仕事のストレスでうつ病に。収入3分の1で住宅ローン返済が困難になった広告代理店営業マンの決断
相談者様のプロフィール
佐藤雅人さん(仮)、38歳、東京都練馬区石神井町在住。
広告代理店の営業職(勤続13年)で、2024年4月からうつ病により休職中。
妻・千春さん(35歳・専業主婦)、長男・悠斗くん(6歳・保育園年長)、次男・陸翔くん(3歳・保育園年少)の4人家族。
休職前年収750万円から現在は傷病手当金月額25万円に激減。
物件・ローンの情報
2021年購入の新築戸建て(4LDK・建売住宅)。
購入価格6,800万円、住宅ローン残債約6,200万円、月々返済額18万5千円。
現在の査定額約5,400万円でオーバーローン状態。
ご相談の内容
雅人さんは大手広告代理店で順調にキャリアを積み、2020年の昇進を機に念願の一戸建てを購入しました。しかし、昇進と同時に担当クライアントが大幅に増加し、月100時間を超える残業が常態化。深夜帰宅と休日出勤が続く中、家族との時間はほとんど取れない状況になりました。
2023年秋頃から不眠、食欲不振、集中力の低下などの症状が現れ始めましたが、「仕事が忙しいから仕方ない」と自分に言い聞かせていました。2024年2月、大型案件のプレゼン当日に突然手が震えて資料を持てなくなり、そのまま会議室で倒れて救急搬送。心療内科で「適応障害・うつ状態」と診断され、医師から「最低半年の休職が必要」と告げられました。
4月から休職に入り、傷病手当金での生活が始まりましたが、収入は以前の3分の1に激減。月々18万5千円の住宅ローン返済が家計を圧迫し、妻の千春さんが慌てて就職活動を開始しましたが、ブランクと小さな子どもがいることで思うように進まない状況でした。
転機となったのは2024年8月、3歳の陸翔くんが「パパ、お仕事いつ行くの?」と無邪気に聞いてきた時のことでした。何も答えられずに涙が止まらなくなり、その夜千春さんと今後について話し合い、「このままでは家族全員が沈んでしまう」という危機感から、翌日インターネットで「住宅ローン 病気 払えない」と検索。任意売却という選択肢を知り、専門家への相談を決意しました。雅人さんは「家族のために頑張って買った家なのに、自分の体調不良で手放すことになるなんて」という自責の念と、千春さんへの申し訳なさで毎日が重く感じられていました。
相談所からのご提案・解決までの流れ
雅人さんの心身の状況と収入の大幅減少を考慮し、現状での住宅ローン継続は現実的でないと判断しました。まず、うつ病という疾患への理解を示し、雅人さんが自分を責める必要はないことをお伝えしました。その上で、家族の生活安定を最優先とした任意売却をご提案しました。
債権者との交渉では、雅人さんの病状と治療の必要性を丁寧に説明し、無理のないスケジュールでの売却活動への理解を求めました。雅人さんの体調に配慮し、打ち合わせは短時間で区切り、必要に応じて千春さんにも同席いただきました。
売却活動では、子どもたちの保育園への通園に支障がないよう、同じ練馬区内での賃貸物件探しも並行して進めました。4ヶ月の売却期間中、雅人さんのストレス軽減のため、進捗報告は簡潔にまとめ、不安な点には迅速に対応しました。
売却価格は5,500万円で成約し、諸費用を差し引いた残債務約650万円については、雅人さんの現在の収入状況と将来の回復見込みを考慮して月々2万円の分割返済で債権者と合意しました。新居は保育園から徒歩5分の賃貸マンション(家賃12万円)を確保し、引越しも子どもたちの生活リズムを崩さないよう慎重に進めました。
相談者の声

最初は「自分のせいで家族に迷惑をかけてしまった」という気持ちでいっぱいでした。でも担当の方が「病気は誰のせいでもありません。今は治療に専念することが家族のためにもなります」と言ってくださって、少し気持ちが楽になりました。
売却の手続きも、私の体調を気遣って無理のないペースで進めてくださいました。妻も「新しい家の方が駅に近くて便利」と前向きに捉えてくれています。子どもたちも保育園が変わらないので、特に不安がることもありませんでした。
今は月々の住居費が大幅に下がって、経済的な不安が減りました。おかげで治療にも集中できるようになり、少しずつですが体調も回復してきています。あの時勇気を出して相談して本当によかったです。
担当者のコメント

雅人さんは、ご自身の病気を深く責めていらっしゃいましたが、うつ病は現代社会では決して珍しい疾患ではありません。大切なのは、病気を受け入れて治療に専念できる環境を整えることです。
雅人さんのケースでは、経済的な負担を軽減することで心理的なストレスも大幅に改善されました。任意売却は、病気の方にとって回復への第一歩となることが多くあります。住宅ローンの問題で治療が遅れることのないよう、早めの相談をお勧めします。家族の幸せと健康が何より大切です。
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