不動産投資の空室長期化で家計が破綻寸前。月9万円の持ち出しに耐えられず売却を決断

  • 任意売却

相談者様のプロフィール

西川雅人さん(仮)、38歳、神奈川県横浜市青葉区在住。
IT企業営業課長として15年勤務、年収750万円。妻・美咲さん(35歳・パート年収150万円)、長女・咲良ちゃん(8歳)、長男・蓮くん(5歳)の4人家族。
2年前に埼玉県川口市内の中古ワンルームマンション(1,800万円)を投資用に購入。
頭金300万円、35年ローンを組んだが、空室期間の長期化により月々9万円の持ち出しが発生し、家計が圧迫された状況。

ご相談の内容

雅人さんは会社の先輩から「老後の年金代わりになる」と勧められ、不動産投資を始めました。購入時は「30年間家賃保証」という説明を受けていましたが、実際には2年間のサブリース契約だったことが後に判明します。購入から半年後に入居者が退去してから8ヶ月間空室が続き、月々のローン返済7万円と管理費・修繕積立金2万円の計9万円が家計を直撃しました。

美咲さんは最初こそ「一緒に乗り越えよう」と支えてくれましたが、貯金の切り崩しが続く中で「このままでは子供たちの教育費にも影響する」と涙ながらに訴えるようになりました。雅人さんは毎晩、不動産サイトで物件価格を調べては「400万円の損失が確定する」現実に眠れない夜を過ごしていました。管理会社から「リフォーム費用80万円で入居者を見つけやすくなる」と提案されましたが、もはや追加投資する余裕はありませんでした。長女から「なんで最近お寿司屋さんに行かないの?」と聞かれた時、答えに詰まったことが専門家への相談を決意するきっかけとなりました。

相談所からのご提案・解決までの流れ

まず、雅人さんの収支状況と物件の詳細な査定を行いました。川口市の当該物件は立地条件が悪く、今後も安定した賃貸需要は見込めないと判断。売却価格は1,400万円程度で、400万円の損失が発生しますが、持ち続けた場合のリスクの方が大きいことを数値で示しました。

売却に際しては、任意売却という選択肢も検討しましたが、雅人さんの年収であれば残債分の借り換えが可能と判断。まず不動産仲介業者3社に査定を依頼し、最も高値を付けた業者と専任媒介契約を締結しました。売却活動開始から2ヶ月で1,380万円で売却が成立。残債420万円は10年の無担保ローンに借り換え、月々の返済を4万2千円に抑えることができました。

売却手続きと並行して、家計の見直しも実施。固定費の削減により月3万円の節約を実現し、借り換えローンの返済と合わせても以前より月5万円の負担軽減となりました。

相談者の声

正直、400万円の損失を受け入れるのは辛かったです。でも、このまま持ち続けていたら家族にもっと迷惑をかけていたと思います。相談前は「いつか必ず回復する」と根拠のない期待を抱いていましたが、データに基づいた冷静な分析をしていただき、現実を受け入れることができました。

売却後は月々の負担が大幅に軽減され、子供たちの習い事も続けることができています。週末の外食も再開でき、長女が「お寿司屋さんに行けて嬉しい」と笑顔を見せてくれた時は、本当にホッとしました。妻も「やっと普通の生活に戻れた」と安堵しています。不動産投資は魅力的に見えますが、リスクを十分理解せずに始めるべきではないと痛感しました。

担当者のコメント

西川さんのケースは、不動産投資でよくある失敗パターンです。「30年家賃保証」という謳い文句に惑わされ、契約内容を十分確認せずに投資してしまったことが根本的な問題でした。しかし、早期に相談いただけたことで、傷を最小限に抑えることができました。

不動産投資は立地が全てです。特に単身者向けワンルームマンションは、駅徒歩5分以内でなければ長期的な賃貸需要は見込めません。また、サブリース契約の落とし穴や、空室時の収支シミュレーションも事前に検討すべきでした。投資は自己責任ですが、家族の生活を守ることが最優先です。損切りの決断も時には必要な判断だと思います。

お問い合わせ

ご相談・お問い合わせは
どうぞお気軽にご連絡ください。