コロナ禍で年収160万円ダウン。2ヶ月の滞納で現実と向き合い任意売却を決断

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相談者様のプロフィール

中村健一さん(仮)、42歳、神奈川県相模原市緑区在住。中堅IT企業のシステムエンジニア(勤続15年)。
妻・美香さん(39歳・パート勤務)、長男・翔太くん(14歳・中学2年)、長女・愛美ちゃん(10歳・小学4年)の4人家族。
コロナ禍で年収が580万円から420万円に大幅ダウン。

物件・ローンの情報

2018年購入の新築分譲マンション(3LDK・70㎡)。
購入価格4,200万円、住宅ローン残債約3,400万円、月々返済額12万8千円。
現在の査定額約2,800万円でアンダーローン状態。

ご相談の内容

健一さんは、2020年のコロナ禍で勤務先の業績悪化により年収が大幅に減少しました。当初は「一時的なもの」と楽観視していましたが、IT業界全体の低迷で回復の見込みが立たない状況が続きました。2023年秋頃から住宅ローンの支払いが厳しくなり、ボーナス払い分を貯金から補填する生活が続いていました。

2024年春に貯金が底をつき、ついに住宅ローンを2ヶ月滞納。銀行からの督促状が届いた時、現実と向き合わざるを得なくなりました。妻の美香さんは「私がもっと働く」と提案しましたが、健一さんは子どもたちへの負担を考え、根本的な解決策を模索していました。

転機となったのは、銀行から「期限の利益喪失通知」が届いた夜のことでした。中学2年の翔太くんが「お父さん、最近元気ないね。何か悩みがあるなら話してよ」と声をかけてくれました。息子の成長した姿を見て「この子たちの未来を守りたい」という思いが強くなり、翌日インターネットで「住宅ローン 払えない」と検索。任意売却という選択肢があることを初めて知りました。家族が寝静まった後の深夜検索が続き、競売の怖い話ばかりが目に入って2時、3時まで眠れない夜が1ヶ月以上続きました。相談予約の電話をかける前は手が震えて何度も番号を間違えるほどでしたが、「家族を守るため」という決意で相談に踏み切りました。

相談所からのご提案・解決までの流れ

健一さんの状況を詳しくお聞きし、現在の収入で住宅ローンを継続することは困難と判断しました。アンダーローン状態での任意売却を提案し、まず債権者である銀行との交渉から始めました。健一さんの真摯な姿勢と家族を守りたいという強い意志を銀行に伝え、任意売却への同意を得ることができました。

売却活動では、子どもたちの学校生活に配慮し、転校の必要がない同一学区内での賃貸物件探しも並行して進めました。3ヶ月の売却期間中、健一さんご家族の精神的負担を軽減するため、進捗状況を密に報告し、不安な点にはその都度お答えしました。

売却価格は2,850万円で成約し、諸費用を差し引いた残債務約500万円については、健一さんの現在の収入状況を考慮して月々3万円の分割返済で銀行と合意しました。新居は翔太くんの中学校から徒歩10分の賃貸マンション(家賃8万円)を確保し、引越しも夏休み期間中に完了。子どもたちの学校生活に影響を与えることなく、新しいスタートを切ることができました。

相談者の声

正直、家族に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。マイホームを失うことで子どもたちに惨めな思いをさせてしまうのではないかと心配でしたが、担当の方が「住む場所が変わるだけで、家族の絆は変わりません」と言ってくださって、気持ちが楽になりました。

実際に引越してみると、翔太は「前より学校に近くて便利だよ」と言ってくれましたし、愛美も新しい部屋を気に入ってくれています。妻も「家事が楽になった」と前向きに捉えてくれています。月々の住居費が大幅に削減されたおかげで、子どもたちの習い事も続けることができています。

任意売却は「家を失う」ことではなく、「新しい生活を始める」ことだったんだと今では思います。あの時相談して本当によかったです。担当の方には心から感謝しています。

担当者のコメント

健一さんは、ご家族を思う気持ちが非常に強く、最後まで自力での解決を模索されていました。しかし、現実的な数字を見ると早期の決断が必要な状況でした。任意売却は決して恥ずかしいことではなく、家族の未来を守るための前向きな選択です。

健一さんのケースでは、お子さんの学校生活への配慮が最も重要でした。同一学区内での住み替えを実現できたことで、お子さんたちの心理的負担を最小限に抑えることができました。住宅ローンの問題は一人で抱え込まず、専門家に相談することで必ず解決の道が見つかります。早めのご相談をお勧めします。

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