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夫が脳梗塞で倒れ退職。専業主婦から51歳で働き始めたが、住宅ローンの返済が限界に

任意売却

相談者プロフィール

相談者の情報
西岡真由美さん(仮)、51歳、埼玉県所沢市在住。
ドラッグストアのパート勤務(月収約12万円)。約20年間の専業主婦生活を経て、2023年から就労を開始。
夫(54歳・脳梗塞後遺症により右半身麻痺、障害年金月額約10万円を受給)、長男(25歳・都内勤務、一人暮らし)、長女(22歳・大学4年生、2026年春に就職予定)の4人家族。

物件・ローンの情報
2007年に新築で購入した4LDKの木造一戸建て。
住宅ローン残債は約1,580万円。
月々の返済は約8万7,000円(リスケ後は約5万円に減額)。
固定資産税は年額約9万円。

ご相談の内容

西岡さんご家族の生活が一変したのは、2022年7月に夫の雅之さんが職場で脳梗塞を起こして倒れたことがきっかけでした。命に別状はなかったものの、右半身に麻痺が残り、3ヶ月の入院とリハビリを経て退院した後も、以前のように働くことはできなくなりました。2023年3月に勤務先を退職し、現在は障害年金(月額約10万円)を受給しています。退職金は約280万円でしたが、入院費の自己負担分や当面の生活費で大半が消えました。

住宅ローンについては、加入していた団体信用生命保険(団信)に問い合わせましたが、一般的な死亡・高度障害のみを対象とする契約で、雅之さんの状態は高度障害の認定基準を満たさないと判断されました。真由美さんは団信でローンがなくなることを期待していたため、この結果は大きな落胆でした。

雅之さんの退職後、真由美さんは約20年ぶりにドラッグストアでパート勤務を始め、世帯月収は約22万円になりました。一方、住宅ローンの返済約8万7,000円に加え、大学生の長女への仕送り月5万円、教育ローンの返済月1万5,000円、雅之さんの通院費、日々の生活費が重なり、毎月の収支は赤字が続きました。退職金の残りを少しずつ取り崩して凌いでいましたが、2025年6月頃にはほぼ底をつき、同年8月に初めてローンの延滞が発生しました。

銀行でリスケジュールの相談をし、月々の返済額を5万円に減額してもらいましたが、それでも家計は綱渡りでした。雅之さんの状態が改善して収入が増える見込みがない以上、先延ばしにすぎないと真由美さんは感じていました。リスケ後も返済の遅れが生じ、銀行から「期限の利益の喪失」に関する通知が届きました。

真由美さんが一番つらかったのは、雅之さんにローンのことを相談できなかったことでした。自分が働けなくなったことへの負い目を強く感じている夫に、「家を手放すかもしれない」とは言えず、銀行からの通知は見られないようにすぐ引き出しにしまっていました。夜、雅之さんが寝た後に台所のテーブルで家計の収支を書き出すのが日課になりましたが、どう計算しても数字が足りないことを毎晩確認するだけの作業でした。長男の大輝さんには状況を伝え、2回ほど計6万円の援助を受けましたが、大輝さん自身も家賃と奨学金返済を抱えており、継続的な支援は難しい状況でした。

2026年2月、就職前の手続きで帰省した長女の彩花さんが真由美さんの様子の変化に気づき、事情を聞き出しました。その週末、大輝さんも帰省し、家族4人で初めて話し合いの場が持たれました。雅之さんは延滞のことを初めて知り、しばらく黙った後、「真由美に全部押しつけてしまっていた。家のことは俺も一緒に考える」と言いました。大輝さんの提案で、翌週、真由美さんが任意売却の相談窓口に電話をかけました。

相談所からのご提案・解決までの流れ

ご相談を受けた際、まず真由美さんから現在の収支状況、雅之さんのご病状、ご家族の希望を丁寧に伺いました。真由美さんが最も心配されていたのは、「築19年の木造一戸建てに買い手がつくのか」「夫が障害を抱えた状態で賃貸物件を借りられるのか」「雅之さんの通院先であるリハビリテーション病院に通い続けられる範囲に住めるか」という3点でした。

まず物件の査定を行ったところ、建物の価値は築年数から大きく減価していましたが、所沢市小手指地区の土地としての需要は安定しており、売却見込み価格は約1,300万円と判断しました。ローン残債約1,580万円に対して約280万円の残債務が発生する見通しでしたが、真由美さんの収入状況を踏まえた分割返済の交渉が可能であることをご説明しました。団信で対応できなかった経緯や、リスケ後も返済が困難であった事情を整理した上で、債権者との交渉を開始しました。

売却活動では、近隣への配慮と雅之さんの体調を考慮し、内覧の回数や時間帯をできるだけ絞る形で進めました。約1ヶ月半の活動を経て、建物の解体を前提とした土地としての購入を希望する買い手が見つかり、1,280万円での売却が成立しました。残債務の約300万円については、月額1万円からの分割返済で債権者との合意を取り付けました。

引っ越し先については、雅之さんの通院先まで無理なく通える範囲という条件を最優先に、所沢市内で2LDKの賃貸マンション(家賃6万5,000円)を見つけることができました。引き渡し時期も雅之さんの通院スケジュールに支障が出ないよう調整しました。住居費はローン返済時の月約9万4,000円(返済額+固定資産税月割り)から月6万5,000円に下がり、月々の家計に約3万円の余裕が生まれました。

相談者の声

最初に電話をかけたとき、何から話せばいいかわからなくて、しどろもどろだったと思います。でも相談員の方が急かさず聞いてくれたので、少しずつ状況を伝えることができました。

ずっと一人で家計のやりくりを抱えていて、誰にも言えないのが一番しんどかったです。夫には心配をかけたくない、子どもたちにも負担をかけたくない、でも自分ではもうどうにもならない。そのまま動けずにいたところを、娘が気づいてくれて、家族で話し合えたことが転機になりました。

相談する前は、「築19年の家なんて誰も買わないのでは」と思っていましたし、夫が障害年金を受けている状態で賃貸を借りられるのかも不安でした。どちらも相談員の方が具体的に説明してくれて、実際に解決できたので、自分で勝手に「無理だ」と決めつけていたのだと思います。

19年暮らした家を手放すのは、やはり寂しさがあります。でも、今は月々の支払いが軽くなって、夜に何度も通帳の残高を確認するようなことがなくなりました。夫も最近は「前の家より段差が少ないから動きやすい」と言っています。あのまま延滞を重ねて競売になっていたらと思うと、相談して本当によかったです。

担当者のコメント

西岡さんのケースは、ご家族の病気をきっかけに収入が大幅に減少し、専業主婦だった奥様がお一人で家計を支えなければならなくなったという状況でした。お電話をいただいた時点で約3年間、真由美さんがほぼ一人で家計の問題を抱えていたことが伝わってきました。

今回の対応で特に注意したのは、雅之さんの通院環境を守ることと、売却活動が雅之さんの体調やリハビリに影響を及ぼさないようにすることです。内覧のスケジュールや引き渡し時期の調整は、ご家族の生活リズムに合わせて慎重に進めました。また、引っ越し先の賃貸物件についても、通院先への距離やバリアフリーの状況を確認した上でご提案しました。結果的に、マンションのほうが段差が少なく雅之さんの生活にも適していたことは、予想外の良い変化だったと思います。

住宅ローンの問題は、ご本人やご家族の病気・介護がきっかけで起こることも多く、誰を責められるものでもありません。リスケで対応しきれない場合、任意売却は生活を立て直すための現実的な選択肢になります。一人で抱え込まず、早い段階でご相談いただければ、それだけ多くの選択肢をご提示できます。