ペアローンを組んだ夫婦が離婚。子どもの学校を変えずに済む方法はあるのか悩んでいた

  • 離婚

相談者様のプロフィール

小林美希さん(仮)、36歳、埼玉県さいたま市大宮区在住。
地方銀行の融資課主任で年収480万円、勤続14年。夫の達也さん(38歳・IT企業システムエンジニア・年収620万円)、長女の花音ちゃん(8歳・小学2年生)、長男の蓮くん(5歳・保育園年長)の4人家族。

【物件・ローンの情報】
3年前に購入した新築戸建て(4LDK)、購入価格3,800万円。夫婦それぞれが1,900万円ずつのペアローンを組み、現在の残債は合計約3,400万円。
月々の返済は夫婦合わせて約12万円。

ご相談の内容

美希さんは銀行員として住宅ローンの専門知識を持っていたため、マイホーム購入時は「お互いが住宅ローン控除を受けられる」「万が一の時も安心」というメリットを重視してペアローンを選択しました。しかし、昨年秋頃から夫婦関係に亀裂が入り始めました。

達也さんの仕事が忙しくなり、家事・育児の負担が美希さんに集中。さらに達也さんと職場の後輩女性との関係を疑う出来事があり、夫婦間の信頼関係が悪化しました。今年2月に達也さんから「別居したい」と切り出され、現在は達也さんが実家に戻り、美希さんが子どもたちと家に残っている状態です。

最も辛かったのは、娘の花音ちゃんが「パパはいつ帰ってくるの?」と聞いてくる時でした。まだ離婚について説明できずにいる中、息子の蓮くんも最近夜泣きをするようになりました。美希さんは毎晩、子どもたちを寝かしつけた後、ダイニングテーブルで住宅ローンの返済予定表と電卓を前に途方に暮れていました。

職場では住宅ローンの専門家として相談を受ける立場なのに、プライベートでは誰にも相談できず、「銀行員なのに、自分のことになるとこんなにも混乱するなんて」と自己嫌悪に陥ることも多くありました。深夜にスマートフォンで「ペアローン 離婚 どうなる」「住宅ローン 離婚 売却」などと検索を繰り返しましたが、情報が断片的で混乱するばかりでした。

相談所からのご提案・解決までの流れ

まず美希さんのご希望を詳しくお伺いしました。「子どもたちを転校させたくない」「可能であれば自分の名義でローンを借り換えたい」というお気持ちを最優先に、現実的な解決策を検討しました。

最初に行ったのは、美希さん単独でのローン借り換えの可能性を金融機関に相談することでした。美希さんの年収480万円と勤続年数を考慮し、複数の金融機関にアプローチしました。結果的に、美希さんの勤務する銀行の職員向け優遇金利制度を活用し、2,200万円までの借り換えが承認されました。

次に、達也さんとの協議を進めました。残債3,400万円のうち、美希さんが2,200万円を借り換え、差額の1,200万円を達也さんが一括で支払うか、美希さんに対する財産分与として処理する方法を提案しました。達也さんは退職金の前借りと親族からの援助により、差額分を用意することに合意しました。

売却ではなく住み続ける選択により、引っ越し費用や仲介手数料などの諸費用を節約でき、子どもたちの学校生活も継続できました。離婚調停でも、この取り決めが財産分与として正式に認められました。

相談者の声

最初は「ペアローンだと離婚時は売却しか選択肢がない」と思い込んでいました。インターネットの情報では売却を勧める記事ばかりで、住み続ける方法があるとは知りませんでした。相談所の方が「お子様の環境を最優先に考えましょう」と言ってくださった時、本当に救われた気持ちになりました。

借り換えの手続きは複雑でしたが、金融機関との交渉も代行していただき、自分一人では絶対に実現できなかったと思います。花音も蓮も友達と離れずに済み、新しい生活にも前向きに取り組めています。銀行員として住宅ローンを扱っていても、離婚時の処理方法については知らないことが多く、専門家に相談して本当に良かったです。

月々の返済額は以前より少し増えましたが、児童扶養手当や元夫からの養育費もあり、やりくりできています。

担当者のコメント

美希さんは銀行員として住宅ローンの知識をお持ちでしたが、離婚時のペアローン処理については専門外だったため、当初は非常に不安を抱えていらっしゃいました。お子様の学校生活を最優先に考える姿勢が印象的で、その気持ちを実現するため、様々な選択肢を検討しました。

ペアローンの離婚時処理では、売却が一般的ですが、借り換えによる住み続けも条件が揃えば可能です。特に安定した収入がある方の場合、金融機関との交渉次第で道は開けます。重要なのは、早めに専門家に相談し、感情的にならずに現実的な解決策を模索することです。

離婚は人生の大きな転機ですが、適切な手続きを踏めば、お子様にとって最良の環境を維持できることも多くあります。一人で抱え込まず、ぜひ専門家にご相談ください。

お問い合わせ

ご相談・お問い合わせは
どうぞお気軽にご連絡ください。