うつ病で休職、住宅ローンの返済困難に。家族を守るための任意売却で新しいスタートを切ることができた
相談者様のプロフィール
森田健太郎さん(仮)、42歳、神奈川県横浜市港北区在住。
IT企業のシステムエンジニア(課長職)、年収680万円(休職前)、勤続16年。
妻・美香さん(38歳・パート事務員)、長女・あかりさん(13歳・中学1年生)、長男・けんとさん(10歳・小学4年生)の4人家族。
物件・ローンの情報
2018年に購入した新築分譲マンション4LDK(85㎡)。 住宅ローン残債約3,200万円、月々の返済12万円。 現在の物件価値約2,800万円で、400万円のオーバーローン状態。
ご相談の内容
健太郎さんは2023年夏、会社での大型プロジェクトの責任者として過重な業務を担う中で、うつ病を発症しました。連日の残業と休日出勤、厳しいプレッシャーが重なり、9月から休職することになりました。傷病手当金により収入は約3分の2に減少し、妻のパート収入と合わせても月収38万円程度となり、月々の支出45万円に対して毎月7万円の赤字が続きました。
当初150万円あった貯金も2024年2月には底をつき、3月からはクレジットカードのキャッシングや消費者金融からの借入で一時的にしのぐ状態となりました。借金は200万円まで膨らみ、銀行からの督促状が届くようになりました。健太郎さんは家族を守ろうと一人で抱え込んでいましたが、ついに妻に打ち明けることになりました。美香さんは涙を流しながらも「一緒に解決しよう」と支えてくれました。
2024年8月、銀行から期限の利益の喪失予告通知が届き、法的措置の可能性を突きつけられました。夜中に何度も目が覚め、子どもたちの転校への不安で胸が苦しくなる日々が続きました。妻と話し合い、競売になる前に専門家に相談することを決意。手が震えながらも勇気を振り絞って相談の電話をかけました。
相談所からのご提案・解決までの流れ
まず、健太郎さんご夫婦の心理的負担を軽減するため、「病気による収入減少は決して珍しいことではない」ことをお伝えし、解決に向けて一緒に取り組むことをお約束しました。債権者である銀行との交渉では、健太郎さんの病状と家族状況を丁寧に説明し、任意売却への理解を得ることができました。
物件の査定では、駅から徒歩8分の好立地と良好な管理状況を活かし、適正価格での売却活動を開始しました。購入希望者には物件の魅力を最大限アピールし、3ヶ月後に2,850万円で売買契約が成立しました。売却代金で住宅ローンを完済後、諸費用を差し引いても手元に約50万円が残りました。
並行して、健太郎さんの職場復帰に向けた支援も行いました。産業医との面談調整や段階的な復職プランの策定をサポートし、売却完了の1ヶ月後には時短勤務での職場復帰が実現しました。新居は子どもたちの学区内で家賃8万円の3LDK賃貸住宅を確保し、生活の継続性を保ちました。
相談者の声

相談前は「任意売却=人生の終わり」のように感じていましたが、実際は新しいスタートへの扉でした。病気のことで自分を責め続けていましたが、担当の方に「病気は誰のせいでもない。大切なのは家族で前に進むこと」と言っていただき、心が軽くなりました。
売却活動中も、子どもたちには「新しいお家に引っ越すことになった」と説明し、転校の不安を和らげるよう配慮していただきました。あかりも けんとも、最初は戸惑っていましたが、今では新しい環境にも慣れ、元気に学校に通っています。
住居費が大幅に下がったことで家計に余裕ができ、私自身も焦らずに体調回復に専念できるようになりました。妻からも「相談して本当によかった」と言ってもらえています。借金も計画的に返済でき、家族の絆がより深まったように感じています。
担当者のコメント

健太郎さんは責任感が強く、ご家族への愛情深い方でした。しかし、一人で抱え込んでしまったことで状況が悪化していました。うつ病による収入減少での住宅ローン問題は決して珍しいケースではありません。重要なのは早期の相談と適切な解決策の選択です。
今回は売却後も学区内での転居が実現でき、お子様の環境変化を最小限に抑えることができました。また、職場復帰に向けたサポートも並行して行うことで、根本的な解決につなげることができたと考えています。病気や収入減少で住宅ローンにお悩みの方は、一人で悩まずお早めにご相談いただければと思います。
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