夫の不倫で別居状態が4か月続く中、子どもたちの将来を考えて離婚を決意。親権と養育費を確保したい
中村美智子さん(仮)、38歳、神奈川県横浜市港北区在住。
医療事務のパート勤務で年収180万円、勤務年数6年。夫・健一さん(42歳・会社員・年収450万円)、長女・さくらさん(12歳・小学6年生)、次女・ひなたさん(9歳・小学3年生)の4人家族。
現在、夫の不倫が原因で別居状態が続いている。
ご相談の内容
美智子さんの結婚生活は、ここ2年ほどで急激に悪化していました。夫の健一さんは残業が増えて帰宅が遅くなり、家事や育児への協力が激減。昨年秋頃から夫のスマートフォンに知らない女性からのメッセージが頻繁に届くようになり、問い詰めても「同僚だ」の一点張りでした。
決定的だったのは今年3月のことです。健一さんが土曜日に「会社の飲み会」と言って出かけましたが、同僚の奥さんとのLINEで「今日は飲み会ないよね?」と確認されてしまいました。その夜の激しい口論の末、健一さんは「もう疲れた。しばらく実家に帰る」と言って翌日から義実家に戻ってしまいました。
夫が家を出てから4か月間、生活費は振り込まれているものの夫婦の話し合いは一切ありません。長女のさくらさんが「パパはもう帰ってこないの?」と涙を流す姿を見て、また近所の人から「旦那さん最近見ないけど大丈夫?」と聞かれることが増え、美智子さんは「このままではいけない」と感じるようになりました。
毎朝目覚めると期待と不安が入り混じり、夜中に目が覚めると離婚後の生活費や子どもたちの将来について考えて眠れなくなることが週に3〜4回ありました。パート収入だけで2人の子どもを育てられるのか、持ち家のローンはどうなるのか、そんな不安がぐるぐると頭を回っていました。
相談所からのご提案・解決までの流れ
まず美智子さんのお話を丁寧に伺い、現在の状況と今後の希望について整理しました。美智子さんは「できることなら家族4人で元の生活に戻りたい」という気持ちがある一方で、「このまま不誠実な夫と一緒にいることが本当に子どもたちのためになるのか」という葛藤を抱えていらっしゃいました。
そこで、まずは夫婦関係修復の可能性を探るため、夫の健一さんとの話し合いの場を設けることを提案しました。調停制度を活用し、中立的な立場の調停委員を通じて、お互いの気持ちや今後の方向性について話し合う機会を作りました。
3回の調停を経て、健一さんは関係修復への意思が薄いことが明らかになりました。この段階で美智子さんは離婚を決意され、子どもたちの親権確保と適切な養育費の取り決めに焦点を移しました。
親権については、これまでの養育実績と子どもたちの意思を重視し、美智子さんが取得することで合意。養育費は健一さんの年収450万円を基準に、家庭裁判所の算定表を参考にして月額8万円(長女4万円、次女4万円)で取り決めました。また、住宅ローンについては健一さんが引き続き支払い、美智子さんと子どもたちが住み続けることで合意しました。
相談者の声

最初は離婚調停と聞いて大事になってしまうのではと不安でしたが、実際は話し合いの場を提供してもらえる制度だと分かり安心しました。夫との関係修復を望んでいた気持ちもありましたが、調停を通じて夫の本音が分かり、現実を受け入れることができました。
何より子どもたちの親権を確実に取得でき、養育費についてもきちんとした取り決めができたことで、将来への不安が大幅に軽減されました。月額8万円の養育費と私のパート収入を合わせれば、子どもたちに不自由させることなく生活できます。
インターネットで調べていた時は「離婚したら必ず慰謝料がもらえる」と思っていましたが、不倫の証拠がなければ難しいことも教えていただきました。でも養育費と住宅の件がしっかり決まったので、経済面での心配はなくなりました。担当の方が子どもたちのことを第一に考えてくださったおかげで、前向きに新しいスタートを切れそうです。
担当者のコメント

美智子さんは最初から離婚ありきで相談に来られたわけではなく、夫婦関係の修復も視野に入れていらっしゃいました。そのお気持ちを大切にしながら、まずは話し合いの機会を設けることから始めました。
結果的に離婚という選択になりましたが、調停という公的な制度を活用することで、感情的な対立を避けながら建設的な話し合いができました。特に養育費の取り決めでは、将来の進学費用なども考慮した現実的な金額設定を心がけました。
離婚は人生の大きな転機ですが、適切なサポートがあれば新しい人生への第一歩となります。お子さんたちのことを最優先に考える美智子さんの姿勢が、良い解決につながったと思います。同じような状況でお悩みの方は、一人で抱え込まずに早めにご相談いただければと思います。
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