両親が他界した実家の空き家問題。草が伸び放題で近所からの苦情も。仏壇の供養も含めて解決したい

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相談者様のプロフィール

山田恵子さん(仮)、52歳、東京都板橋区在住。
地方銀行事務職、年収380万円、勤務年数28年。夫・隆さん(55歳)、長女・美咲さん(26歳・東京都内一人暮らし)、長男・大輔さん(23歳・大学4年生)の4人家族。
3年前に相次いで両親を亡くし、茨城県つくば市にある実家(築45年木造2階建て)を相続。

ご相談の内容

恵子さんは一人娘として、3年前に両親から実家を相続しました。当初は「いずれ処分しよう」と考えていましたが、仕事の忙しさと心の整理がつかず、そのまま放置していました。転機となったのは、長男の就職活動で家計が圧迫される中、夫から「固定資産税だけでも年間15万円かかっている」と指摘されたことでした。

さらに追い打ちをかけたのが、近所の方からの「庭の草が伸び放題で虫が湧いている」という苦情でした。つくばの実家近所で起きた空き家火災のニュースを見た時は、夜も眠れなくなりました。毎朝の通勤電車でスマホで情報収集するものの、何から手をつけていいか分からない状況が続きました。

特に心を痛めていたのは、実家の仏壇の問題でした。両親の位牌を移すにも、船橋の自宅マンションには仏壇を置く場所がありません。「親不孝をしているのではないか」という罪悪感と、現実的な問題解決の必要性の間で板挟みになっていました。先月、町内会長を通じて正式に苦情が来た時、職場のトイレで涙が溢れ、「もう限界」と感じて相談を決意しました。

相談所からのご提案・解決までの流れ

まず、恵子さんの心理的な負担を軽減するため、仏壇の適切な供養方法から提案しました。地元の寺院と連携し、魂抜きの法要を行った上で、位牌は船橋の自宅近くの寺院で永代供養してもらう手配をしました。これにより恵子さんの罪悪感が大幅に軽減されました。

次に、相続登記が未完了だったため、司法書士と連携して手続きを完了させました。その後、現地調査を実施し、建物の老朽化が進んでいることから解体を前提とした土地売却を提案しました。

近隣への配慮として、解体前に町内会長に挨拶に伺い、工事スケジュールを事前に説明しました。恵子さんが大切にしていた庭の梅の木については、地元の造園業者に依頼し、近所の公園に移植することができました。解体費用180万円を差し引いても、土地売却により約320万円の手取りとなり、長男の就職活動費用や今後の教育資金に充てることができました。

相談者の声

実家の問題を一人で抱え込んでいた時は、本当に辛かったです。特に仏壇のことは、どうしていいか分からず、両親に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。相談してから、まず仏壇の供養をきちんとできたことで、心の重荷が取れました。

相続登記も自分では手続きが複雑で諦めていましたが、司法書士の先生に丁寧に説明してもらい、スムーズに完了できました。近所の方々への対応も、一人では気が重かったのですが、担当者の方が一緒に挨拶に回ってくれて助かりました。

梅の木を公園に移植できたのも嬉しかったです。両親が大切にしていたものが、地域の皆さんに愛されることになり、きっと喜んでくれていると思います。解決後は夜もぐっすり眠れるようになり、家族との関係も良くなりました。

担当者のコメント

空き家問題は単なる不動産処分ではなく、相続者の心情に寄り添った解決が重要です。恵子さんのケースでは、仏壇の供養という精神的な問題を最初に解決することで、その後の手続きがスムーズに進みました。

近隣との関係改善も重要なポイントでした。苦情が出ている状況でも、誠意ある対応をすることで理解を得られます。また、思い出の品々についても、可能な限り活用方法を提案することで、相続者の心の整理につながります。空き家問題でお悩みの方は、感情的な負担も含めて、お一人で抱え込まずにご相談ください。

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