妊娠6ヶ月で夫からのDVがエスカレート。3歳の娘を守るため離婚を決意した28歳母親の事例

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相談者様のプロフィール

山田智子さん(仮)・28歳・女性。埼玉県さいたま市大宮区在住。
アパレル販売員として年収220万円、結婚後は正社員からパートに転換。夫の拓也さん(32歳・建設会社現場監督・年収450万円)、長女あかりちゃん(3歳)の3人家族で、現在妊娠6ヶ月。
夫名義の分譲マンション(住宅ローン残債2,400万円)で生活していたが、1年前から夫の暴力が始まり、妊娠中にもかかわらず暴力がエスカレート。
娘への影響を心配し、安全な環境での出産と子育てを求めて相談に至った。

ご相談の内容

智子さんの苦悩は1年前から始まりました。夫の拓也さんの仕事のストレスが増加し、帰宅後の飲酒量が増えました。智子さんが第二子の妊娠を報告した際、拓也さんが「今の収入で2人も育てられるか」と激怒し、初めて智子さんの肩を強く掴んで揺さぶりました。

6ヶ月前から暴力がエスカレートしました。あかりちゃんが夜泣きをした際、拓也さんが「うるさい」と怒鳴り、智子さんが「疲れているのはわかるけど」と言ったところ、頬を平手打ちされました。翌日拓也さんは謝罪し「もう絶対にしない」と約束しましたが、その後も月に1〜2回暴力が続きました。

2ヶ月前、妊娠6ヶ月の智子さんが家計について話し合いをしていた際、拓也さんが「お前の稼ぎが少ないからだ」と言い、お腹を避けて背中を蹴られました。智子さんは「お腹の赤ちゃんに何かあったら」と恐怖を感じ、実家の母親に電話で相談しました。

決定的な出来事は1週間前でした。あかりちゃんが発熱で保育園を休み、智子さんも仕事を休んだことで拓也さんが激怒。「俺が働いているのに何で休むんだ」と怒鳴り、智子さんの髪を掴んで引きずり回しました。あかりちゃんが泣きながら「パパ、やめて」と言う姿を見て、智子さんは「このままでは子どもたちが危険」と実感しました。

夫の帰宅時間が近づくと動悸が激しくなり、あかりちゃんが泣くと「また怒られる」と焦る日々。夜中に目が覚めて、お腹の赤ちゃんに話しかけながら「守ってあげるからね」と涙を流す状況でした。実家の母親から「あなたと孫たちの安全が一番大事」と言われ、区役所の女性相談窓口を経て専門機関に相談することを決意しました。

相談所からのご提案・解決までの流れ

初回相談では、智子さんの身の安全を最優先に考え、DVの危険性と緊急時の対応について詳しく説明しました。妊娠中でも離婚手続きは可能であること、DVの証拠収集の重要性、一時保護制度の利用についてお伝えしました。

第二段階として、安全確保の具体的な計画を立てました。智子さんの実家が受け入れ可能であることを確認し、緊急時の避難計画を作成。DVの証拠として、智子さんの腕のあざの写真撮影、暴力を受けた日時の記録、医師の診断書取得をサポートしました。

母子の安全確保後、離婚に向けた法的手続きを開始しました。DVを理由とした保護命令の申立てを検討し、智子さんと子どもたちの住所を秘匿する措置を取りました。拓也さんには代理人を通じて離婚協議を申し入れ、直接の接触を避けました。

経済面では、母子家庭への各種支援制度について詳しく説明しました。児童扶養手当、住宅手当、医療費助成などの申請手続きをサポート。智子さんの実家での同居を前提に、生活設計を見直しました。

財産分与については、マンションの住宅ローン残債が物件価値を上回るオーバーローン状態でしたが、拓也さんの預貯金や退職金見込み額から智子さんの取り分を算定。養育費は拓也さんの年収450万円を基準に、2人の子どもで月額8万円を請求しました。

最終的に、智子さんが親権を取得、養育費月額8万円、財産分与100万円、面会交流は当面実施しないことで合意に至りました。智子さんは実家に戻り、安全な環境で第二子を出産することができました。

相談者の声

最初は「私が我慢すれば家族は続けられる」と思っていました。でも専門家に相談して、これは私だけの問題ではなく、子どもたちの安全に関わる深刻な問題だと理解できました。妊娠中でも離婚手続きができることを知り、希望を持てました。

一番心配だったのは経済面でしたが、母子家庭への支援制度について詳しく教えていただき、何とか生活していけそうだと安心しました。実家の両親も全面的にサポートしてくれることになり、心強いです。

DVの証拠を残すことの重要性も教えていただきました。最初は「そんなことまでしなくても」と思いましたが、自分と子どもたちを守るために必要なことだと理解しました。

第二子も無事に出産でき、今はあかりと赤ちゃんと一緒に実家で平穏な毎日を送っています。あかりも「パパ怖い」と言わなくなり、以前の明るさを取り戻しました。担当の相談員さんには、妊娠中の不安定な時期に親身になってサポートしていただき、本当に感謝しています。

担当者のコメント

智子さんのケースは、妊娠中のDV被害という非常にデリケートな状況でした。母体と胎児の安全を最優先に考えながら、長期的な生活設計も同時に検討する必要がありました。智子さんが「子どもたちを守りたい」という強い意志を持っていたことが、解決への大きな力となりました。

特に印象的だったのは、智子さんが最初は自分を責めていたことです。DV被害者によく見られる傾向ですが、「私が悪いから」「夫も疲れているから」と加害者を擁護してしまいがちです。しかし、どんな理由があっても暴力は許されないことを理解していただけました。

妊娠中のDV相談では、出産までの時間的制約もあり、迅速な対応が求められます。智子さんのように実家のサポートが得られるケースは恵まれていますが、そうでない場合も様々な支援制度があります。一人で悩まず、早めに専門機関にご相談いただくことが重要です。

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