夫の逮捕で住宅ローンの支払いが不可能に。母子家庭となった状況での任意売却を決断

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相談者様のプロフィール

加藤美香さん(仮)、39歳、神奈川県座間市在住。
地元中小企業でパート事務員として勤務(年収180万円、勤務3年)。
夫・健太郎さん(41歳)は業務上横領により逮捕・勾留中。長女・愛梨さん(12歳・中学1年生)、次女・美咲さん(9歳・小学3年生)との3人で生活中。

物件・ローンの情報
2017年購入の築8年戸建住宅(4LDK)。
住宅ローン残債約2,800万円、月々の返済額12万円。
購入価格3,500万円(頭金300万円)。

ご相談の内容

美香さん一家は、夫の健太郎さんが建設会社で現場監督として働き(年収520万円)、ごく普通の生活を送っていました。2017年に「子どもたちにちゃんとした家を」という願いを込めて念願のマイホームを購入し、幸せな日々を過ごしていました。

しかし2024年11月、突然の出来事が起こりました。健太郎さんが会社の工事費約800万円を着服していたとして、業務上横領の容疑で逮捕されたのです。警察からの連絡を受けた美香さんは、「主人が何かの間違いで捕まったんだと思っていました」と当時を振り返ります。

面会で事実を知った時の衝撃は計り知れませんでした。ギャンブルで作った借金の返済に困っての犯行だったのです。健太郎さんの逮捕により月収43万円が突然ゼロとなり、美香さんのパート収入月15万円だけでは住宅ローン12万円の支払いは不可能でした。

「最初の1ヶ月は本当に何も手につきませんでした。子どもたちに何て説明すればいいのか分からなくて」と美香さん。夜中に何度も目が覚め、現実逃避の日々が続きました。しかし年明けに弁護士から「実刑は免れないかもしれない」と告げられ、ようやく現実と向き合うことを決意。インターネットで「任意売却」を知り、3月に銀行から催告書が届いたことで、専門会社への相談を決断しました。

相談所からのご提案・解決までの流れ

ご相談をお受けし、まずは美香さんとお子様の生活の安定を最優先に考えました。中学1年生と小学3年生のお子様の教育環境を変えたくないというご希望を踏まえ、同一学区内での新居探しと任意売却を並行して進めることをご提案しました。

債権者である銀行との交渉では、美香さんの現在の収入状況と今後の見通しを詳細に説明し、任意売却への同意を得ました。不動産査定の結果、物件の市場価格は約2,300万円と判明。ローン残債との差額約500万円については、美香さんの収入に応じた無理のない返済計画を策定しました。

販売活動では、お子様の生活リズムを崩さないよう内覧時間を調整し、約3ヶ月で買主を見つけることができました。同時に同一学区内の2DKアパート(家賃7万8千円)を確保し、引越し時期も春休み中に設定することで、お子様への影響を最小限に抑えました。

売却後の残債については、月額2万円での分割返済で合意。美香さんの手取り収入でも無理なく返済できる金額に調整しました。

相談者の声

任意売却という言葉すら知らなかった私に、担当の方が一から丁寧に説明してくださいました。最初は売ったら借金がなくなると勘違いしていましたが、現実はそう甘くないことも正直に教えてもらえて、かえって信頼できました。

何より助かったのは、子どもたちの学校を変えなくて済んだことです。愛梨も美咲も友達と離れることなく、新しい生活を始められました。アパートは狭くなりましたが、家族3人で支え合って頑張っています。

主人のことで周囲の目が気になっていましたが、担当の方が「お母さんは何も悪くない。堂々としていてください」と言ってくださったのが心に残っています。月2万円の返済は正直厳しいですが、競売になっていたらもっと大変だったと思います。

担当者のコメント

配偶者の逮捕という突然の出来事で混乱されている中でのご相談でした。美香さんは自分を責める傾向がありましたが、お子様を守ろうとする強い母親でもありました。

今回のケースでは、お子様の教育環境の維持を最重要視し、学区内での住居確保を優先しました。任意売却では完済できないケースでも、適切な交渉により現実的な返済計画を立てることが可能です。

一人で抱え込まず早めにご相談いただけたことで、競売を避け、お子様への影響も最小限に抑えることができました。困難な状況でも、必ず解決策はあります。諦める前に、まずは専門家にご相談ください。

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