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夫が傷害罪で逮捕・解雇。世帯収入が一夜にして消え、住宅ローンの返済が限界に。連帯保証人として家族を守るために選んだ任意売却。

相談者のプロフィール

【相談者の情報】
宮本恵さん(仮)、43歳、埼玉県さいたま市緑区在住。
医療事務のパートタイム勤務、年収約148万円。
47歳の夫・洋介さん(仮)、16歳の長男、12歳の長女との4人家族。

【住宅・ローンの情報】
2014年に夫名義で購入した一戸建て(3LDK・延床105㎡)に居住。
住宅ローン残債は約2,890万円で、恵さんは連帯保証人。
月々の返済額は96,000円。

ご相談の内容

夫の洋介さんが昨年11月、帰宅途中に見知らぬ人に暴行を加え、傷害罪で逮捕・起訴されました。翌日には勤務先から「就業規則に基づき、起訴の時点で解雇となる」との連絡が入り、月収40万円ほどあった夫の収入がなくなりました。洋介さんは執行猶予付きの有罪判決を受けて帰宅しましたが、傷害の前科を理由に再就職の面接が通らず、相談時点で4ヶ月以上無収入の状態が続いていました。

恵さんのパート収入だけでは、月々96,000円のローン返済に加え、4人分の生活費と子どもたちの学費を賄うことは不可能でした。最初の2ヶ月は貯金を切り崩して返済しましたが、残高が70万円を割り込んだ3ヶ月目に返済を止めざるをえなくなりました。

その後、銀行から「期限の利益喪失」の通知が届きました。意味がわからずスマートフォンで調べると、「残債約2,890万円を一括返済する義務が生じた」という意味だとわかり、手が震えました。封を開けずに引き出しにしまい込んでいた通知の束が、一気に現実として迫ってくる感覚があったといいます。

その夜、12歳の長女から「お母さん、うち引っ越すの?夜中に電気つけてスマホ見てるから」と言われました。隠しているつもりだったのに、子どもに気づかれていた。恵さんはそのとき初めて、「このままではいけない」とはっきり思ったと話しています。

翌日、職場の同僚から「任意売却って競売より条件がいいらしいよ」と聞き、その夜に「任意売却 埼玉」「任意売却 競売 違い」などを検索。競売になる前であれば対応できるという情報を見て、相談を決めました。

ご提案・解決までの流れ

ご相談をいただいた時点では、すでに期限の利益喪失通知が届いていましたが、競売の申し立てには至っておらず、任意売却を進める時間的な余裕がある状況でした。

まず、恵さんが連帯保証人であることを確認し、手続きには名義人である夫・洋介さんの協力と署名が必要であることをご説明しました。恵さんは「夫を追い詰めるのではないか」と躊躇していましたが、「任意売却は競売を避けるための現実的な選択肢であり、家族全員にとってメリットがある」という点を丁寧にお伝えし、洋介さんにも同席いただいて状況を共有しました。

物件の査定を進めたところ、市場価格は2,400万〜2,500万円程度と判明。残債2,890万円との差額約400万円については、債権者である銀行と交渉し、残債を一括請求せず分割での返済に応じてもらえるよう協議しました。また、売却後の引越し費用として一定額を売買代金から充当できるよう、債権者の了承を取り付けました。

売却活動にあたっては、長女が通う中学校の学区内で賃貸物件を並行して探しました。「転校だけは避けたい」という恵さんの希望を最優先に動いた結果、同じ学区内で家賃7万円台の3LDK賃貸物件を確保。転校なしでの住み替えが実現しました。売却完了まで約4ヶ月、恵さんと洋介さんの双方が必要な手続きに対応しながら、滞りなく進めることができました。

相談者の声

任意売却という言葉を初めて聞いたとき、「どうせ業者に手数料を取られて何も残らないんだろう」と思っていました。「一度競売になったら手遅れ」という思い込みもあって、通知を開封するのを3週間近く避けていました。相談してみて初めて、まだ間に合う状況だったとわかりました。

夫に話すのも怖かったです。でも、担当の方に「ご主人にも一緒に話を聞いてもらいましょう」と段取りしていただいて、3人で話したことで、初めて夫婦で同じ方向を向けた気がします。あの場がなければ、今でも私一人で抱え込んでいたかもしれません。

長女の転校は絶対に避けたいと伝えたとき、すぐに「では学区内で賃貸を探します」と動いてくれたのが印象に残っています。家を失うことへの不安はもちろんありましたが、子どもたちの生活の継続が守られたことで、気持ちの整理がつきました。今は夫も少しずつ仕事の目処が立ってきており、家族としての落ち着きが戻ってきています。

担当者のコメント

恵さんから最初にご連絡をいただいたとき、声が緊張していて、言葉を選びながら話してくださっているのが伝わりました。夫の逮捕という出来事は、家計の問題だけでなく、家族関係にも深い影響を与えていました。恵さんが一人で抱え込もうとしていた部分が大きく、まずはその重荷を少し降ろしていただくことが最初のステップでした。

連帯保証人の方がご相談にいらっしゃるケースでは、名義人との関係や意思疎通が課題になることがあります。今回も、ご夫婦が同じ状況認識を持てるよう、最初の面談の場を丁寧に設計しました。

「期限の利益喪失の通知が届いた=もう手遅れ」と思い込んで相談をためらう方は少なくありません。ただ、競売の申し立て前であれば、任意売却に切り替えられる可能性は十分にあります。通知が届いた段階でも、できるだけ早くご相談いただくことが、選択肢を広げることにつながります。一人で状況を判断しようとせず、まずご連絡ください。