相談者様のプロフィール
【相談者の情報】
福島直樹さん(仮)、46歳、埼玉県川口市在住。
中堅の建設資材販売会社に勤務する営業職。勤続14年。年収は約520万円。
妻(44歳・パート勤務)、長男(18歳・大学1年)、長女(15歳・中学3年)の4人家族。
【物件・ローンの情報】
2011年に購入した4LDKの戸建て。購入価格は3,600万円。
住宅ローン残債は約2,900万円。月々の返済は約10万2千円。
ご相談の内容
直樹さんが最初に消費者金融を利用したのは、長男が中学に入学した頃のことです。会社の業績悪化による賞与カットが続き、子どもの教育費と住宅ローンの返済を同時に賄うのが難しくなりました。「少しの間だけ」という気持ちで借り入れた30万円が、そのまま解決のきっかけをつかめないまま数年が過ぎました。
気づけばカードローン3社と消費者金融2社、合わせて約250万円の残債を抱えていました。毎月の返済額は住宅ローンと合わせると16万円を超え、手取り収入の7割近くを占めるようになっていました。食費や光熱費を切り詰めても追いつかず、1年ほど前からは住宅ローンの支払いを一部後回しにする月も出てきました。
妻には最初から多重債務の状況を隠していました。「心配をかけたくなかった」というのが直樹さんの正直な気持ちでしたが、通帳の残高を妻が確認した際に状況が発覚しました。妻は怒るというよりも、ただ静かに「どうしてもっと早く話してくれなかったの」と言いました。その言葉が、直樹さんには一番こたえたと言います。
夜中に目が覚めて、頭の中で数字をこねくり回すことが続いていました。「住宅ローンを滞納したらどうなるのか」「差し押さえというのはいつ来るのか」ということをスマートフォンで何度も検索しました。競売という言葉は知っていましたが、任意売却については詳しく知りませんでした。「競売よりも条件がいい」という記事をいくつか読み、ようやく相談窓口に問い合わせることにしました。
長男の大学進学が決まった直後でした。「息子には引っ越しのことをどう伝えるか」と考えると、連絡フォームを送信する手が一度止まりました。それでも、このままでは家族全員が共倒れになるという判断で、相談を申し込みました。
相談所からのご提案・解決までの流れ
最初の面談では、住宅ローンの滞納状況と消費者金融5社の借入残高・返済状況を整理することから始めました。直樹さんの場合、住宅ローンの滞納はまだ3か月未満であり、競売申し立てには至っていないことが確認できました。この段階であれば、任意売却の手続きを進める時間的な余裕がある状態でした。
まず、消費者金融の多重債務については、並行して弁護士事務所への相談を勧めました。任意売却で住宅ローンを整理し、残った消費者金融分については任意整理や個人再生の手続きで圧縮する方向性を提案しました。直樹さんは自己破産という選択肢に強い抵抗感がありましたが、弁護士との相談を経て、個人再生が現実的な解決策になることを理解されました。
物件については、川口市内の不動産業者に査定を依頼したところ、市場価格は2,650万円前後という結果でした。住宅ローン残債2,900万円を下回るオーバーローンの状態でしたが、債権者との交渉を経て、残債のうち売却代金で充当できない部分については分割での返済計画を組むことで合意を得ました。
売却活動は約2か月半で買い手が見つかりました。直樹さんは長女の中学卒業のタイミングに合わせて引越しを希望されていたため、引き渡し時期の調整を買い手側に依頼し、受け入れてもらえました。家族への影響を最小限にするというご希望に沿うことができました。
手続き全体を通じて、妻もすべての打ち合わせに同席されました。途中から妻が積極的に質問を出すようになり、夫婦で一緒に状況を整理していく様子が見受けられました。
相談者の声

相談する前は、任意売却というのは信頼できない業者が勧めてくるものだという先入観がありました。ネットで調べると「手数料が高い」「騙された」という体験談も出てきて、なかなか踏み出せずにいました。実際に相談してみると、料金の仕組みや手続きの流れを最初にきちんと説明してもらえて、その不安はすぐに消えました。
消費者金融の借金については、自分一人で何とかしようとしていた時期が長すぎました。弁護士に相談することも、相談所の担当者に勧められるまでは考えていませんでした。任意売却と個人再生を組み合わせるという方法があることも、相談して初めて知りました。
長男には引越しのことを伝えましたが、「家族がバラバラにならなければいい」と言ってくれました。長女も春から高校生になるタイミングで環境が変わることを、思っていたより受け入れてくれました。今は川口市内の賃貸マンションに引っ越して、少しずつ生活を立て直しています。毎月の支出が明確になって、返済の見通しが立っているのが、精神的に一番楽になった点です。
担当者の方には、こちらの話をじっくり聞いてもらえたことが何より助かりました。責めるような言い方を一切されなかったのも、正直ホッとしました。
担当者のコメント

直樹さんのケースで印象的だったのは、住宅ローンの問題と消費者金融の多重債務が複合的に絡み合っている状況でした。どちらか一方だけを解決しようとしても、根本的な改善にはなりません。任意売却で住宅ローンを整理しつつ、消費者金融の債務については法的な整理を並行して進めるという組み合わせが、結果的に最も負担が少ない形になりました。
多重債務を抱えながら住宅ローンも返済しているという状況は、珍しいケースではありません。しかし、家族や周囲に相談できないまま一人で抱え込んでいる方が多く、相談に来られる時点ですでに選択肢が狭まっていることも少なくありません。直樹さんの場合は、競売申し立て前に動き始めていただいたおかげで、売却時期の調整や残債処理の交渉に余地がありました。
「借金があるから相談しづらい」と感じている方ほど、早めに相談していただくことが重要です。消費者金融や複数のカードローンの返済を抱えながら住宅ローンが苦しくなってきた段階で、ぜひ一度ご相談ください。
