投資用マンションの任意売却について徹底解説|ローン返済が厳しい方へ流れや注意点
2025.08.04

投資用マンションのローン返済にお困りの方、毎月の支払いが重荷になっていませんか?空室が続いたり、金利が上がったりして、当初の収支計画が崩れてしまうことは決して珍しいことではありません。
そんな状況でも、競売になる前に選択できる「任意売却」という方法があります。この記事では、投資用マンションの任意売却について、専門的かつ中立的な立場から詳しく解説します。
そもそも任意売却とは?競売との違いを分かりやすく比較
任意売却について正しく理解するためには、まず基本的な定義を押さえておく必要があります。多くの方が混同しがちな「競売」との違いを明確にし、任意売却の基本的なメリットを把握しましょう。
任意売却とは|債権者の合意を得て市場で売却する方法
任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になった際に、債権者(金融機関など)の同意を得て不動産を市場価格で売却する方法です。売却代金でローン残債を完済できない場合でも、債権者が抵当権の抹消に応じてくれるため、一般的な不動産売却と同じように進めることができます。
投資用マンションの場合、収益物件として購入したものの、想定していた賃料収入が得られなくなったり、金利上昇で返済額が増加したりした際の解決策として活用されています。
重要なのは、債権者との交渉により実現する売却方法であり、売主の意思で進められるという点です。競売のように強制的に処分されるのではなく、ある程度の主導権を持ちながら売却を進められる特徴があります。
任意売却と競売の6つの違い【価格・プライバシー・費用面】
任意売却と競売の違いを具体的に比較すると、以下の表のようになります。
項目 | 任意売却 | 競売 |
---|---|---|
売却価格 | 市場価格の8~9割程度 | 市場価格の5~7割程度 |
プライバシー | 一般売却と同様、秘匿性が高い | 競売情報が公開される |
売却期間 | 3~6ヶ月程度 | 6ヶ月~1年程度 |
手数料負担 | 売却代金から差し引かれる | 別途現金で用意が必要 |
引っ越し時期 | 買主との交渉で調整可能 | 強制執行により決定 |
残債務の扱い | 分割返済の交渉が可能 | 一括返済が原則 |
この表からも分かるように、任意売却は競売と比較して多くの面で有利な条件で進められます。特に価格面では、競売の場合、市場価格の5~7割程度での落札となることが多いのに対し、任意売却では8~9割程度での売却が期待できるため、残債務を大幅に圧縮できる可能性があります。
なぜ?投資用マンションで任意売却が必要になる代表的な4つのケース

投資用マンションでは、一般的な住宅とは異なる特有の事情により、任意売却が必要になるケースがあります。
ここでは、実際によくある4つのケースについて詳しく解説します。あなたの状況と照らし合わせながら読み進めてください。
ケース1:空室率の上昇や家賃下落による収支の悪化
投資用マンションで最も多いのが、空室率の上昇や家賃相場の下落による収支悪化です。購入時に想定していた賃料収入が得られなくなり、ローン返済額を下回る状況が続くケースです。
例えば、月額12万円の賃料を想定してローンを組んだものの、実際には10万円でしか貸せず、さらに空室期間が年間3ヶ月発生した場合、年間収入は90万円となり、当初予定の144万円から54万円も減少してしまいます。
このような状況では、オーナー自身の収入から持ち出しが発生し、長期間続くと家計を圧迫します。特に地方都市や築年数の古い物件では、人口減少や新築物件の供給過多により、この傾向が顕著に現れています。
ケース2:変動金利の上昇によるローン返済額の増加
変動金利でローンを組んでいる場合、金利上昇により返済額が増加し、収支バランスが崩れるケースがあります。投資用不動産ローンは住宅ローンより金利が高く、金利変動の影響を受けやすい特徴があります。
例えば、2,000万円を金利2.5%で借りていた場合の月返済額は約9万円ですが、金利が3.5%に上昇すると約10万円となり、月1万円の負担増となります。年間では12万円の支出増加となり、収支に大きな影響を与えます。
近年の金利上昇局面では、このような状況に直面する投資家が増えており、賃料収入だけでは返済が困難になるケースが散見されています。金利上昇は投資家自身ではコントロールできない要因であり、リスク管理の難しさを物語っています。
ケース3:オーナー自身の経済状況の変化(病気・失業など)
投資用マンションのローン返済では、賃料収入だけでなく、オーナー自身の収入も重要な要素となります。病気による休職や失業、事業の悪化などにより、オーナーの収入が減少すると、物件の収支が悪化した際の補填ができなくなります。
特に投資用不動産ローンでは、オーナーの個人収入も返済能力の前提として組み込まれているため、この部分が欠けると返済継続が困難になります。また、医療費の増加や生活費の見直しが必要になった場合、投資用マンションの維持費用が家計を圧迫する要因となることもあります。
このような状況では、早期に任意売却を検討することで、経済的な負担を軽減し、生活の立て直しを図ることが重要になります。
ケース4:サブリース契約のトラブル(賃料減額・契約解除)
サブリース契約を利用している場合、管理会社との契約条件変更や契約解除により、想定していた賃料収入が得られなくなるケースがあります。「30年一括借上げ」などの謳い文句で始めた投資でも、実際には定期的な賃料見直しが行われることが多いのが現実です。
例えば、当初月額10万円で一括借上げの契約を結んでいたものの、2年後の見直しで8万円に減額される場合があります。さらに、入居率の低下や建物の老朽化を理由に、管理会社側から契約解除を申し出されるケースも少なくありません。
このような状況では、オーナー自身で入居者を探す必要が生じ、空室リスクや管理業務の負担が発生します。サブリース契約の解除後に安定した賃料収入を確保できない場合、任意売却による早期解決が現実的な選択となることもあります。
【メリット】投資用マンションを任意売却する利点

任意売却には、競売と比較して多くの利点があります。これらのメリットを正しく理解することで、前向きな検討ができるでしょう。ここでは、投資用マンションの任意売却における5つの主要なメリットを詳しく解説します。
1. 競売よりも高い価格での売却が期待できる
任意売却最大のメリットは、競売よりも高い価格での売却が期待できることです。競売では市場価格の5~7割程度での落札となることが多いのに対し、任意売却では8~9割程度での売却が可能です。
例えば、市場価格2,000万円の投資用マンションの場合、競売では1,000万円~1,400万円程度での落札となりますが、任意売却では1,600万円~1,800万円程度での売却が期待できます。この差額は400万円以上となり、残債務の圧縮に大きく寄与します。
高い価格で売却できる理由は、一般的な不動産売却と同様に、広く市場に物件情報を公開し、複数の購入希望者から選択できるためです。投資用マンションの場合、投資家や実需の両方からの需要が期待できるため、より良い条件での売却が可能になります。
2. 周囲に知られず、プライバシーを守りながら進められる
任意売却では、一般的な不動産売却と同様の販売活動を行うため、周囲に経済的な困窮を知られる心配がありません。競売の場合、裁判所のホームページや新聞などで物件情報が公開されるため、近隣住民や関係者に状況が知られてしまう可能性があります。
投資用マンションの場合、入居者に対しても「オーナーチェンジ」として自然に説明できるため、トラブルを避けながら売却を進められます。また、不動産会社による通常の販売活動として進められるため、購入希望者に対しても特別な事情があることを伝える必要がありません。
プライバシーの保護は、売却後の生活や仕事への影響を最小限に抑えるために重要な要素です。特に地域で事業を行っている方や、社会的な立場のある方にとっては、このメリットは非常に大きいといえるでしょう。
3. 手数料などの持ち出し費用が基本的に発生しない
任意売却では、不動産仲介手数料や司法書士費用、抵当権抹消費用などの諸経費を売却代金から差し引いて精算するため、手持ち資金を用意する必要がありません。通常の不動産売却では、これらの費用を売主が現金で支払う必要がありますが、任意売却では債権者がこれらの費用を売却代金から認めてくれます。
投資用マンションの場合、売却に必要な費用は物件価格の3~5%程度となることが多く、2,000万円の物件であれば60万円~100万円程度の費用が発生します。これらの費用を現金で用意することが困難な状況でも、任意売却であれば売却を進められます。
また、引っ越し費用についても、債権者との交渉により売却代金から一定額を確保できる場合があります。これにより、売却後の生活再建に必要な資金を確保しながら手続きを進められます。
4. 売却後の残債務を無理なく分割返済できる
任意売却により売却代金で完済できない残債務については、債権者との交渉により無理のない分割返済が可能になります。競売の場合、残債務の一括返済を求められることが多いのに対し、任意売却では売主の経済状況に応じた返済計画を立てられます。
例えば、売却後に500万円の残債務が残った場合、月2万円~3万円程度の分割返済で合意できることがあります。これにより、売却後の生活に過度な負担をかけることなく、債務整理を進められます。
また、任意売却の手続きを通じて債権者との良好な関係を維持できるため、その後の返済についても柔軟な対応を期待できます。経済状況が改善した際の繰り上げ返済や、逆に困難になった際の返済条件変更なども相談しやすくなります。
【デメリットと注意点】任意売却で必ず知っておくべき4つのこと

任意売却にはメリットが多い一方で、デメリットや注意点もあります。これらを正しく理解することで、より良い判断ができるでしょう。
特に投資用マンションならではの注意点も含めて、4つのポイントを詳しく解説します。
1. 信用情報への登録(いわゆるブラックリスト)は避けられない
任意売却を行う場合、通常は数ヶ月間の滞納が発生するため、信用情報機関への事故情報登録(いわゆるブラックリスト入り)は避けられません。これにより、売却後5~7年間は新たな借入れが困難になります。
具体的には、クレジットカードの新規作成、住宅ローンや自動車ローンの申込み、携帯電話の分割購入などができなくなります。投資用マンションの場合、新たな不動産投資も当然ながら困難になるため、今後の投資計画についても見直しが必要になります。
ただし、信用情報への登録は任意売却に限ったことではなく、競売になった場合でも同様の結果となります。むしろ任意売却の方が早期に債務整理を完了できるため、信用回復への道のりも短くなる可能性があります。
現在使用中のクレジットカードについては、滞納がなければ継続利用できることが多いため、生活への影響を最小限に抑えることができます。
2. 連帯保証人へ請求がいくため、事前の説明と同意が必須
投資用不動産ローンに連帯保証人を設定している場合、任意売却により残債務が発生すると、連帯保証人に対して請求が行われます。連帯保証人は主債務者と同等の責任を負うため、残債務の分割返済についても連帯保証人の同意が必要になります。
任意売却を検討する際は、必ず事前に連帯保証人に状況を説明し、理解と協力を得ることが重要です。後から知らされた場合、信頼関係の悪化や法的トラブルに発展する可能性があります。
連帯保証人が配偶者や親族の場合、家族全体の問題として話し合いを行う必要があります。場合によっては、連帯保証人も含めた債務整理を検討することもあります。専門家に相談する際は、連帯保証人の状況も含めて相談することが大切です。
連帯保証人への影響を最小限に抑えるためにも、早期の任意売却により残債務を圧縮することが重要になります。
3. 【投資用特有】入居者がいる物件(オーナーチェンジ)の売却は難易度が上がる
投資用マンションに入居者がいる場合、オーナーチェンジ物件として売却することになりますが、これは空室物件の売却よりも難易度が高くなります。購入希望者が限られるため、売却期間が長くなったり、価格が下がったりする可能性があります。
オーナーチェンジ物件の購入者は主に投資家に限られるため、実需(自分で住む人)の需要が期待できません。また、購入者は現在の賃料や入居者の属性、契約条件などを詳しく検討するため、売却手続きも複雑になります。
入居者への説明も慎重に行う必要があります。「オーナーが変わる」ことは賃貸借契約上問題ありませんが、入居者の不安を招かないよう、適切な説明とフォローが求められます。
場合によっては、入居者に退去してもらい空室にしてから売却する方が、より高い価格で早期売却できることもあります。ただし、退去に伴う費用負担や法的手続きが必要になるため、専門家と相談の上で判断することが重要です。
4. 【投資用特有】売却後の税金(譲渡所得税)と確定申告
投資用マンションを売却する場合、売却益が発生すると譲渡所得税が課税されます。任意売却であっても、税務上は通常の不動産売却と同じ扱いとなるため、適切な税務処理が必要です。
ただし、多くの任意売却では売却価格が購入価格を下回る(売却損が発生する)ため、譲渡所得税が発生しないケースの方が多いといえます。逆に、売却損が発生した場合は、他の所得と損益通算できる場合があります。
重要なのは、売却の翌年に確定申告を行う必要があることです。売却損が発生していても申告は必要であり、場合によっては還付を受けられる可能性があります。
また、減価償却の取り扱いも重要なポイントです。投資用物件では減価償却を行っているため、売却時には減価償却費の累計額が売却価格の計算に影響します。これらの税務処理は複雑になることが多いため、税理士などの専門家に相談することをお勧めします。
【5ステップで解説】投資用マンション任意売却の相談から完了までの全手順

任意売却を成功させるためには、正しい手順を踏んで進めることが重要です。ここでは、相談から売却完了までの全手順を5つのステップに分けて詳しく解説します。
ステップ1:専門家への相談・現状の整理
任意売却を検討する際は、まず専門家への相談から始めます。弁護士、司法書士、不動産業者などの専門家に現状を説明し、任意売却が適切な解決方法かどうかを判断してもらいます。
相談時には、以下の書類を準備しておくとスムーズに進められます。ローンの残高証明書、物件の登記簿謄本、売買契約書、賃貸借契約書(入居者がいる場合)、滞納状況を示す資料などです。
専門家は、これらの資料をもとに債務状況を分析し、任意売却の可能性や想定される売却価格、手続きの流れなどを説明してくれます。複数の専門家に相談して、最も信頼できる相談先を選ぶことが重要です。
この段階で、家族や連帯保証人への説明も行います。任意売却は関係者全員の理解と協力が必要な手続きのため、早期に関係者との調整を行うことが成功のカギとなります。
ステップ2:金融機関(債権者)との交渉と同意取り付け
専門家の支援を受けながら、金融機関(債権者)との交渉を開始します。任意売却には債権者の同意が必要不可欠のため、このステップが最も重要になります。
交渉では、現在の経済状況や今後の返済見通し、物件の市場価値などを説明し、任意売却による解決が債権者にとってもメリットがあることを伝えます。競売と比較して、より多くの回収が期待できることを具体的な数字で示すことが効果的です。
金融機関によっては、任意売却の専門部署が設置されている場合もあります。担当者と良好な関係を築きながら、売却条件や手続きの詳細について調整を行います。
債権者の同意が得られた場合、任意売却の条件(売却期限、最低売却価格、諸費用の取り扱いなど)について合意書を交わします。この合意書が任意売却を進める上での重要な根拠となります。
ステップ3:不動産の価格査定と販売活動の開始
債権者の同意が得られたら、不動産の価格査定を行い、販売活動を開始します。投資用マンションの場合、収益性も考慮した査定が必要になるため、投資用不動産に詳しい業者に依頼することが重要です。
査定では、立地条件、築年数、設備状況、賃貸状況(入居者がいる場合)、周辺の相場などを総合的に評価します。複数の業者に査定を依頼し、適正な価格設定を行います。
販売活動では、一般的な不動産売却と同様に、インターネット広告、不動産情報誌、店頭展示などを活用します。投資用物件の場合、投資家向けの情報サイトや専門誌への掲載も効果的です。
内覧対応や購入希望者との交渉も重要な要素です。入居者がいる場合は、入居者のプライバシーに配慮しながら内覧を行う必要があります。事前に入居者への説明と協力を得ることが大切です。
ステップ4:購入希望者との売買契約の締結
購入希望者が現れたら、売買条件の交渉を行います。価格だけでなく、引き渡し時期、入居者の承継条件、設備の取り扱いなどについても詳細に調整します。
投資用マンションの場合、敷金の承継や賃貸借契約の引き継ぎなど、通常の売却にはない条件調整が必要になります。購入者が投資目的の場合は、収益性についても詳しく説明する必要があります。
売買条件が合意に達したら、売買契約を締結します。任意売却の場合、債権者の承認を条件とする特約を設けることが一般的です。また、ローンの残債務処理についても契約書に明記します。
契約締結後は、決済に向けた準備を進めます。抵当権抹消の手続き、入居者への通知、各種精算の準備などを行います。司法書士や税理士などの専門家とも連携しながら、スムーズな決済を目指します。
ステップ5:決済・物件の引き渡しと残債務の整理
売買契約に基づいて、決済と物件の引き渡しを行います。決済では、売却代金の受領、ローン残債務の一部返済、抵当権の抹消登記などを同時に行います。
投資用マンションの場合、入居者への所有者変更通知、敷金の承継、賃貸借契約書の引き継ぎなども行います。管理会社がある場合は、管理契約の変更手続きも必要になります。
売却代金でローン残債務を完済できない場合は、残債務の処理について債権者と最終調整を行います。分割返済の条件、返済開始時期、連帯保証人への対応などについて合意します。
売却完了後は、税務申告の準備も必要です。譲渡所得の計算、必要書類の整理、税理士への相談などを行います。また、売却後の生活再建に向けた計画も立てることが重要です。
投資用マンションの任意売却|成功を左右する相談先の選び方

任意売却の成功は、適切な相談先を選ぶことから始まります。投資用マンションの任意売却には特有の知識と経験が必要なため、相談先選びは特に重要です。信頼できる専門家を見極めるためのポイントを詳しく解説します。
「任意売却」と「不動産投資」両方の専門知識と実績があるか
投資用マンションの任意売却では、一般的な任意売却の知識に加えて、不動産投資に関する専門知識も必要になります。収益物件の査定方法、投資家のニーズ、オーナーチェンジ物件の販売戦略などを理解している専門家を選ぶことが重要です。
相談先を選ぶ際は、過去の実績を確認しましょう。投資用マンションの任意売却を何件程度手がけているか、どのような物件を扱っているか、成功事例はあるかなどを質問してみてください。
また、不動産投資に関する知識の深さも重要なポイントです。賃貸経営の実情、投資用ローンの特徴、税務処理の方法などについて、専門的な説明ができる相談先を選びましょう。
実際の相談では、あなたの物件の特性を正しく理解し、適切な売却戦略を提案してくれるかどうかを見極めることが大切です。一般的な住宅と同じような説明しかできない場合は、専門性に疑問があります。
弁護士や司法書士など法律の専門家と連携しているか
任意売却では、債権者との交渉、契約書の作成、抵当権抹消手続きなど、法律に関わる業務が多く発生します。そのため、弁護士や司法書士などの法律専門家と連携している相談先を選ぶことが重要です。
特に投資用マンションの場合、入居者の権利、賃貸借契約の承継、敷金返還義務の承継など、複雑な法律問題が発生することがあります。これらの問題に適切に対応できる体制が整っているかを確認しましょう。
連携体制については、専属の法律専門家がいるか、必要に応じて紹介してもらえるか、費用はどのように負担されるかなどを具体的に質問してみてください。法律専門家との連携が曖昧な場合、手続きが滞ったり、後でトラブルになったりする可能性があります。
また、税理士との連携も重要です。投資用マンションの売却では、減価償却の処理、譲渡所得の計算、確定申告など、税務処理が複雑になることが多いためです。ワンストップで各種専門家のサポートが受けられる体制があると、手続きがスムーズに進められます。
相談時には、どのような専門家とどのような形で連携しているかを具体的に説明してもらい、安心して任せられる体制かどうかを判断しましょう。
担当者の対応は誠実か?メリット・デメリットを正直に話してくれるか
任意売却の成功には、担当者との信頼関係が欠かせません。担当者の対応が誠実で、メリットだけでなくデメリットも正直に説明してくれる相談先を選ぶことが重要です。
良い担当者は、初回相談で現状を詳しく聞き取り、複数の解決方法を提示してくれます。任意売却だけでなく、個人再生や自己破産などの他の選択肢についても説明し、あなたの状況に最も適した方法を提案してくれるはずです。
逆に注意すべきは、メリットばかりを強調して契約を急がせる業者や、高額な費用を前払いで要求する業者です。「必ず高く売れる」「絶対に任意売却がお得」などの断定的な表現を使う業者も避けた方が良いでしょう。
担当者の説明が分かりやすく、疑問点に丁寧に答えてくれるかも重要なポイントです。専門用語を多用せず、あなたの理解度に合わせて説明してくれる担当者であれば、安心して相談を続けることができます。
複数の業者に相談し、対応を比較検討することをお勧めします。相談は無料で行っている業者が多いので、遠慮せずに複数の意見を聞いてみましょう。
投資用マンションの任意売却に関するよくある質問(Q&A)

投資用マンションの任意売却について、よくある質問とその回答をまとめました。これらの情報を参考に、不安や疑問の解消にお役立てください。
Q. 相談から売却完了まで、どれくらいの期間がかかりますか?
A. 一般的に、相談から売却完了まで3~6ヶ月程度の期間が必要になります。ただし、物件の条件や市場状況により前後することがあります。
具体的なスケジュールとしては、債権者との交渉・同意取り付けに1~2ヶ月、販売活動に2~3ヶ月、契約から決済まで1ヶ月程度となります。投資用マンションの場合、入居者がいるオーナーチェンジ物件は購入希望者が限られるため、空室物件よりも売却期間が長くなる傾向があります。
売却期間を短縮するためには、適正な価格設定、効果的な販売活動、購入希望者との柔軟な条件交渉が重要です。また、債権者が設定する売却期限もあるため、早期の相談と迅速な対応が求められます。
Q. サブリース契約中の物件でも任意売却は可能ですか?
A. サブリース契約中の物件でも任意売却は可能です。ただし、サブリース契約の内容や管理会社との関係により、手続きが複雑になることがあります。
サブリース契約がある場合、契約の承継方法について管理会社と協議する必要があります。購入者がサブリース契約を引き継ぐ場合と、売却を機に契約を解除する場合があり、どちらを選択するかは購入者の意向と管理会社の方針によります。
契約解除の場合は、解除条件や違約金の有無、入居者への対応方法などを確認する必要があります。これらの調整には時間がかかることがあるため、早期に管理会社との協議を開始することが重要です。
サブリース契約の内容は複雑なことが多いため、契約書の詳細な検討と法律専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。
Q. 任意売却後の残ったローンはどうなりますか?
A. 任意売却後に残ったローンは、債権者との交渉により分割返済することが一般的です。返済条件は、売主の経済状況に応じて柔軟に設定されることが多いです。
具体的には、月々1万円~5万円程度の分割返済で合意するケースが多く見られます。返済期間は10年~20年程度となることが一般的ですが、債権者の方針や残債務の金額により異なります。
重要なのは、返済能力に応じた現実的な返済計画を立てることです。無理な返済計画では継続が困難になり、再び問題が発生する可能性があります。債権者も完済を望んでいるため、継続可能な返済計画であれば柔軟に対応してくれることが多いです。
また、経済状況の変化に応じて返済条件を変更することも可能な場合があります。定期的に債権者とコミュニケーションを取り、良好な関係を維持することが重要です。
Q. 任意売却後に新しいローンを組むことはできますか?
A. 任意売却後は信用情報に事故情報が登録されるため、一般的に5~7年間は新しいローンを組むことが困難になります。これは住宅ローンだけでなく、自動車ローンやカードローンなども含まれます。
ただし、信用情報の回復期間は債務整理の方法や金融機関により異なります。任意売却の場合、競売よりも早期に債務整理が完了するため、信用回復も比較的早い傾向があります。
新しいローンを組む際は、任意売却の経験を正直に申告し、その後の返済実績や経済状況の改善を説明することが重要です。頭金を多めに用意したり、連帯保証人を立てたりすることで、審査に通りやすくなる場合もあります。
不動産投資については、信用情報の回復後も慎重に検討することをお勧めします。過去の経験を活かし、より安全な投資計画を立てることが大切です。
まとめ:一人で悩まず、まずは専門家へ相談することが解決の第一歩
投資用マンションのローン返済でお困りの方にとって、任意売却は競売を避けて経済的な負担を軽減できる有効な解決方法です。この記事で解説した通り、任意売却には多くのメリットがある一方で、デメリットや注意点も存在します。
重要なのは、現在の状況を正しく把握し、最適な解決方法を選択することです。ローン返済が困難になった場合、時間が経過するほど選択肢が限られてしまいます。早期の相談と適切な対応により、より良い条件での解決が可能になります。
投資用マンションの任意売却は、一般的な住宅の場合と比べて専門性が高く、入居者対応や税務処理など複雑な要素が多く含まれます。そのため、投資用不動産と任意売却の両方に精通した専門家のサポートを受けることが成功の鍵となります。
一人で悩みを抱え込むことなく、まずは信頼できる専門家に相談することから始めてください。
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