夫のモラハラが限界に。子ども2人を抱え離婚を決意したが、経済的不安で踏み切れずにいた

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相談者様のプロフィール

中島美穂さん(仮)、35歳、神奈川県横浜市港北区在住。
医療事務として8年勤務、年収280万円。夫・雄一さん(38歳・システムエンジニア・年収520万円)、長女・愛菜ちゃん(10歳・小学4年生)、次男・大輝くん(7歳・小学1年生)の4人家族。

ご相談の内容

美穂さんの悩みは、夫・雄一さんからの日常的なモラルハラスメントでした。3年前から在宅勤務が増えた雄一さんは、家事や育児には一切参加せず、むしろ美穂さんに対する要求が厳しくなっていました。子どもたちの前でも美穂さんを叱責することが増え、長女の愛菜ちゃんが「ママ、また怒られてる」と小さくつぶやく姿を見て、美穂さんの心は深く傷ついていました。

決定的な出来事は2か月前に起こりました。次男の大輝くんが学校で怪我をし、美穂さんが仕事を早退しようとした際、雄一さんから「また仕事サボる気か。俺の稼ぎで食わせてもらってる自覚はあるのか」と同僚の前で電話越しに怒鳴られました。その夜、愛菜ちゃんから「ママ、パパと離婚したら私たち、どうなるの?」と突然聞かれ、子どもなりに家庭の異変を感じ取っていることに気づいた美穂さんは、「このままではダメだ」と離婚を真剣に考え始めました。

しかし、一人でネット検索を続けても情報が多すぎて混乱し、「年収280万円で子ども2人を養えるのか」「愛菜の中学受験はどうなるのか」という不安で眠れない夜が続きました。そんな時、隣人で離婚経験のある友人から「専門家に相談した方がいい」とアドバイスを受け、当相談所にお越しいただきました。

相談所からのご提案・解決までの流れ

まず美穂さんの状況を詳しくお聞きし、離婚に向けた具体的なロードマップを作成しました。最大の懸念事項である経済面について、養育費の相場(月額約8万円)、児童扶養手当(月額約4万2千円)、児童手当(月額2万円)を合わせると、月14万円程度の収入増が見込めることをご説明しました。美穂さんの手取り収入約20万円と合わせると、現在の生活水準を大きく下げることなく生活できる計算になりました。

次に、親権獲得に向けた準備を進めました。美穂さんが主たる養育者であることを証明するため、学校行事への参加記録、病院の付き添い記録、日々の育児日記の作成をアドバイス。また、夫からのモラハラの証拠として、暴言を録音することや、精神的に参った際の心療内科受診も提案しました。

協議離婚での話し合いに備え、離婚条件の整理を行いました。養育費は子ども2人で月8万円、面会交流は月1回程度、財産分与として貯金の半分約150万円の取得を目標に設定。万が一協議がまとまらない場合に備え、信頼できる弁護士もご紹介しました。

並行して、美穂さんの精神面のサポートも重視しました。カウンセリングの紹介や、同じような境遇の女性が集まる支援グループへの参加をご案内し、一人で抱え込まないよう継続的にフォローしました。

相談者の声

相談前は「離婚したいけれど、経済的にやっていけるのか」という不安で頭がいっぱいでした。インターネットで調べても情報がバラバラで、どれを信じていいのかわからない状態でした。でも、具体的な数字を示してもらい、「やっていける」という確信を持てたことが大きかったです。

特に養育費についても、「もらえない場合が多い」という情報ばかり見ていましたが、きちんと公正証書を作成すれば確実性が高まることを教えていただけました。子どもたちの将来を考えると、今の環境を変えることが最善だと改めて思えました。

現在は協議離婚に向けて準備を進めています。愛菜も「ママが笑顔でいられるならそれでいい」と言ってくれて、子どもたちのためにも前向きに頑張ろうと思っています。一人で悩んでいた時間がもったいなかったです。

担当者のコメント

美穂さんのように、経済的な不安から離婚に踏み切れない方は非常に多くいらっしゃいます。しかし、実際に詳しく計算してみると、各種手当や養育費を含めれば生活は十分成り立つケースがほとんどです。

モラハラ被害を受けている方は、長期間にわたって自己肯定感を削られているため、「自分一人では何もできない」と思い込んでしまいがちです。美穂さんも最初は「本当に大丈夫でしょうか」と何度も確認されていましたが、具体的な計画を立てることで自信を取り戻されました。

離婚は人生の大きな転機ですが、適切な準備と知識があれば決して恐れることではありません。一人で悩まず、まずは専門家にご相談いただければと思います。

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