築45年の実家が空き家に。近所に迷惑をかけないか不安で眠れない日々が続いていた

  • 相続

相談者様のプロフィール

小林真由美さん(仮)、48歳、千葉県船橋市在住。
地方銀行事務職として22年勤務、年収420万円。夫(51歳・製造業管理職)、長男(20歳・大学生)、長女(17歳・高校3年生)の4人家族。

ご相談の内容

真由美さんの両親が住んでいた茨城県つくば市の実家は、父親が3年前に他界、母親も昨年春に認知症のため老人ホームへ入居し、空き家となっていました。一人っ子の真由美さんが全ての管理責任を負うことになり、月1回の見回りと清掃を続けていましたが、母親の自宅復帰が困難と判明した今年2月頃から本格的に処分を検討し始めました。

決定的だったのは6月の大雨で雨樋が外れ、隣家の敷地に落下した事件でした。修理費15万円を支払いながら、「このまま放置していたら近所に迷惑をかけ続ける」という危機感が一気に高まりました。夜中に目が覚めると台風や空き巣への不安が頭を巡り、再び眠れなくなる日が続きました。

地元の不動産会社2社に査定を依頼したところ、200万円と300万円(解体前提)という大きく異なる回答で混乱。インターネットで調べても「築古物件は売れない」「解体費用が数百万円」といった情報ばかりで、何から手をつけていいかわからない状態でした。つくばまでの往復交通費や維持費が月3〜4万円かかることも家計を圧迫していました。

相談所からのご提案・解決までの流れ

まず、真由美さんの実家の立地や建物状況を詳しく確認しました。築45年でしたが、お父様が丁寧に手入れをされており、基礎や構造は比較的良好な状態でした。そこで、解体ありきではなく、近隣住民への聞き取りから始めることを提案しました。

隣家の方々に事情を説明したところ、東隣のご家庭から「実は以前から関心があった」との反応がありました。ご夫婦の息子さんが結婚を控えており、新居を探していたとのことでした。建物の状況を詳しく説明し、リフォーム前提での売却を提案したところ、380万円での購入を希望されました。

売却手続きでは、境界の確定や建物の不具合箇所の開示を丁寧に行い、後々のトラブルを防ぎました。また、お母様の思い出の品や家具の処分についても、隣家の方が一部を引き取ってくださることになり、真由美さんの心の負担も軽減されました。売却完了まで約3ヶ月、近所との良好な関係を保ちながら円満に解決しました。

相談者の声

最初は本当にどうしていいかわからず、毎晩不安で眠れませんでした。インターネットの情報では築古物件は売れないとばかり書いてあって、解体費用を考えると赤字になると思い込んでいました。

まさか隣の方が購入を検討してくださるとは思ってもみませんでした。父が大切にしていた庭も、母が長年使っていた台所も、地元の方に引き継いでもらえて本当に良かったです。380万円で売却できたおかげで、母の施設費用にも充てることができ、家計の負担も大幅に軽減されました。

何より、近所の方々との関係が良好なまま解決できたことが一番嬉しいです。長女の受験勉強にも集中してもらえますし、夜もぐっすり眠れるようになりました。一人で悩んでいないで、もっと早く相談すれば良かったです。

担当者のコメント

真由美さんのケースは、空き家問題でよく見られる典型例でした。インターネットの情報に惑わされ、「築古=無価値」と思い込んでしまう方は少なくありません。しかし、立地や建物の状態、そして何より近隣との関係性を活かすことで、思わぬ解決策が見つかることがあります。

今回のポイントは、解体ありきで考えずに、まず近隣の方々とのコミュニケーションから始めたことでした。お父様が長年丁寧に管理されていた物件だったからこそ、近所の方々の信頼もあり、スムーズな売却に結びついたのだと思います。空き家の処分でお悩みの方は、まず近隣との関係性を見直してみることをお勧めします。

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