ワンルームマンション投資の失敗で月4万円の持ち出し。家族の将来が不安で任意売却を決断

  • 任意売却

相談者様のプロフィール

森田健一さん(仮)、34歳、東京都江戸川区西葛西在住。
IT企業のシステムエンジニアとして7年間勤務、年収520万円。
妻・美咲さん(32歳・パート勤務)、長男・颯太くん(5歳・幼稚園年中)の3人家族。

物件・ローンの情報
2021年3月に投資用ワンルームマンション(東京都足立区)を3,200万円で購入。
住宅ローン残債2,800万円、現在の物件評価額1,900万円で、900万円のオーバーローン状態。
家賃収入6.5万円に対し、ローン返済や管理費等で月々4.5万円の持ち出しが発生。

ご相談の内容

健一さんは、コロナ禍での将来不安から不動産投資を始めました。職場の先輩の紹介で出会った営業マンから「家賃保証があるから安心」「ローンは家賃収入で返済できる」と説明され、深く検討せずに購入を決断してしまいました。

しかし、家賃保証期間が終了すると実際の家賃相場は説明の7割程度で、さらに管理費や税金を含めると毎月4万円以上の持ち出しが発生。空室期間中は月11万円の負担となり、家計を大きく圧迫しました。

妻の美咲さんは当初「夫を信じて待とう」という姿勢でしたが、経済的な悪化とともに不安が爆発。妊娠が判明した際も経済的理由で中絶を選択せざるを得ず、夫婦関係がギクシャクし始めました。「私たちだけなら我慢できるけど、颯太の将来まで奪わないで」と涙ながらに訴える妻の姿に、健一さんは深い罪悪感を抱きました。

ついに生活費を消費者金融から借りる状況となり、息子が「遊園地に行こう」とせがんでも「今度ね」と曖昧に答えてしまう自分が情けなく感じていました。夜中に布団の中で「なぜあの時、もっと慎重に調べなかったのか」と後悔を繰り返し、眠れない日々が続いていたのです。

相談所からのご提案・解決までの流れ

健一さんの状況を詳しく伺い、900万円のオーバーローン状態での任意売却をご提案しました。まず債権者である金融機関と交渉を開始。健一さんの収入状況や家族構成、将来的な返済能力を詳細に説明し、任意売却への協力を得ることができました。

物件の売却活動では、投資用物件として購入を検討する買主層にアプローチ。立地条件や賃貸需要を適切にアピールし、2ヶ月後に1,950万円での売却が成立しました。

残債務850万円については、健一さんの収入状況を考慮し、月々3万円の分割返済で合意。これまでの月4.5万円の持ち出しがなくなり、さらに残債務の返済額も1.5万円軽減されることで、家計に月6万円の余裕が生まれました。

手続き期間中は、健一さんと美咲さんの心のケアも重視。「失敗は誰にでもあること。大切なのは適切なタイミングで決断すること」とお伝えし、前向きな気持ちで手続きを進めていただきました。

相談者の声

正直、最初は任意売却という言葉すら知りませんでした。「自己破産しなければ解決できないのでは」と思い込んでいましたし、「ブラックリストに載ったら家族に迷惑をかける」という不安もありました。

でも、担当の方が丁寧に説明してくださり、私たちの状況に最適な解決方法を提案してくれました。売却後は月々の負担が大幅に軽減され、妻のパートの時間も元に戻すことができました。何より、息子と遊園地に行けるようになったことが一番嬉しいです。

妻からも「お疲れさま、よく決断してくれた」と言ってもらえて、夫婦関係も以前のように戻りました。あの時勇気を出して相談して本当によかったです。同じような悩みを抱えている方には、一人で抱え込まずに早めに相談することをお勧めします。

担当者のコメント

森田さんのケースは、不動産投資詐欺の典型的なパターンでした。「家賃保証」や「節税効果」という甘い言葉に惑わされ、リスクの説明が不十分なまま契約してしまったのです。

森田さんの素晴らしい点は、状況が悪化する前に決断されたことです。多くの方が「もう少し様子を見よう」と先延ばしにしがちですが、早期の決断により選択肢を多く残すことができました。

不動産投資で失敗された方の多くが「家族に申し訳ない」という罪悪感を抱かれます。しかし、大切なのは失敗を認め、適切な解決策を選択することです。一人で悩まず、専門家に相談することで、必ず道は開けます。

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