは契約時の保険証券や金融機関から送られてくる書類を確認し、どのような保障内容になっているかをチェックしましょう。特約の有無によって、今後の対応が大きく変わってきます。

2. 預貯金で何ヶ月耐えられるか?家計のキャッシュフローを把握

次に確認すべきは、現在の預貯金残高と毎月の支出です。夫の収入が途絶えた状態で、今ある貯蓄だけで何ヶ月間生活とローン返済を維持できるのかを具体的に計算してみましょう。

家計簿をつけていない場合でも、通帳記帳やクレジットカードの明細から、月々の生活費・ローン返済額・光熱費・保険料などの固定費を洗い出します。妻の収入がある場合はそれも含めて、毎月のキャッシュフローを正確に把握することが重要です。

この時点で「あと2ヶ月しか持たない」のか「半年は猶予がある」のかによって、対策の緊急度が変わります。余裕があるうちに動けば選択肢も広がるため、早めの現状把握が不可欠となります。

3. 住宅ローンの契約形態(単独・ペアローン・連帯債務)の確認

住宅ローンには、夫単独で借り入れている場合と、夫婦でペアローンや連帯債務として組んでいる場合があります。この契約形態によって、返済義務の所在や今後の対応方法が異なってくるのです。

単独ローンであれば、夫が働けなくなった際の返済責任は夫にのみ発生します。一方、ペアローンの場合は夫婦それぞれが別々のローン契約を結んでいるため、夫の分の返済が滞っても妻の分は継続して支払う必要があります。連帯債務の場合は、夫婦が共同で債務を負っているため、どちらかが返済できなくなればもう一方に請求が来る仕組みです。

また、連帯保証人を立てている場合は、返済が滞ると保証人に一括請求がいく可能性もあります。契約書を確認し、自分たちがどの形態でローンを組んでいるのかを把握しておきましょう。

住宅ローンが免除・軽減される可能性がある「保険」の仕組み

住宅ローンの返済が困難になった時、まず確認したいのが各種保険による保障です。団体信用生命保険や民間の就業不能保険など、加入している保険によっては、ローン残債の免除や収入補償が受けられる場合があります。

ただし、保険金が支払われるには一定の条件を満たす必要があり、「働けない」という状態だけでは対象外となるケースも少なくありません。ここでは、それぞれの保険の適用条件と請求時の注意点を詳しく見ていきます。

団体信用生命保険(団信)の特約が適用される条件

団信の基本保障は、債務者の「死亡」または「所定の高度障害状態」に該当した場合に保険金が支払われ、住宅ローンが完済される仕組みです。高度障害状態とは、両眼の視力を完全に失った場合や、両手足の機能を完全に失った場合など、日常生活に著しい支障がある状態を指します。

しかし、病気やケガで働けなくなったとしても、高度障害の基準に該当しなければ基本保障だけでは保険金は支払われません。ここで重要になるのが、特約の有無です。

特約には「三大疾病保障特約」「八大疾病保障特約」「全疾病保障特約」などがあり、これらに加入していれば、がん・急性心筋梗塞・脳卒中といった特定の疾病で所定の状態になった場合や、一定期間就業不能状態が続いた場合に保険金が支払われます。保険証券を確認し、どの特約に加入しているかを把握しておきましょう。

がん・脳卒中・心筋梗塞「三大疾病特約」の落とし穴

三大疾病特約は、がん・急性心筋梗塞・脳卒中という日本人の死因上位を占める疾病をカバーする保険です。しかし、この特約には意外な落とし穴があります。

まず、がんと診断されたからといって即座に保険金が支払われるわけではありません。多くの場合、「悪性新生物」と診断確定されることが条件であり、上皮内がんなどの初期がんは対象外となるケースがあります。また、保険会社によっては「がんと診断確定され、その後90日以上生存している」といった条件が付くこともあるのです。

脳卒中や急性心筋梗塞についても同様で、「診断確定されてから60日以上、所定の後遺症が継続した状態」といった厳しい条件が設けられている場合があります。単に入院しただけ、手術を受けただけでは保険金請求の対象にならないことも多いため、約款をよく確認する必要があります。

精神疾患(うつ病など)で働けない場合は団信の対象になる?

近年、うつ病などの精神疾患により就業が困難になるケースが増えています。しかし、残念ながら一般的な団信では、精神疾患は保障の対象外となっていることがほとんどです。

団信の基本保障や三大疾病特約は、主に身体的な疾病や障害を対象としており、精神疾患による就業不能は免責事項に該当します。うつ病や適応障害などで休職・退職せざるを得なくなった場合でも、団信からの保険金支払いは期待できません。

ただし、一部の金融機関では「全疾病保障特約」や「就業不能保障特約」に精神疾患を含む商品も登場しています。また、精神疾患が原因で障害年金の受給対象となった場合は、公的支援制度の活用が可能です。団信での保障が受けられない場合は、後述する公的支援制度や返済条件の変更など、別の対策を検討することになります。

民間の所得補償保険や就業不能保険の受取手続き

団信とは別に、民間の保険会社が提供する「所得補償保険」や「就業不能保険」に加入している場合は、こちらからの給付金を受け取れる可能性があります。これらの保険は、病気やケガで働けなくなった際に、毎月の収入の一部を補償してくれる仕組みです。

所得補償保険は比較的短期間(1〜2年程度)の就業不能をカバーするのに対し、就業不能保険は長期にわたる収入減少に備える商品となっています。給付金額は加入時に設定した金額に基づき、住宅ローンの返済や生活費の補填に充てることができます。

給付金を受け取るには、医師の診断書や就業不能であることを証明する書類が必要です。また、多くの保険には「免責期間」が設定されており、就業不能になってから60日または90日経過後から給付が開始されるケースが一般的です。保険証券を確認し、早めに保険会社へ連絡して請求手続きを進めましょう。

収入減をカバーする!必ず申請すべき「公的支援制度」

保険による保障が受けられない場合でも、公的な支援制度を活用することで、収入減少をある程度カバーできる可能性があります。日本には、病気やケガで働けなくなった人を支える社会保障制度が複数用意されています。

これらの制度は申請しなければ給付を受けられないため、該当する可能性がある場合は早めに手続きを進めることが重要です。ここでは、住宅ローン返済が困難になった際に活用できる主な公的支援制度を紹介します。

健康保険から支給される「傷病手当金」

会社員や公務員など、健康保険に加入している人が病気やケガで仕事を休み、給与が支払われない場合に受け取れるのが「傷病手当金」です。この制度は、療養中の生活保障を目的としており、最長で1年6ヶ月間にわたって給付を受けることができます。

支給額は、休業前の標準報酬月額の約3分の2です。たとえば月給30万円の人であれば、1日あたり約6,700円が支給されるため、月額で約20万円の収入補償が得られます。ただし、待機期間として連続3日間の休業が必要であり、4日目から支給対象となる点に注意が必要です。

申請には、医師の意見書と事業主の証明が記載された申請書を、加入している健康保険組合または協会けんぽに提出します。なお、国民健康保険に加入している自営業者は、傷病手当金の対象外となるため、別の支援策を検討する必要があります。

長期の就業不能なら「障害年金」の受給を検討

病気やケガが原因で長期間働けない状態が続き、日常生活や就労に支障が出ている場合は、「障害年金」の受給を検討しましょう。障害年金には、国民年金から支給される「障害基礎年金」と、厚生年金から支給される「障害厚生年金」があります。

障害の程度によって1級から3級までの等級があり、等級に応じて年金額が決定されます。障害厚生年金の場合、3級でも年間約58万円が支給されるため、住宅ローンの返済負担を軽減する助けとなるでしょう。また、配偶者や子どもがいる場合は加算が受けられます。

受給するには、初診日から1年6ヶ月が経過した「障害認定日」以降に申請が可能となり、医師の診断書や病歴・就労状況等申立書などの書類が必要です。認定基準は厳格で、うつ病などの精神疾患も対象となりますが、症状の程度によって判断されます。年金事務所や社会保険労務士に相談し、受給の可能性を確認してみましょう。

自治体の「住居確保給付金」は住宅ローンにも使えるのか?

「住居確保給付金」は、離職や廃業、またはやむを得ない休業等により収入が減少し、住居を失う恐れがある人に対して、家賃相当額を支給する制度です。生活困窮者自立支援制度の一環として、自治体の福祉事務所や生活困窮者自立相談支援機関が窓口となっています。

この制度は原則として「賃貸住宅の家賃」を対象としており、残念ながら持ち家の住宅ローン返済には直接使えません。支給期間は原則3ヶ月、最長で9ヶ月まで延長可能ですが、あくまで賃貸物件の家賃に限定されているのです。

ただし、住宅ローンの返済が困難で任意売却やリースバックを検討している場合、売却後に賃貸住宅に転居する際には、この制度を活用できる可能性があります。また、自治体によっては独自の融資制度や生活福祉資金の貸付制度を設けている場合もあるため、お住まいの自治体の福祉事務所に相談してみる価値はあるでしょう。

銀行(金融機関)に相談して「返済条件」を変更してもらう

保険や公的支援制度だけでは返済が難しい場合、次に検討すべきは金融機関への相談です。実は多くの銀行では、返済が困難になった債務者に対して返済条件の変更に応じる体制を整えています。

「滞納したら即座に競売にかけられる」と思い込んでいる人もいますが、金融機関としても競売は最終手段です。早めに相談することで、月々の返済負担を軽減する方法を一緒に検討してもらえる可能性があります。

返済期間の延長(リスケジュール)で月々の負担を減らす

住宅ローンの返済条件変更で最も一般的なのが、返済期間の延長です。たとえば残り20年のローンを25年や30年に延ばすことで、毎月の返済額を減らすことができます。この手続きは「リスケジュール」とも呼ばれ、多くの金融機関で対応しています。

具体例を挙げると、残債2,000万円を金利1.5%で20年返済する場合、月々の返済額は約96,500円です。これを30年返済に延長すれば、月々約69,000円まで減額できます。約27,000円の負担軽減となり、一時的に収入が減っている期間を乗り切る助けになるでしょう。

ただし、返済期間を延ばすことで総返済額は増加します。利息の支払い総額が増えるためです。また、年齢制限もあり、完済時の年齢が80歳を超えるような延長は認められないケースが多いため、金融機関との相談時に確認が必要となります。

一定期間「利息のみ」の支払いに猶予してもらう

返済期間の延長だけでは負担が軽減されない場合、一定期間「利息のみ」を支払い、元金の返済を猶予してもらう方法もあります。この措置は一時的な収入減少に対応するためのもので、通常は半年から1年程度の期間に限定されます。

利息のみの支払いにすることで、月々の返済額を大幅に減らすことが可能です。たとえば月々10万円の返済のうち、利息部分が2万円程度であれば、猶予期間中の支払いは2万円で済みます。夫の療養中や傷病手当金を受給している間など、一時的に収入が減っている期間を乗り切るための措置として有効でしょう。

ただし、元金返済が進まないため、猶予期間終了後は改めて返済計画を見直す必要があります。また、この措置はあくまで一時的なものであり、長期間継続することはできません。将来的に収入が回復する見込みがあることを金融機関に示す必要があります。

銀行へ相談に行く際の持ち物と注意点

金融機関に返済条件の変更を相談する際は、事前準備が重要です。闇雲に「払えません」と伝えるだけでは、具体的な解決策を提示してもらえません。

まず持参すべき書類として、住宅ローンの返済予定表、直近数ヶ月分の給与明細または収入証明書、預貯金通帳のコピー、家計の収支表などが挙げられます。夫が病気で働けなくなった場合は、医師の診断書や傷病手当金の受給証明も用意しておくとよいでしょう。

相談時の注意点としては、滞納する前に行くことが最も重要です。延滞が発生してからでは交渉の選択肢が狭まってしまいます。また、現状を正直に伝え、今後の収入見込みや返済可能な金額を具体的に示すことで、金融機関側も前向きに対応してくれる可能性が高まります。窓口担当者と誠実にコミュニケーションを取り、協力して解決策を探る姿勢が大切です。

どうしても返済が苦しい時の「住み替え・売却」という選択肢

返済条件の変更を行っても返済継続が困難な場合、あるいは今後の収入回復が見込めない場合は、自宅の売却を検討する必要があります。「マイホームを手放したくない」という気持ちは理解できますが、無理に住宅ローンを抱え続けることで、家族全員の生活が破綻してしまっては元も子もありません。

売却には複数の方法があり、住宅ローンの残債状況や今後の生活プランによって最適な選択肢が変わってきます。ここでは、それぞれの売却方法の特徴とメリット・デメリットを解説します。

住宅ローンの残債より高く売れるなら「通常売却」

自宅の市場価格が住宅ローンの残債を上回っている状態を「アンダーローン」と呼びます。この場合は、通常の不動産売却が可能です。売却代金で住宅ローンを完済し、抵当権を抹消した上で買い手に引き渡すことができます。

通常売却のメリットは、競売と比べて高値で売れる可能性が高いことです。不動産会社に仲介を依頼し、広く買い手を募ることで、適正な市場価格での売却が期待できます。また、売却後に手元に資金が残れば、新居への引越し費用や当面の生活費に充てることも可能です。

ただし、売却には一定の期間が必要となります。査定から買い手が見つかるまで、平均で3ヶ月から半年程度かかるのが一般的です。その間も住宅ローンの返済は続くため、売却活動中の資金繰りには注意が必要となります。早めに不動産会社に査定を依頼し、売却可能価格を把握しておくことが重要です。

ローンが残ってしまう場合の救済策「任意売却」とは?

自宅の市場価格が住宅ローンの残債を下回っている状態を「オーバーローン」と呼びます。この場合、通常売却では抵当権を抹消できず、売却ができません。そこで検討すべきなのが「任意売却」です。

任意売却とは、債権者である金融機関の同意を得た上で、住宅ローンが残っている不動産を売却する方法です。売却代金でローンを完済できなくても、金融機関が抵当権の抹消に応じてくれるため、売却が可能になります。残った債務については、売却後に分割返済などの条件を協議することになります。

任意売却の最大のメリットは、競売を回避できることです。競売にかけられると市場価格の5〜7割程度でしか売れず、残債務が大きく残ってしまいます。また、競売は裁判所の手続きとなるため、近隣に知られてしまう可能性もあります。任意売却であれば通常の売却とほぼ同じ形で進められるため、プライバシーも守られやすいのです。

住み続けながら売却できる「リースバック」のメリット・デメリット

「自宅を売却したいが、引っ越しはしたくない」「子どもの学区を変えたくない」という場合に検討できるのが「リースバック」です。これは、自宅を不動産会社や投資家に売却した後、賃貸借契約を結んで同じ家に住み続ける方法です。

リースバックのメリットは、住環境を変えずに住宅ローンの負担から解放されることです。所有権は売却先に移りますが、賃借人として住み続けられるため、近隣に売却したことが知られにくく、子どもの通学環境も維持できます。また、将来的に資金に余裕ができれば、買戻し特約を付けておくことで再購入も可能です。

一方、デメリットとしては、売却価格が市場価格より低くなる傾向があることが挙げられます。通常の売却と比べて7〜8割程度の価格になることが多く、その分残債務が多く残る可能性があります。また、毎月の家賃支払いが発生するため、住宅ローンよりは負担が軽減されるものの、賃料を払い続ける必要がある点は理解しておくべきでしょう。

【法律・離婚の視点】夫が働けなくなったことで生じるリスク

夫が働けなくなり住宅ローンの返済が困難になると、経済的な問題だけでなく、法律的なリスクや家族関係への影響も懸念されます。特に返済が滞った場合、連帯保証人への影響や、夫婦関係の悪化による離婚、さらには意思疎通ができなくなった場合の不動産処分など、複雑な問題が発生する可能性があります。

ここでは、住宅ローン問題が引き金となって生じうる法律的リスクと、その対策について解説します。事前に知っておくことで、適切な準備や対応が可能になるでしょう。

ローン返済が滞ると「連帯保証人」に一括請求がいく

住宅ローンを組む際、連帯保証人を立てている場合、債務者の返済が滞ると金融機関は連帯保証人に対して返済を求めます。通常、3ヶ月から6ヶ月程度の延滞が続くと、金融機関は残債務の一括返済を請求してくるのです。

連帯保証人は、単なる保証人とは異なり、債務者と全く同じ返済義務を負います。債務者が返済できない場合、金融機関は連帯保証人に対して即座に全額請求できるため、「まず債務者に請求してください」といった抗弁はできません。多くの場合、親や兄弟姉妹が連帯保証人になっているケースが多く、家族関係に深刻な亀裂が生じることもあります。

このような事態を避けるためには、返済が困難になった時点で連帯保証人にも状況を説明し、金融機関への相談や任意売却の検討を進めることが重要です。黙って滞納を続けることが最も望ましくない対応であり、早期の情報共有と協力が必要となります。

住宅ローンが原因で離婚を検討する場合の不動産処分の注意点

夫が働けなくなったことで経済的困窮に陥り、夫婦関係が悪化して離婚を検討するケースもあります。この場合、住宅ローンが残っている自宅をどう処分するかが大きな問題となります。

離婚時の財産分与では、不動産も分与対象となりますが、住宅ローンという負債も考慮しなければなりません。オーバーローンの状態であれば、売却しても債務が残るため、その残債務を誰が負担するかを協議する必要があります。また、共有名義やペアローンで購入している場合は、さらに複雑な問題が生じます。

離婚前に自宅を売却する場合は、任意売却を含めて検討し、残債務の負担についても離婚協議書や公正証書に明記しておくことが望ましいでしょう。一方が住み続ける場合は、名義変更やローンの借り換えが必要となりますが、収入が不安定な状態では金融機関の審査が通らないこともあります。弁護士や不動産の専門家に相談しながら、慎重に進めることが重要です。

病状が悪化し「意思疎通」ができなくなる前にすべき不動産対策

夫の病状が進行し、認知症や意識障害などで意思疎通ができなくなると、不動産の売却や契約行為が法律上できなくなります。本人の意思確認ができない状態では、たとえ配偶者であっても勝手に不動産を売却することはできないのです。

このような事態に備えて検討すべきなのが「任意後見制度」です。本人が判断能力のあるうちに、将来判断能力が低下した場合に備えて、信頼できる人(配偶者や子ども)を任意後見人として指定しておく制度です。公正証書で契約を結んでおけば、実際に判断能力が低下した際に、家庭裁判所の監督のもとで不動産の売却などの法律行為を代理で行えます。

すでに判断能力が低下してしまっている場合は、家庭裁判所に「成年後見人」の選任を申し立てる必要があります。ただし、成年後見制度では本人の財産保護が優先されるため、不動産売却には家庭裁判所の許可が必要となり、手続きに時間がかかります。住宅ローンの返済が滞り競売が迫っている状況では、タイミングが重要になるため、早めの相談と対策が不可欠です。

まとめ:一人で悩まず専門家に相談を

夫が働けなくなり住宅ローンの返済が困難になった時、どう対処すればよいのか分からず一人で抱え込んでしまう人は少なくありません。しかし、適切なタイミングで正しい対策を取れば、競売を回避し、生活を立て直す道は必ず見つかります。

ここまで解説してきたように、団信や公的支援制度、金融機関との交渉、不動産売却など、さまざまな選択肢があります。重要なのは、早めに行動を起こすことです。

早めの相談が「競売」を防ぎ、再出発を早める

住宅ローンの返済が困難になった際、最も避けたいのが「競売」です。競売になると市場価格の5〜7割程度でしか売れず、多額の残債務が残ってしまいます。また、裁判所の手続きとなるため、近隣に知られる可能性も高く、精神的負担も大きくなります。

競売を回避するには、延滞が発生する前、できれば返済が厳しくなりそうだと感じた段階で動き出すことが重要です。金融機関への相談、任意売却の検討、公的支援制度の申請など、早ければ早いほど選択肢は広がります。「もう少し様子を見よう」「なんとかなるかもしれない」と先延ばしにすることが、最も状況を悪化させる原因となるのです。

滞納が3ヶ月を超えると、金融機関から督促状や催告書が届き、6ヶ月を超えると一括返済を求められ、競売手続きが開始されます。この段階になると対応できる選択肢は限られてしまうため、できる限り早期に専門家へ相談しましょう。

不動産売却と法律の専門家を味方につけるメリット

住宅ローン問題は、不動産・金融・法律という複数の専門分野にまたがる複雑な課題です。一人で全てを判断し、対応することは非常に困難であり、間違った対応をしてしまうリスクもあります。

不動産の任意売却を専門とする業者や不動産会社は、金融機関との交渉や債権者との調整に慣れており、スムーズに手続きを進めてくれます。また、弁護士や司法書士といった法律の専門家は、離婚に伴う財産分与や残債務の整理、成年後見制度の活用など、法律的な側面からサポートしてくれるでしょう。

多くの専門家は初回相談を無料で受け付けています。複数の専門家に相談し、自分たちの状況に最も適した解決策を見つけることが、再出発への第一歩となります。一人で悩み続けるのではなく、専門家の力を借りながら、前向きに問題解決に取り組んでいきましょう。

この記事の執筆者
笹井 信弘
ファイナンスや法令に関する豊富な知識と経験を活かし、資産運用や不動産に関する悩みを抱える方々の相談に親身に対応しています。相談員として一人ひとりの状況に寄り添い、最適な解決策を提案するだけでなく、より多くの方が安心して資産や不動産に向き合える社会を目指し、書籍の執筆・出版活動にも力を入れています。

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