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収入減で住宅ローンが払えない…原因別の対処法と任意売却まで徹底解説

更新日:2026年5月7日
投稿日:2026年5月7日
収入減で住宅ローンが払えない…原因別の対処法と任意売却まで徹底解説

リストラ、病気、離婚、定年後の収入減少——住宅ローンを組んだ時点では想定していなかった事態が、突然家計を直撃することがあります。

「今月の返済が正直きつい」「このまま払い続けられるか不安」と感じているなら、まず知っておいてほしいのは、収入減による住宅ローンの返済困難は、決して珍しいことではないということです。そして、早めに動けば動くほど、選べる対処法の幅は広がります。

この記事では、収入が減った理由別に取り得る対処法を整理し、金融機関への交渉から任意売却・法律相談まで、選択肢の全体像をわかりやすく解説します。「自分はどれを選べばいいのか」が見えるよう、相談先のまとめも掲載しています。

目次

まず知っておきたい|住宅ローンを払えなくなる人はどのくらいいる?

住宅金融支援機構のデータによると、住宅ローンを3ヶ月以上滞納している人の割合は、ここ数年一貫して0.2%台で推移しています。
数字だけ見れば「ごく少数」に見えますが、一般社団法人住宅ローン問題解決支援機構が2022年に行った調査では、住宅ローンの支払いに1日でも遅れたことがある人は9.3%にのぼり、そのうち支払いが遅れた原因の第1位は「収入の減少(63%)」でした。

つまり、深刻な滞納には至っていなくても、収入減をきっかけに返済を不安視している人は相当数います。 「自分だけがおかしいのでは」と思う必要はありません。

重要なのは、滞納が始まってから対処するより、不安を感じた段階で早めに動くことです。時間が経つほど選択肢は減り、精神的・経済的な負担が増します。

住宅ローンでお困りなら、【お金と不動産・お悩み相談所】にご相談を。
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ご相談は相談フォームより24時間受付しています。お急ぎの場合はフリーダイヤル(0120-711-783)をご利用下さい。

収入が減って住宅ローンが払えなくなる主な原因

収入減の「理由」によって、使える制度や相談すべき窓口が異なります。自分の状況がどれに近いかを確認しながら読んでみてください。

リストラ・失業・転職による収入ダウン

会社都合のリストラや突然の倒産、あるいは転職後に前職より給与が下がったケースが、住宅ローン返済困難の最も多い原因のひとつです。

住宅ローンは「現在の収入が長期的に安定して続く」ことを前提に設計されます。そのため、収入が急に3割・4割減るだけで、月々の返済が家計を圧迫し始めます。

失業の場合は雇用保険(失業給付)が一定期間の生活を支えますが、給付期間は有限です。次の就職が決まるまでの間に滞納が始まるケースが多く、「少し待てば状況が改善する」と放置しているうちに期限の利益(分割払いの権利)を失うリスクがあります。

病気・ケガによる長期休職

突然の入院や手術、あるいはうつ病などで長期にわたって働けなくなると、収入が大きく落ち込みます。会社員であれば健康保険から傷病手当金(給与の約3分の2相当、最長1年6ヶ月)を受け取れる可能性がありますが、それでも従来の返済額に届かないことは少なくありません。

また、加入している住宅ローンによっては、団体信用生命保険(団信)の特約として「がん・三大疾病保障」「就業不能特約」が付いている場合があります。病気が原因で払えなくなった場合、まず団信の内容を確認することが先決です。見落としているだけで保障が適用できるケースがあります。

離婚による世帯収入の減少

共働きを前提にペアローンや収入合算で住宅ローンを組んでいた場合、離婚によって片方の収入が抜けると、一人での返済が一気に重くなります。

加えて、養育費の支払いや財産分与が重なると、家計への打撃はさらに大きくなります。離婚後に住み続ける側も、出ていく側も、それぞれ住宅ローンの扱いを決めなければならず、金融機関との交渉だけでなく弁護士や司法書士への相談が必要になるケースも珍しくありません。

定年退職・老後の年金生活への移行

晩婚化やローン開始時期の遅れにより、定年後も住宅ローンが残るケースが増えています。現役時代は問題なく払えていても、年金収入に切り替わった途端に毎月の返済が重くなることがあります。

「退職金で一括返済するつもりだった」という計画が、退職金の支給額が想定を下回ることで崩れるパターンも見られます。65歳以降もローンが残る場合は、早い段階でリバースモーゲージや売却を含めた選択肢を検討しておくことが重要です。

物価上昇・支出増加による実質的な家計の圧迫

収入そのものは変わっていなくても、食費・光熱費・教育費の上昇によって手元に残るお金が減り、実質的に返済が苦しくなるケースもあります。特に、子どもの大学進学と住宅ローンの返済ピークが重なる40代後半〜50代前半は、家計が最も圧迫されやすい時期です。

また、変動金利で住宅ローンを組んでいる場合は、金利上昇によって返済額自体が増えることもあります。「収入は減っていないのに払えなくなった」という状況も、立派な相談理由です。

滞納するとどうなる?時系列で見る住宅ローン延滞の流れ

「少し滞納しても大丈夫だろう」と思いがちですが、住宅ローンの滞納は時間とともに急速に状況が悪化します。どの段階で何が起きるのか、流れを把握しておきましょう。

1〜2ヶ月目:督促状・催告書が届く

返済日に支払いができなかった場合、まず金融機関から電話や普通郵便で督促の連絡が来ます。この段階では比較的穏やかな内容で、「すぐに対応できれば大きな問題にはならない」時期です。

しかし、ここで金融機関に連絡せず放置すると、1〜2ヶ月後には催告書(最終的な支払い請求、内容証明郵便)が届きます。督促状と催告書の違いは「法的措置への記載があるかどうか」です。催告書が届いた段階で、まだ交渉の余地はありますが、時間的な猶予はかなり限られています。

3〜5ヶ月目:期限の利益の喪失・一括返済請求

滞納が3〜5ヶ月に及ぶと、期限の利益の喪失という状態になります。期限の利益とは「住宅ローンを毎月分割で返済できる権利」のことで、これを失うと残債の一括返済を求められます。

当然、一括返済できる人はほとんどいません。この時点で信用情報機関に「事故情報」として登録され、いわゆるブラックリスト入りの状態になります。クレジットカードの利用停止や、新たな借入が困難になるなどの影響が出始めます。

6ヶ月以降:代位弁済・競売の申し立て

保証会社が残債を金融機関に代わりに支払う「代位弁済」が行われます。これで住宅ローンの借入先が金融機関から保証会社に移りますが、返済義務がなくなるわけではありません。

その後、保証会社は裁判所を通じて競売を申し立てます。競売が進むと自宅は強制的に売却され、近隣住民に知られるリスク強制退去の可能性が出てきます。また、競売での売却価格は市場価格の6〜7割程度になることが多く、売っても残債が残るケースも少なくありません。

競売を避けるための手段が「任意売却」です。次章以降で詳しく説明します。

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収入減の原因別|住宅ローンが払えないときに取れる対処法

状況によって取り得る対処法は異なります。「まだ滞納していない」段階から「競売が迫っている」段階まで、順を追って解説します。

【まだ滞納していない段階】金融機関への返済条件変更(リスケジュール)

滞納が始まる前に金融機関へ相談することが、最も選択肢が広がる対応です。「払えなくなりそうだ」と感じた時点で連絡するのが鉄則で、督促状が届いてからでは交渉の幅が狭まります。

金融機関が応じる主な条件変更の内容は次のとおりです。

  • 返済期間の延長(月々の返済額を減らす)
  • 一定期間、元金の返済を止めて利息のみ支払う(元金据え置き)
  • ボーナス払いを廃止して月々の返済に組み込む

条件変更が認められる期間は状況によりますが、病気や介護による一時的な収入減であれば数年単位の変更に応じてもらえるケースもあります。ただし、条件変更は「猶予」であり根本解決ではないため、収入回復の見込みに合わせた現実的な計画を金融機関と話し合う必要があります。

【病気・ケガが原因の場合】団体信用生命保険・就業不能保険の確認

収入減の原因が病気やケガであれば、保険の適用を先に確認しましょう。見落とされがちですが、保障が適用されれば返済が一時的または全面的に免除されることがあります。

確認すべき保険の種類は次のとおりです。

  • 団体信用生命保険(団信):死亡・高度障害のほか、「三大疾病特約」「八大疾病特約」「就業不能特約」が付いている場合は、一定の病気やケガで保障が下りる
  • 就業不能保険:長期療養で働けない期間の収入を補填する民間保険
  • 収入保障保険・債務返済支援保険:任意で加入している場合、住宅ローン返済に充てられる保険金が出るケースがある

これらの保険は住宅ローン契約時に一緒に加入していることが多いため、契約書類を見直すか、金融機関に問い合わせてみてください。

住宅ローンの借り換えで月々の返済を減らす

現在より低い金利の金融機関に借り換えることで、毎月の返済額を抑えられる場合があります。特に、数年前に高い固定金利で借りた場合は、借り換えによる負担軽減効果が大きいケースがあります。

ただし、借り換えにはいくつかの注意点があります。

  • 既存ローンの手数料・繰上返済手数料がかかる
  • 新しいローンの審査が通る必要があり、すでに滞納がある場合や収入が大きく下がっている場合は審査に通りにくい
  • 金利が上昇傾向にある局面では、借り換えメリットが小さくなることもある

借り換えは「まだ滞納していない・審査が通る見込みがある」段階でないと活用しにくい手段です。検討するなら早めの行動が必要です。

家を売却してローンを完済する(通常売却)

売却価格が住宅ローンの残債を上回る場合、家を売ってローンを完済し、生活を立て直す選択肢があります。残債より高く売れるかどうかは、まず不動産会社に査定を依頼して確認するのが先決です。

売却代金でローンを完済できれば、毎月の返済から解放されます。引っ越し先の家賃が発生するという側面はありますが、精神的・経済的な圧迫から抜け出せるメリットは大きいといえます。売却を急ぐと価格が下がりやすいため、まだ時間的な余裕があるうちに動き始めることが重要です。

売却額がローン残高を下回る場合|任意売却という選択肢

住宅ローンの残債が売却価格を上回る「オーバーローン」の状態では、通常の売却ではローンを完済できません。この場合に検討すべきなのが任意売却です。

任意売却とは、金融機関(債権者)の同意を得た上で、競売ではなく当事者の意思で自宅を売却する方法です。競売と比較した場合の主な違いは次のとおりです。

比較項目任意売却競売
売却価格の目安市場価格に近い市場価格の6〜7割程度
売却のスケジュールある程度調整できる裁判所主導で進む
近隣への周知通常の売却と同様競売情報が公開される
引っ越し費用交渉次第で捻出可能基本的に自己負担
残債への影響交渉により分割返済等に応じてもらえる場合あり残債は一括請求が原則

任意売却は時間的な制限があり、競売の申し立て後でも可能ですが、早ければ早いほど選択肢が広がります。手続きには専門的な知識が必要なため、任意売却に詳しい不動産会社や専門業者への相談が不可欠です。


任意売却についての詳しい解説はこちらにまとめています。

任意売却(にんいばいきゃく)とは?5分でわかる完全ガイド|メリット・デメリットなどまとめてご紹介

住み続けながら資金を確保する|リースバックの仕組み

「家は手放したくないが、まとまった資金が必要」という場合に選択肢となるのがリースバックです。自宅を不動産会社などに売却し、その後は賃借人として家賃を払いながら同じ家に住み続ける仕組みです。

売却代金で住宅ローンを一括返済できるため、毎月の返済から解放されます。一方で、売却後の所有者は買い手になるため、固定資産税の支払いはなくなりますが、家賃の支払いが新たに発生します。また、売却価格が市場価格より低く設定されることが多い点は理解しておく必要があります。

リースバックは「引っ越しを避けたい」「一時的な資金難を乗り越えたい」というケースに向いた手段です。将来的に買い戻せる条件を設定できる場合もあります。

住み続けながら老後資金を確保する|リバースモーゲージ

定年後に収入が減り、住宅ローンの返済が重くなっているシニア世代向けの選択肢としてリバースモーゲージがあります。自宅を担保に金融機関からお金を借り、生存中は利息のみを返済し、死亡後に自宅を売却して元本を返済する仕組みです。

住宅ローンをリバースモーゲージに借り換えることで、毎月の返済負担を大幅に軽減できるケースがあります。ただし、金融機関によって対象年齢(多くの場合55〜60歳以上)や担保評価の条件が異なります。また、死亡後に自宅が売却されるため、同居家族がいる場合は住む場所を失うリスクも考慮が必要です。

借金の整理が必要な場合|個人再生・自己破産という手段

住宅ローンだけでなく複数の借入がある場合や、返済の目処がまったく立たない場合は、法的な債務整理を検討することになります。主な手続きは次の2つです。

個人再生は、裁判所を通じて借金を大幅に圧縮し(最大で5分の1程度)、残りを原則3年かけて返済する手続きです。「住宅ローン特則」という制度を利用すれば、住宅ローンはそのまま継続しながら自宅を手放さずに済む場合があります。

自己破産は、返済能力がないと裁判所に認められた場合に借金の返済義務が免除される手続きです。自宅は原則として処分の対象になりますが、生活の再建を最優先にするための最終手段として位置づけられます。

どちらも専門的な手続きが必要であり、弁護士または司法書士への相談が前提です。

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離婚・相続が絡む場合は法律の専門家への相談も視野に

住宅ローンの返済困難が、離婚や相続と同時に発生しているケースでは、不動産の問題だけでなく法律的な手続きが絡んでくるため、対処の複雑さが増します。

たとえば、離婚によってペアローンの一方が返済を継続できなくなった場合、ローンの名義変更や連帯保証人の解除など、金融機関との交渉が必要になります。これは通常の住宅ローン相談とは異なる対応が求められます。

また、相続によって被相続人の住宅ローンや不動産を引き継ぐことになった場合、残債の処理方法や不動産の売却・任意売却の可否を判断するために、相続専門の弁護士や司法書士と連携することが重要です。

こうした複合的な問題を抱えている場合は、不動産の専門家と法律の専門家が連携して対応できる窓口に相談することが、最もスムーズな解決につながります。

絶対にやってはいけないNG行動

住宅ローンが払えない状況で、かえって事態を悪化させる行動があります。焦っているときほど陥りやすいため、確認しておきましょう。

滞納を放置して金融機関の連絡を無視する

「督促の電話が来ているが、怖くて出られない」という状況は理解できますが、無視し続けると状況は確実に悪化します。金融機関は交渉の意思がないと判断した場合、競売の申し立てに向けて手続きを進めます。

どんなに状況が苦しくても、金融機関への連絡を絶やさないことが基本です。返済できない理由を正直に説明し、相談の意思があることを示すだけで、対応の幅は大きく変わります。

消費者金融やカードローンで住宅ローンの穴埋めをする

住宅ローンの返済に消費者金融やカードローンを充てることは、一時的にしのげるように見えますが、高金利の借入がさらに積み重なることで、最終的に返済不能に陥るリスクが高まります。「借金で借金を返す」状態は、家計の崩壊を加速させるだけです。

家族や保証人に無断で手続きを進める

連帯保証人や共有名義の家族は、住宅ローンの返済や売却に深く関わる当事者です。無断で任意売却や債務整理の手続きを進めると、後になってトラブルになることがあります。状況が深刻であるほど、早い段階で家族と情報を共有しておくことが重要です。

収入減で住宅ローンが払えないときの相談先

状況に合わせた相談先を以下の表に整理しました。複数の問題が重なっている場合は、複数の窓口を並行して利用することも検討してください。

状況相談先
まだ滞納していない・条件変更を検討したい借入先の金融機関(早めに連絡)
売却・任意売却を検討したい不動産会社・任意売却専門業者
離婚・相続が絡んでいる弁護士・司法書士
家計全体を見直したいファイナンシャルプランナー(FP)
債務整理(個人再生・自己破産)を検討したい弁護士・司法書士
病気・ケガが原因・保険の適用を確認したい加入先の保険会社・金融機関
公的制度(傷病手当金など)を確認したい勤務先の人事担当・社会保険事務所

まとめ|収入が減って住宅ローンが払えないと感じたら、まず動くことが大切

住宅ローンの返済が苦しくなる原因は、リストラ・病気・離婚・定年など人それぞれです。しかし、どの原因であっても共通して言えるのは、「早く動けば動くほど、選べる選択肢が多い」という点です。

滞納が始まる前なら金融機関への条件変更交渉が使えます。オーバーローンでも任意売却であれば競売より有利な条件で解決できる可能性があります。離婚や相続が絡んでいるなら、法律の専門家との連携で複合的な問題を整理できます。

逆に、放置を続けると競売という最も不利な結末に近づいていきます。

「どこに相談すればいいかわからない」という場合は、まず不動産と法律の両方に対応できる窓口に連絡してみることをおすすめします。状況を整理するだけでも、次の行動が見えてきます。

この記事の執筆者
笹井 信弘
ファイナンスや法令に関する豊富な知識と経験を活かし、資産運用や不動産に関する悩みを抱える方々の相談に親身に対応しています。相談員として一人ひとりの状況に寄り添い、最適な解決策を提案するだけでなく、より多くの方が安心して資産や不動産に向き合える社会を目指し、書籍の執筆・出版活動にも力を入れています。

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