早期退職で収入が激減。58歳からの住宅ローン滞納、家族を守るための決断とは

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相談者様のプロフィール

山田健一さん(仮)、58歳、埼玉県川越市在住。
製造業で品質管理職として22年勤務していたが、会社のリストラにより早期退職。
現在はアルバイト勤務で月収12万円。妻の美香さん(55歳)はパート勤務で月収8万円。次男の大樹さん(23歳)は大学4年生で就職活動中、実家在住。

物件・ローンの情報
2007年に3,200万円で購入した築18年の戸建て住宅(3LDK)。
35年ローンで現在18年目、残債約1,850万円。月々の返済額は約9万5千円。

ご相談の内容

健一さんは2024年春、勤務先の業績悪化により早期退職制度の対象となりました。55歳以上の管理職が対象で、事実上の退職勧奨でした。次男の大樹さんがまだ大学4年生で就職活動中だったため、健一さんと美香さんは連日深夜まで話し合いを重ねました。「あと1年は今の収入が必要なのに」とリビングのソファで頭を抱える健一さんに、美香さんは「私がもっと働けば何とかなるかも」と提案しましたが、腰痛で長時間勤務は困難でした。

7月末で退職後、再就職活動を始めましたが、58歳という年齢がネックとなり決まりません。やっと見つけたアルバイトも月収12万円程度で、世帯収入は22万円に激減。住宅ローン9万5千円と生活費を賄うのは不可能で、10月に1回目、11月に2回目の滞納となりました。督促状を見た時の手の震え、銀行からの電話に出るのが怖くなった健一さん。12月に「法的手続きに移行する」という通知が届き、美香さんと「もう一人では無理だね」と話し合い、全任協への相談を決意しました。

相談所からのご提案・解決までの流れ

まず健一さんの家計状況を詳細に分析し、現実的な返済能力を算出しました。アルバイト収入と美香さんのパート収入、年金受給開始までの期間を考慮すると、現在の住宅ローン返済は明らかに困難と判断しました。物件の査定を行ったところ、立地条件が良好で近隣相場も安定しており、ローン残債をカバーできる売却価格での取引が可能と判明しました。

債権者である銀行との交渉では、健一さんの誠実な返済歴史と現在の困窮状況を丁寧に説明。任意売却による早期解決が双方にメリットがあることを提示し、同意を得られました。販売活動では、駅近の立地と良好な住環境をアピールポイントとして、ファミリー層をターゲットに展開。健一さんご夫婦にも内覧時の対応にご協力いただき、約2ヶ月で購入希望者を見つけることができました。売却代金でローンを完済し、引越費用や当面の生活費も確保。健一さんご家族は家賃5万円の賃貸アパートに転居し、月々の住居費負担を大幅に軽減できました。

相談者の声

正直、任意売却という言葉すら知りませんでした。インターネットで調べても、競売との違いや、本当に信頼できる業者なのか不安でした。でも、実際に相談してみると、私たち家族の状況を親身になって聞いてくださり、具体的な解決策を示してもらえました。

一番心配だったのは、近所の人に知られることでしたが、任意売却なら通常の売却と変わらない形で進められると説明され、安心しました。次男の就職活動にも影響が出ないよう配慮していただき、新居も息子の通学に便利な場所を選ぶことができました。

今は家賃5万円のアパートで、住居費の負担が軽くなり、生活に余裕ができました。健康面でも不安がありましたが、金銭的なストレスが減ったことで、前向きに治療に取り組めています。次男も無事内定をもらい、家族で新しいスタートを切れそうです。

担当者のコメント

健一さんは長年真面目に住宅ローンを返済されており、滞納に対する罪悪感が非常に強い方でした。しかし、会社都合による収入激減は健一さんの責任ではありません。重要なのは、状況を受け入れて現実的な解決策を選択することです。

今回のケースでは、物件の立地条件が良好だったことと、健一さんご夫婦の誠実なお人柄が功を奏しました。内覧対応でも購入検討者に好印象を与え、スムーズな売却につながりました。50代後半での生活基盤の見直しは勇気が要りますが、早めの決断により、ご家族の将来を守ることができた事例です。

住宅ローンの返済が困難になった際は、一人で抱え込まず、専門家に相談することが重要です。状況に応じた最適な解決策を見つけることで、新たな人生のスタートを切ることができます。

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