上司のパワハラで休職、住宅ローンが払えない。家族4人の生活を守るため任意売却を決断した事例
相談者様のプロフィール
小林健太さん(仮)、38歳男性、千葉県船橋市在住。
IT企業システム部門に12年勤務、年収480万円。現在は上司のパワハラにより休職中で傷病手当金を受給。
妻の由美さん(36歳・パート事務員、月収8万円)、長男翔太くん(10歳・小学4年生)、長女美咲ちゃん(7歳・小学1年生)の4人家族。
物件・ローンの情報
2017年3月に購入した築8年の分譲マンション(3LDK・75㎡)。
購入価格3,500万円、住宅ローン残債約2,800万円、月々の返済額92,000円。
現在の査定額は約2,400万円のアンダーローン状態。
ご相談の内容
健太さんは2024年7月から新しい部長による執拗なパワハラを受けるようになりました。深夜までの残業強要、人格否定的な叱責、他の社員の前での屈辱的な扱いが日常化し、真面目な性格の健太さんは「自分が我慢すれば」と耐え続けました。しかし、9月に入って不眠と食欲不振で体調を崩し、10月から休職を余儀なくされました。
収入が傷病手当金の月額約20万円に減少する一方、住宅ローンと管理費で月々11万円、その他生活費を含めると約5万円の赤字状態に。貯金を切り崩しての生活が続き、年内は何とかなるものの、翌年3月頃には家計が破綻する見込みでした。
健太さんは夜中に目が覚めて電卓を叩き、何度計算しても変わらない数字を前に「何か解決策はないか」と同じことを繰り返していました。息子が友達と映画に行きたがった時に「今度ね」と言ってしまった自分への情けなさ、妻がスーパーで特売品ばかり選んでいる姿を見た時の申し訳なさで胸が苦しくなりました。
妻からは「あなたは悪くない」と励まされるものの、家族を支えられない現実は変わりません。任意売却についてネットで調べていましたが、「すぐに家を出なければならない」「借金が残っても一括返済が必要」といった誤解もありました。2025年1月中旬、妻が体調を崩してパートを休んだ時、「もう一人で抱え込むのはやめよう。家族のために、今できる最善の方法を専門家に聞いてみよう」と決意し、相談に至りました。
相談所からのご提案・解決までの流れ
まず健太さんご家族の状況を詳しく伺い、任意売却に関する誤解を丁寧に解消しました。「すぐに退去する必要はなく、売却後も一定期間住み続けられる」「残債は分割での返済が可能」であることをご説明し、不安を和らげました。
債権者である金融機関との交渉では、健太さんの休職理由と家族の状況を詳細に説明し、任意売却への同意を得ました。売却活動では、子育て世代をターゲットに学区の良さや住環境の魅力をアピールし、3ヶ月で2,350万円での売却が成立しました。
売却後の残債約450万円については、健太さんの体調回復と復職の見込みを考慮し、月々2万円の分割返済で合意。さらに、お子さんたちの学校への影響を最小限に抑えるため、船橋市内の賃貸物件への住み替えをサポートしました。健太さんが復職するまでの間、家賃を抑えた2LDKのアパートで生活再建を図ることになりました。
相談者の声

相談前は任意売却というと借金が膨らんでどうしようもなくなった人がするものというイメージでしたが、実際は家族の生活を守るための前向きな選択肢だということがわかりました。
一番心配していた子どもたちの学校については、同じ学区内で住み続けられることになり、友達関係も変わらずに済みました。息子も娘も最初は引っ越しを嫌がりましたが、新しい家は駅に近くて便利だと今では気に入っています。
残債の返済についても、月々2万円なら復職後は十分対応できる金額です。担当の方が金融機関と粘り強く交渉してくださったおかげで、無理のない返済計画を立てることができました。何より、家族4人が路頭に迷うことなく、新しいスタートを切れたことに感謝しています。
担当者のコメント

健太さんのケースは、パワハラという理不尽な状況が引き金となった住宅ローン問題でした。ご本人の責任ではない事情での収入減少であることを債権者にしっかりと説明し、理解を得ることが重要でした。
任意売却というと「失敗」や「破綻」というネガティブなイメージを持たれがちですが、実際は家族の生活を守り、新しい人生への第一歩となる制度です。健太さんご家族のように、お子さんの学校環境を維持しながら生活再建を図ることも可能です。
パワハラや病気による収入減少でお困りの方は、状況が深刻化する前に早めのご相談をおすすめします。選択肢は必ずありますので、一人で抱え込まずに専門家にご相談ください。
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